ツキノワグマの下半身で生息構成がみえてくる

20201027
ツキノワグマの股間を見せてもらうから「マタミール」。
この撮影は、真面目でとても大切なこと。
しかも、高度なロボット撮影技術をもちあわせていないと不可能である。
何故にこのようなことを思いつき実行したかといえば、日本の自然界でのツキノワグマの生息構成を少しでも解き明かしたい、と考えたからだ。

ツキノワグマの下半身を撮影すれば、雌雄判定どころか、とくにメスの年齢構成が分かる。
これによって、出産経験があるのか育児中なのか処女なのか…が一目瞭然だからだ。
成獣が出産を続けながら繁殖予備群となる若いメスがどんどん加わっていけば、ツキノワグマは増加に向けて上潮にあると考えられるからである。
こうした考えのもとで撮影したのがイマから10年前(2010年)のこと。
結果は、若いメス個体が当時からたくさん加わっていた、ということである。

ドングリが豊作で2年前にツキノワグマの「ベビーラッシュ」があった。
だから、今年(2020年)は若い熊が里にたくさん出てくるのだ…。

このようなニュースがまことしやかに流されているが、これには極めて疑問符がつく。
10年も前からツキノワグマの下半身「マタミール」撮影を丁寧にやってくれば、まやかし発言なんてできないからである。
ドングリに関係なく、エビデンスで語るツキノワグマの構成図。
これこそが、イマもっとも必要とされるツキノワグマの生息構造を視覚言語化できる。

ツキノワグマは、確実に猛烈に増えている。
写真で何ができるか写真家は何をやるべきか、まだまだ考える日々が続く…。

このような撮影を続けることで、ツキノワグマの雌雄や年齢構成がみえてくる。

カテゴリー: 旅・取材・人 | ツキノワグマの下半身で生息構成がみえてくる はコメントを受け付けていません

秋の夜長はフクロウ観察のチャンス…

20201026

野生のフクロウを観察するには、いまの時季がチャンス。
夕方から明け方まで闇が濃いから、夜行性で活動的なフクロウを知る最大条件と重なる。

フクロウは声を何種類も使って行動するから、闇夜にはリスニングがもっとも大切…。

闇夜を一瞬で飛翔してよぎるシルエットは、まるでツバメが飛ぶように速い。
月が明るいときに森を透かしてみるフクロウの姿を見てしまうと、もう、すっかりフクロウという野鳥の虜になってしまうから堪らない。
そんなフクロウの虜にされてしまえば、闇夜だって不苦労…だ。

カテゴリー: 旅・取材・人 | 秋の夜長はフクロウ観察のチャンス… はコメントを受け付けていません

野生ニホンリスの股間盗撮カメラ…


リスの「マタミール=股見る」。

こんな写真を撮るのは、オイラだけだろう?
キレイで可愛いいリスを撮影するのにアップあっぷの時代はもう終わっていると思う。動物写真は、すでに、とっくに第二ステップに入っている。

「腐らない写真」とは、時代のきっかけとなっていつまでも残る写真のこと。
人のマネなら誰でもできるけれど、その次を考えていくのが新時代の撮影模索だと思う。

リスの雌雄判定がしたくて、股間撮影カメラを開発した。
小さくて敏捷な動きをする野生リスの股間を無人撮影ロボットカメラが捉えると、若い雄リスの “がまん汁”まで撮影できてしまう。

写真で何が出来るか、写真家は何をするべきか…。
そんなことをいつも考えているとアイデアもスキルもどんどん上ってくるから、楽しい。

カテゴリー: 旅・取材・人 | 野生ニホンリスの股間盗撮カメラ… はコメントを受け付けていません

人家近くのツキノワグマ

20201023 

長野県塩尻市で老人がツキノワグマに襲われて大怪我をしたというニュースがあった。
「こんな人家にちかいところにツキノワグマが来ているなんて…」というニュースコメントに、一般人もマスコミ人も行政も分かってないなぁーと思いながら現地を見ておくことにした。
Google Mapで場所を特定できていたから現場に行ってみると、クマ捕獲のドラムカン檻があった。
やっぱり、餌は「ハチミツ」…。
捕獲できるか疑問だが、ニュースの後から二手も三手も五手も先を予測して関係者は対処しなければならないのにリテラシーが足りないなぁー、と備忘録写真。

この檻から300mのところには、6時間以内というツキノワグマの足跡が杉林にあった。
それも、巧みな「けもの道」となって人に気づかれないように、でも、かなり頻度よく使っている道だった。
ツキノワグマをはじめとする野生動物は、人間が想像する以上に「人」と「社会」と「心理」をしっかり観察して行動していることを忘れてはならない。

 
 
