獣害対策で引き起こす災害

西日本を中心とした広範囲におよぶこのたびの水害。
土石流や堤防決壊が随所で起きているが、一部地域では「獣害フェンスが原因をつくっていた」と聞いて驚いた。
なるほど、考えてみれば、たしかにそれは有り得る気がする。
雨で流れてきた落ち葉や小枝などがフェンスのメッシュを塞ぎ、小さなダムをつくる。
すると、やがて、その流れが別方向へ行き、さらに大きな水流となって災害に及んでいくことは可能だ。
増えすぎた野生動物たちがこういうところにも遠因をつくっていたとなれば、それこそイマドキ自然環境を多角的に見ていかなければならないことになる。

「蟻の一穴」で堤防が、「ヌートリアの巣穴」から溜池が決壊することだってある。
新たな獣害視点が必要になってきた。
ちなみに、長野県だけで獣害フェンスはすでに1000kmを超えたという。


これは、大雪で獣害フェンスが倒壊。右側の水路にはヌートリアも生息している。左側の田んぼはすでに耕作放棄されている。フェンスには雑草がからまり、水路が増水すれば水流に相当な負荷をかけることは必至…。


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「地域人」=地方での生きかた

20180615

かねてからインタビューを受けていた、「地域人」(大正大学出版会)が発売になった。
巻頭8ページの特集記事だが、長めの文章を校正作業で何回も行ったり来たり。
でも、地方にいてもメールやPDFでのやりとりができるから、いい、時代になったものだ。
写真だってあっというまに添付送信できるし、ロボットカメラもまさに“産業ロボット”の位置付けとしてオイラは活用しているから、地方にいるからこそクオリティーの高い充実した仕事ができる、と考えている。
近年は若者が地方に魅力を感じて移り住んできているが、「地域人」になるには“痴呆人”になってはいけない、と思う。

今回は、すばらしい雑誌づくりをしている編集長と楽しく仕事ができたことに感謝している。

KONICA MINOLTA DIGITAL CAMERA

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キツネは瓜が好き…

 

20180613

「瓜にツメあり、爪にツメなし、“狐”はウリが好きな獣…なり」

最近のFBに、こんなことを書いたら、『ひえー  深~~い』っと言われた。
この人は、分かっている、いや、やっと分かったのだ、と思う。

オイラは写真家だけれど、生きものの内蔵から考えると極めて早く答えが出やすい。
日本の自然や野生を語るにはとっても大切なことだけれど、そこまでの理解は一般には難しいようだ。


キュウリの偵察にキツネがやってきたけれど、今年の初物はオイラが食べてしまったサ。

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フクロウが巣立つ

20180504

フクロウが、巣立ちを迎えた。
立派に成長して“森の哲学者”になるのだよ。

フクロウは、巣穴を提供してくれたリンゴ農家に感謝。
リンゴ農家は、ノネズミ退治をしてくれるフクロウに感謝。



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ツキノワグマのわずかな痕跡から行動を知る

20180419

ツキノワグマのこのような爪痕に気づく人は少ない、と思う。
しかも、人家に比較的近い場所での痕跡。
これは、昨年の初秋に左のウワミズザクラの幹をツキノワグマがよじ登り、右のアカマツの幹から降りてきた爪痕である。
ウワミズザクラの実を食べにやってきたことを物語っている。
ウワミズサクラとアカマツは上部で互いに50cmほどに接近していたから、熊もアカマツを降りたほうがラクだと判断したのだろう。

爪痕はそれぞれに矢印で示してあるが、ウワミズザクラの赤い矢印の間にある黒い小さなキズはすべてツキノワグマが登ったときにできた爪痕である。
大きなツキノワグマがこんなに小さな痕跡を残すだけなので、自然に関心のない一般の人にはまず分からないと思う。
ツキノワグマといえば目撃例だけが先行して語られているイマドキ日本社会であるが、このような痕跡のほうが圧倒的に多い。目撃例なんてのは、日々ツキノワグマが行動している何千分の1くらいの少ない確率でしかない。
なので、圧倒的なこうしたちょっとの痕跡確認の積み重ねで、周辺の自然環境からツキノワグマの生息密度を探ることが大切なのである。
そのうえで、オイラは独自開発をした信頼できる無人撮影ロボットカメラで実際にツキノワグマの動きを予測しながら撮影結果を出して、自分のヨミの確認作業を繰り返しているにすぎない。



