ムササビの交尾行動

昨日はムササビのとんでもない観察ができて嬉しかった。
なんと、交尾に至るまでの行動を目撃できたからだ。
吹雪とまではいかないが、雪の舞う寒い一日だった。
午後3時ちょっとすぎのまだ明るい時間帯なのに、近所の別荘地樹林でムササビの「キュルキュル…」という声が聞こえた。
まさか、こんな時間にムササビが外にでているはずはないと思った瞬間ムササビが飛んだ。
オイラから15mほどの距離を飛んだと思ったらそのあとにもう一頭のムササビも続いて飛んだ。
二頭は3mほど離れたヒノキの幹の底部にそれぞれ着地したと思ったら猛烈なスピードで幹を駆け上がった。
そして、一頭が再び飛んだ瞬間に、もう一頭も飛び、先のムササビの背中にまるでスカイダイビングで重なるようにして「落下」した。
地上に落ちるかと思ったら、地上から2mほどの幹に二頭ともに重なるように張りつき、雄が雌を腹の下に隠すようにして交尾のポーズをとった。

それを撮影しようとしてオイラが動いた瞬間に、再び二頭は離れて幹を駆け上り、視界の外に滑空してしまった。
まあ、ムササビの交尾行動とはこんなものかと、素晴らしい行動を自分の目で確認できたのがよかった。

オイラの仕事場である「むささび荘」には2つのムササビ用の巣箱が架けてある。
その②番巣箱からわずか7mほどのところでの交尾行動だったので、昼間ににそれを目撃できたことはラッキーだった。
たぶん、同じような行動を目撃できないだけで夜間には近所でたびたび行っているのだろう。
ちなみに、①番巣箱はどうだろうかと見れば、なんと①番巣箱からムササビが顔を出していた。
①番と②番巣箱の距離は20mほどだから、巣箱から顔をだして二頭のムササビの一部始終を見ていたにちがいない。
けっきょく、仕事場の庭には3頭のムササビがいたことになる。
今春は、これらの巣箱で子育てが見られるかもしれない。

201701081522 この日時に交尾を見る DSC_8421

青が雄の軌道で赤は雌。燈の丸のところで重なる。②の巣箱でも過去にムササビが子育てをしたことがあるので、今年は期待がもてそう。
もちろん、①の巣箱でも子育てが何回か行われている。

20140210 ムササビ スカイダイビング 

 

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ツキノワグマだって変化をしていく


10年ぶりに、この柿の木を訪れた。
10年前には、古いながらもツキノワグマの爪あとが幹に確かに見られた。
そして、今年はツキノワグマが登ったらしき爪痕はどこにもなかった。
10年間、クマがまったく訪れていないことを柿の木の幹が物語っていた。
しかし、周辺地域にはツキノワグマが高密度で棲息している。
クマの食嗜好が確実に変化していることを直感する。

背後に見える人家も、この10年間で完全に空き家となった。
しかも、廃屋に近づいている。
10年単位での時間軸で自然環境を目撃して、考えていくことの大切さ。
新年から、またひとつ、自分をみつめ自然環境を探る時間がもてたことは新たな発見だった。

20170102 清内路 DSC_0684

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冬期間のゲリラ雨

昨夜半から猛烈な雨。
この雨は、今朝起きてもまだ続いている。
冬期この時期に大雪になっても困るが、ここ数年は冬でも大雨が降るのも困る。
間違いなく地球の気象が大変化していることは事実…。

なので、水辺ので撮影が最近ではできなくなった。
思わぬ増水でカメラが流されたり貴重な装置が水没したりするからだ。
過去に5台のカメラが水没という苦い経験がある。
だからといって、水辺にも生態的発見があるから撮影だけは続けたい。
悩むところだが、対策を考えながらやるしかないだろう。