カテゴリー: 旅・取材・人 | 人家近くのツキノワグマ はコメントを受け付けていません

国道や線路脇にもツキノワグマが餌取り出没

20201022

昨日、とある町でツキノワグマ対策の講演があって一泊。
そのあと、現地のツキノワグマ出没痕跡をひとり巡って探してきた。
猛烈に交通量の多い国道脇に、見事なツキノワグマの「熊棚」を見つけた。
並行して走るJR線路脇にもたくさん…。
これだけでなく、周辺には鳥肌が立つくらいの痕跡が目撃できた。

動体視力に自信のあるオイラなので、運転中でも次々にツキノワグマの行動痕跡が目にはいってしまう。
この木が何という樹種で、何のためにツキノワグマが登ったのか、しかもトラックをはじめとする車両がひっきりなしに通る道路脇20mのところになぜ?、っと一瞬で考察しなければならない。
とにかく、爆発的に増えてきているツキノワグマの証拠物件である。

一日に何千台と通過する車の運転手などが、どれほどこれらの痕跡に気づいていることだろうか?
たぶん、皆無だと思う。
そのうちに、ツキノワグマと車の衝突事故が必ず起きる、とオイラは思いながら運転してきた。

カテゴリー: 旅・取材・人 | 国道や線路脇にもツキノワグマが餌取り出没 はコメントを受け付けていません

雑食性のツキノワグマ

20201020

ツキノワグマがニジマスを食うなんて、どれほどの人が想像できるだろうか?
自然界の出来事をきちんと撮影して報道しなければならないと思っているオイラには、ふつうに想像してきたことだから、このようなカットを撮影したまで。
しかも、この写真は13年も前に撮影している。
それなのに、相変わらず「ドングリ」にしか視点がいっていないイマドキ現代社会の自然に対する認識錯誤にはあきれている。

明日は、ツキノワグマが猛烈にたくさん出没して困っている自治体で貸切講演を頼まれた。
コロナ禍でもあり密を避けて広い会場でたった10名ほどの講演だが、オイラにとって10名でも100名でも1000人でもやることは同じ。
プロとして招いていただけたのでSNSなどでは公開していない現場写真を100枚ほど使って、ツキノワグマへの対処と自然界の変化を話すことにしている。
10名なのでたぶん相当に熱心なみなさんだと思う。
なので、高度なリテラシーに期待している。

カテゴリー: 旅・取材・人 | 雑食性のツキノワグマ はコメントを受け付けていません

ツキノワグマ看板が目立ちはじめる…

20201017
ツキノワグマ出没人身事故があまりにも多い。

全国を回ってみるだけでも、「熊注意」喚起看板がどれほど目につくことか…。
このような看板だけでも、全国同時にイマ撮影して一箇所に集めて検証してみても面白い。
裏を返せば、それほどツキノワグマが増えているということである。

自然保護でなくて「保誤」してきたのだから、こうなったのである。
来年も再来年もそれよりさらに先までツキノワグマによる事故は減るどころか増えつづける…。
これは、全国を歩いて看板を確認しながら周辺の自然環境と照らし合わせて見てきた写真家としてのオイラの直感力でもある。

カテゴリー: 旅・取材・人 | ツキノワグマ看板が目立ちはじめる… はコメントを受け付けていません

ツキノワグマの激増は人間社会変化とリンクしている

20201001

「ツキノワグマ」は、スカベンジャー動物であることを忘れてはならない。

いわゆる自然界での掃除屋さん、なのである。

老いた野生動物は襲うし、死体があればそれらを食べてきれいに処理する動物として存在する。
もちろんツキノワグマは人類のはじまりころにはすでにツキノワグマの習性を宿しながら地球上に誕生して、今日まで生きてきているので、宗教のはじまる以前には土葬や放置人間を食って環境クリーニングもしてきていた。
イマドキ現代人は自然界に対して心地よい夢ばかりを求める傾向があるが、野生のあまねく生命のそれぞれには習性というものがあり、その生き方を尊重しなければならない。

猛烈に増えすぎたシカが生命をまっとうすれば、それらを食べて処理してくれる生物がいないと自然界に“腐敗菌”が発生して健康で必要とされる生命までも脅かす存在となる。そのようなことが起こらないためにも、「腐食物連鎖」というものを自然界はプログラムしている。そこにツキノワグマもしっかり組み込まれているからだ。

シカが何故に激増したのか?
人間社会のモータリゼーション変化で、冬期間の道路凍結防止に全国的に散布される「融雪剤=塩化カルシウム」が胆のうを持たないシカの健康管理を間接的にさせながら激増させてきた。
とにかく高速道路から国道、県道、市町村道、林道にいたるまで、融雪剤を冬期間に大量に撒きつづけて半世紀に近づきつつある。これは、人間社会が全国津々浦々にまでドラッグストアの支店を作りつづけて、シカにとってはとてもありがたい社会変化。そこで、ミネラル分が少しでも欲しくなればシカは道路脇に行って塩分濃度の高い「土」を舐めればよいのである。
こんなこと、人間社会でも戦国時代や江戸時代などに「敵に塩を送る」とか「塩の道」などをリテラシーすればすぐに分かること。
こうして増えたシカの生命プロセスのなかにツキノワグマが登場してくれば、時間差でツキノワグマも激増してくることが容易に判断できるのである。