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天然記念物柴犬保存会の「げん」

20180409

柴犬の「げん」は、だいぶ精悍な顔つきになってきた。
もうすぐ(6月)2歳になるが、オスの日本犬は5~6歳くらいが枯れてきていいカンジになる。

「げん」は、サルの追い払いはすでに完璧にできる。
「げん」がいるだけで、サルの群れはいつの間にか静かに後退していく。
深追いをさせないようにしているが、カモシカにも何回も出会って追っていく。
ツキノワグマとの遭遇もいつかはあるだろうが、そのときに「げん」がどのような行動にでるのかを楽しみにしている。
もっとも、「げん」がクマをこちらへ呼び込まないためにも、山野では「熊払い」をして歩くのがオイラの注意義務。
それには、「げん」がどのような行動をとっているのかを絶えず観察しつづけているのがイチバンいい。
「げん」の行動で、森の動きのかなりの部分がわかるからだ。
この動きは、10年間一緒に行動をともにしてきた「ホタル」とほぼ同じになってきた。
いや、ホタルを越える予感がする。

「げん」は、雄犬。


「ホタル」は、雌犬だった。

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ヒメネズミの高床住宅

ノネズミに関心のある人は少ないと思う。
しかし、海でいうならイワシのごとくたくさんいる陸のノネズミを観察してみれば、自然の深さがわかって面白い。
ヒメネズミが地上6mの樹洞で子育てをするとは、これまで思ってもみなかった。
そして、この時期には子供が生まれて、夏までにはこの樹洞を家族ともども去っていくこともわかった。
黙して語らない自然界をいかに語らせるかは、やはりロボットカメラの目が欠かせない。
ロボットカメラの映像分析から、自然の奥深さがみえてくるからだ。

①  臨月のヒメネズミ
②  モモンガはヒメネズミよりはるかに大きい…
③  散歩中のヒメネズミの赤ん坊

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フクロウが獲物を襲った現場の落とし物…

20180326

フクロウの下着が落ちていた。
それも、二枚並んで。
下着といえば聞こえは悪いが、いわゆるダウンというやつである。
このダウンがフクロウのどのへんに生えているのかといえば、下腹部にある。
ということは、フクロウがここでノネズミの捕獲行動をしたことになる。
フクロウのダウンはとても柔らかく、浮遊効果もあるので、風や上昇気流で飛んでいってしまうことがある。
しかし、地上の落ち葉にからみつくように二枚ものダウンがここにあるということは、フクロウが激しく地上に着地した証拠である。

「フクロウ=平凡社」という伝説的写真集を出しているオイラだから、たった二枚のフクロウの下着を見つけただけでフクロウがどのような行動をしたかまで想像できてしまう。
そういえば、昨夕はこの近所でフクロウの素晴らしくよく透る声を聞いた。
それは、オスのフクロウが「いま、狩りをしているところだよ…」と、メスに伝えている声だった。



フクロウのダウンはとにかく柔らかくて軽くて、ふわっふわ。

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春の大雪や嵐は生物みんなが感謝…

20180322

春分彼岸の大雪は、自然界にとっては大切な自然現象。
まさに、自然撹乱をして森羅万象あらゆる生物たちにリセットをせまり次なるよろこびに代えていくのではないか、と思う。
水分を含んだ重たい雪が降り、ときには樹木の枝や幹を折る。
そこから「穴」の発生がはじまり、大きな時間軸の末には大小の生物たちに棲み家となるマンションを提供する。

こうした時間軸で自然界を目撃していくと、昨日の大雪も試練と撹乱の営みだったと思えばいい。
山で遭難をして救助された人、雪の備えを怠って車トラブルに巻き込まれた人…ここにも試練と撹乱を与えてくれたはず。
そして、そのあとに反省があり次なる生き方への希みという教科書を自然界がつくってくれたのではないか。
こう達観できるのも、森の哲学者であるフクロウが「樹洞」という巣穴に生息しながらオイラに自然のしくみを教えてくれたからである。



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柴犬の隠れた能力に期待…

20180318

矢印の先にある穴には、イマ現在モモンガとヤマネが入居中。
このことを知っているのは、スーさんとオイラだけ。
なのに、昨日は柴犬の「げん」も知ることとなった。

この現場にはこれまで犬たちを連れて行かなかったが、昨日「げん」をはじめてともなってみた。
すると「げん」はすぐにこの穴をみつけて、何回もなんかいもニオイを嗅ぎ小さく吠えた。
別に教えたわけでもないのに現場でいきなりこのヒノキの大木をめざして、ニオイ取りをしたのだから偉い。
「げん」はまだ2歳前だが、この素質はこれからいろんなところで発揮されることだろう。
楽しみ、だ。

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