20110222suibotuDSC_1512 - コピー - コピー

201602011458 天竜川水神 水没カメラ RIMG0005

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チョウセンイタチを定期撮影する難しさ

チョウセンイタチも、「日本の侵略的外来種ワースト100」に選ばれている。
先般書いたタイワンリスとニホンリスとの関係に近いものがある。
そのチョウセンイタチも西日本からどんどん北上作戦をとっており、すでに北陸地方にも侵入していると思う。
東海地方は全域制覇で長野県南部にも入ってきているのではないのか、と思っている。
もっとも、イタチの仲間を確実に観察し撮影するのはきわめて難しく、偶然性に頼ることが多いので実態が分からないのが現状であろう。
そこで、オイラは必然性を感じてイタチ類の撮影方法確立にも挑戦している。
しかし、ここ数年来の日本列島温暖化で真冬でも「大雨」が降るようなこともあり、カメラが水没して思うように実績があがっていない。
でも、だれかがやらなければならないので、今冬も再びチョウセンイタチに挑戦しようと思っている。
まあ、一般人にはどうでもいいことだけれど、こうしたこだわりがないと日本の野生動物の実態などは分からないから。

201503241900 ホンドとチョウセン2  DSC_0024

201211250420 チョウセンイタチ55-3DSC_0776

201101252008 チョウセンイタチ岐阜羽島  DSC_0333

↑ スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の卵塊に興味を示すチョウセンイタチ。周囲の死貝殻に注目すれば、この動物を知る手がかりになるのかも知れない。

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快進撃中のヌートリア

東海地方の小さな街中を「ヌートリア」が泳いでいた。
首には針金による手作り「くくり罠」がしっかり食いこんでいた。
針金は、途中で切れていた。
ワナにかかったヌートリアが動きまわって針金を切ったにちがいない。
ヌートリアの習性と針金の特性を知っていれば、ここにスナップをかませれば解決はできたハズ。

まあ、ヌートリアをなんとか捕獲したかった近隣の人。
そのワナから逃れたかったヌートリア。
どちらも、必至の攻防作戦だったのだろう。
ヌートリアは「特定外来生物世界ワースト100」。

ミカンを食べる針金つきのヌートリア
20150201 ミカン食いヌートリア DSC_6789
20150201 くくり罠ヌートリア   DSC_6816

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コジュケイを餌にする野鳥

「コジュケイ」は、中国原産の外来種。
100年近く前(大正時代)から、狩猟用に放鳥されてきたらしい。
なので、関東地方などにはかなり棲息数も多いみたいだ。
標高もある山間部の長野県では、5~10年単位ほどで増えたり減ったりしていることがその鳴き声でわかる。
コジュケイは大きな声で鳴くのでその存在はすぐに知れ、「増えてきたなぁー」と感じているといつの間にかいなくなっている。
コジュケイが増えてくると、オオタカがいきなり営巣して3年ほどで立ち去っていく現場を過去に何回か目撃してきた。
そんなとき、フクロウを自動撮影していたらフクロウもコジュケイを巣へもってきたのには驚いた。
なるほど、コジュケイはオオタカにもフクロウにも獲物としてターゲットされているのだ、と思った。
長野県でコジュケイがこのように増減を繰り返しているのは、やはり定期的に「放鳥」が行われているからだろう。
オオタカやフクロウの捕食者からみれば、これはありがたい直接的「餌付け」となり喜んでいるにちがいない。
そんなコジュケイが雨の早朝、「けもの道」を静かに歩いていた。
「自然界の報道写真家」としては、コジュケイのドアップ写真よりこのような写真がどうしても気に入ってしまう。

200606151830-----コジュケイ IMG01138

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ソウシチョウは美しくて可愛いけれど…

そういえば「ソウシチョウ」のことを思いだした。
2012年の11月に中央アルプス山麓でソウシチョウの一千羽以上の群れを見た。何群かに分かれて、それはそれはいたるところで目撃できた。
こんなことは初めてのことでありオイラは困惑しながら「とうとう信州にもやってきてしまったのか…?」、とソウシチョウたちを注視したものだった。
12月の雪が来るまでソウシチョウはよく見られたが、やがて根雪と同時に数がどんどん減ってどこかへ移動していった。
それでも100羽くらいのソウシチョウの群れが残ったので、それを観察し続けていた。
そんなソウシチョウだから、翌年からの推移にとても興味があった。
しかし、翌年はほんの少しソウシチョウの声を聞くだけだったが、以後はまったく出現しないのである。
あの大群は、いったい何を意味していたのだろうか?