ここに私たち人間も深く関わっていることに気づくことが大切で、「無意識間接的餌付け」を私たちがやってツキノワグマを間接連鎖で増やしているからだ。

増えたツキノワグマを「ドングリ」だけでしか語れないイマドキ現代人の想像力欠如にはあまりにも悲しいものがある。

母親に連れてこられた子グマたちにとって、動物の死体は「おふくろの味」として一生覚えていき、次世代にもつなげるのがツキノワグマという野生動物の生きる習性。
 

高速道路
高速道路の橋にはとくに大量の融雪剤が散布される。それらが解けて流れ落ちる土壌には数十年分の融雪剤が蓄積されているから、シカたちもちゃんと覚えていてめいめい多数が集まり今日に至っている。

猛烈に腐敗してウジだらけになってもツキノワグマはウジの踊り食いをする。その消化力と細菌などに対する解毒力をしっかり理解して自然界を目撃していくことが現代社会に求められるテーマではなかろう…か。
 

イマドキのシカたちはどれだけ融雪剤に健康管理されているのかということが、こうした足跡を観察するだけでも一目瞭然。
 
 
 
 
カテゴリー: 旅・取材・人 | ツキノワグマの激増は人間社会変化とリンクしている はコメントを受け付けていません

捕獲・再放獣をくりかえしても戻ってくるクマ

20200930

この写真は、昨年のオイラの仕事場。クマが庭に絶対に来ているという確信のもとで庭先へ無人カメラを向けておいたらこのように撮影された。このクマはブロック塀を乗り越えて、隣の敷地へ入っていった。

このクマは、いちど捕まり右耳に「放獣」を示すタグがついている。お仕置きしたから人間社会には「戻ってこない」という発想の元でツキノワグマ保護をやりながら「手負い熊」を放しているのである。タグの番号も分かっているけれど、放獣関係者からはどこで捕獲されどこへ放したかの情報は一切閉ざされた…まま。

捕獲、放獣を繰り返すばかりの考え方から、ツキノワグマは長野県内だけでもどのくらい生息しているのかといった調査研究がもっとも大切なのだが、発想企画力はじめすべてにおいてスキル不足が否めない環境行政の体たらく…。

それでいて、クマに襲われ死亡したり再起不能な事故が起きてもすべてが自己責任で葬式代や治療費は「自前」。

猛烈にツキノワグマが増えつづけているのに、どうも認識ボタンが掛けちがっている。


カテゴリー: 旅・取材・人 | 捕獲・再放獣をくりかえしても戻ってくるクマ はコメントを受け付けていません

ツキノワグマはめちゃくちゃに多数が棲息中

20200909

「ツキノワグマ」がオイラのフィールドには多すぎる。
とにかく、行動が見えないだけで無人撮影トラップカメラにはバンバン撮影されるから、信頼できる警護犬の「げん」と「熊スプレー」と「剣鉈」が手放せない状態…だ。

3日(9/6)前には、「げん」がこの現場で執拗に臭い取りをしていた。
カメラのメディアを回収してみたら、なんと3時間半ほど前の朝7時22分に3頭のツキノワグマが写っていた。
若い母親と昨年生まれの大きく成長した子熊2頭、だ。
そして、昨夜(9/8日)の19時54分には、トラップカメラを破壊するクマが撮影されていた。
しかも、このカメラから150m下にある別カメラには今朝の6時59分に100kg近い大きな別クマが撮影されていた。
他にも、小さな子熊1頭を連れた母親もいる。
まだまだ、もう5箇所のカメラにツキノワグマの存在が撮影展開されてもいる。

昨年は、ここ400mエリアだけで15頭のツキノワグマを個体識別した。
今年は、この狭いエリアにそれを上回る勢い…だ。
ツキノワグマ専門家とか研究者や行政はまたしても今年の大雨やらブナやドングリの実りに引っ掛けて「クマ出没」をアピールしているけれど、野生ツキノワグマを語る思考と個体把握スキルがちっとも進化してないような気がしてならない。
写真で何ができるか、写真家として何をするべきか…。
オイラはいつも考えていたい。


「げん」が臭いを嗅ぐ3時間半前には3頭のツキノワグマが歩いていった。

昨夜は、この現場のカメラをひっくり返してさらにシステム破壊するクマの頭が撮影された。

もちろん、先程「げん」に警護してもらいながらカメラの修理をしてきたけれど。


右腕のこのようなキズだけでも、個体識別の参考には充分に役立つ。

 

カテゴリー: 旅・取材・人 | ツキノワグマはめちゃくちゃに多数が棲息中 はコメントを受け付けていません