全国各地でソウシチョウの定住が報告されるが、ほんとうに「日本の侵略的外来種ワースト100」に指定されるほど問題になっているのだろうか。
ウグイスの繁殖に悪影響を及ぼすとも言われているが、ウグイスは毎年同じように囀っている。
自然界の奥深さと人間の心理は、やはりいろんな角度から観察を怠らないほうがいいような気がしている。

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千葉県房総半島でキョンが大繁殖中

 

千葉県の房総半島に台湾産の「キョン」が野生化していると聞いて、「なんで房総半島に…」っとオイラは耳を疑った。
調べていくと、どうやら観光施設から逃げ出したものらしい。
すでに、5000頭以上は野生化している模様だった。
これは、現地に行って調べてみる必要があると思い出かけたのが9年前の2007年の冬。

キョンは初めての動物なので、どのような調査が必要かも分からなかった。
しかし、オイラが開発した無人撮影ロボットカメラを信じることにして4ヶ所に設置してみた。
その結果は、いやはやすごいことになっていてキョンはどこにでも棲息していた。
その密度を知って、これはもはや手遅れだと思った。
房総半島には林道もなく人も分け入れないような深い山があるから、そこにキョンが逃げ込めば探索不能であろう。
下界でどんなに駆除してもキョンは根絶できずに「湧いて」出てくるにちがいない・・・・。
そして、やがて利根川を泳いで渡れば北関東一円がキョンだらけになりそうだ。

千葉県といえば、自然保護協会とか野鳥の会とか自然に関心をもつ人たちが少なからずいるところ。
それなのに、なぜこのように生物汚染をしてしまったのだろうか、と不思議に思った。
このときのカメラ調査では、アライグマも高密度で棲息確認をしたしイノブタもすごいことになっていた。
2007年から10年たとうとしているから、もういちどその後の調査にでかけてみるつもりだ。



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タイワンリスの野生化は手遅れ…

「タイワンリスはバタピーが大好きだ。
 あれはコンビニでも売っているし、安くて喜ぶから餌づけにはラクでいい…」

浜松市でタイワンリスに餌を与えているオジサンの弁だった。
バターピーナッツには塩がまぶされている。
ピーナッツ自身には脂肪分があるしそこに塩分が加われば、タイワンリスは増えるしかない。
その証拠に、タイワンリスはどんどん増えて分布域を広げていた。
佐鳴湖の森にも樹上をたくさん走りまわっていたのには驚いた。
可愛いからといって、外来生物に餌をあげて保護をしつづけることはよくないと思う。
これから、内陸部にどんどん侵出して手に負えなくなる外来種になるにちがいない。

タイワンリスの樹上習性をみれば、この動物を捕獲するにはマングース捕獲に使われている「ワナ」が効率的だろう。
森の樹枝に設置すれば錯誤捕獲も少なくてタイワンリスだけを狙い撃ちにできる、と思う。
日本の固有種を守っていくには、ここは心を鬼にして対処しなければならないのではいか。

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ハクビシンが「天然記念物」…

ハクビシンが長野県に進出してきたことをオイラがはじめて知ったのは1965年。
静岡県境の伊那谷南部でのことだった。
このあと、長野県ではハクビシンを県の天然記念物に指定して保護をはじめた。
これを知ってオイラは天然記念物に指定した当時の大学教授に『あんなのを天然記念物とはけしからん、30年後にはえらいことになりますよ』、っと進言した。
そうしたら、その教授は「だって可愛いじゃないか」、ということだった。
19歳だったオイラが大学教授に刃向かった初めての大きな決断だった。

その後50年を経たハクビシンの動向は今日の社会情勢をみればわかること。
この間もずっと撮影しつづけてきているが、ハクビシンはもはやテンよりも高密度で棲息するに至っている。
ある農家のおっちゃんが「去年は40匹のハクビシンを殺したぜ…」、と茶飲み話をしていたのもさもありなんと思った。
そして、捕獲方法と簡単に殺す方法をオイラは想像しながら聞けば、まったくオイラが考えたのと同じだったことにも合点がいった。
この農家のおっちゃんは、大学教授より生態学に詳しい、と思った。
そして、ここ1~2年のハクビシンの動向はオイラの無人撮影ロボットカメラによれば、これまたスゴイことになっている。

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