2006-10-29 Sun  [ 旅・取材・人 ]

18年ぶりの西表島

by gaku


宮古島空港からスタッフは、東京直行便に乗った。
ボクはひとり別行動をとり、石垣空港へ向かった。西表島へ出かけることにしたからだ。
「南の森」をテーマに本づくりを考えているので、しばらくぶりに西表島をみてみることにした。

西表島は、実に18年ぶりの再訪となる。
それも、前回も同じく俳優の「あおい輝彦」さんとNHKの旅番組で訪れて以来だ。
もっとも、西表島には18年ぶりだが、上空を飛び越えて与那国島へは何回か訪れていた。だから、西表島は確かに直接訪れてはいなかったが、自分のなかにはずっとあった。

西表島へ着いて驚いたのが、先の台風13号による強風被害である。
風速70mという強風で、山の木々が折られたりして相当に痛めつけられていたことだ。
それだけに、森を美しく撮影することは不可能に近い状態だった。それに天気がよすぎて、森の内部を撮影するには無理だったのでテーマを切り替えてみた。



この台風による大嵐で森の果実が落とされたらしく、オオコウモリが人家の庭まで侵入してきている姿がいたるところで見られた。イノシシも相当にダメージを受けていることも、島の人たちから聞いた。
なるほど、数十年に一度あるかないかの大型台風がくれば、島の自然を大きく変えることは確かだ。
もっとも、このような強風も島の自然はあらかじめプログラムしていることだから、必要なのであろう。
オオコウモリやイノシシ、ヤマネコにはダメージがあっても、ある種の昆虫や野鳥には将来的に必ずプラスになる。

それは、強風が樹木を折り痛めつけることによって、幹に樹洞をつくるきっかけにもなるからだ。
その樹洞に水がたまり、そこだけに卵を産むように進化してきたカエルやトンボは、今回の台風を大歓迎したことだろう。しかも、数十年以上のスパンで考えていけば、島に棲むコノハズクやヤマネコの巣穴にもつながってっていくハズだ。
だから、定期的に起きる台風などの大嵐は生物層には試練であり、必要なことなのである。
そんな新たな視点の写真が、今回はたくさん撮れた。

写真上:オオコウモリも果実がなくて試練をむかえていた。
写真下:樹木が強風で折れることも、自然界では必要なことなのである。

2006-10-25 Wed  [ 旅・取材・人 ]

自然は五感で追うもの

by gaku


宮古島伊良部のホテルでスタッフ一同と夕食をとっているときだった。
一組の熟年夫婦に声をかけられた。

夫婦  『サシバは見られましたか?
      私たちはサシバを見にきたのですが、1羽も見られませんでした。』
私たち 『えっえー !?
      サシバはこのホテルの上空を数百羽の群れでたくさん飛びましたよ。
      ホテルの庭でも海岸からでも、島のどこからでも見られたのに … 』

たぶん、本州からやってきたご夫婦だったが、リタイヤをして時間とお金があってここまでやってきたものと思われた。
わざわざレンタカーまで用意してやってきていたのに、あれほどいたサシバを目撃できなかったということは不運としかいいようがない。
いや、不運ではなくて、はじめから「自然」を見る目がなかったのであろう。

こういう人たちが、誰かのアドバイスをうけて少しずつ自然を見られるようになるのだろうが、ある程度の上達があっても一定の壁を乗り越えることは難しいと思う。
そういえば、島へ渡るときも熟年世代のバードウオッチャーたちが双眼鏡と三脚に付けた望遠鏡というお決まりのスタイルでレンタカーを7台ほど連ねてフェリーに乗り込んだ。
渡りをしていくサシバの勇壮な姿だけを目的にしているのだろうと思うが、島の歴史や本州の繁殖地でのサシバがおかれている現状などまで思いをはせられる人はいないハズだ。
30年前にはこのようなウオッチャーの姿は見られなかったが、今後は毎年のように増殖していくにちがいない。
こうした増殖がサシバの生きる姿を通して自然界や人間社会をも含めた全体的な自然観にまで育っていけばいいのだが、「自然」を物見遊山しているだけの人はたしかにふえている。

写真:夕日が沈むころまでサシバが次々に舞い降りてきた。

2006-10-23 Mon  [ 旅・取材・人 ]

サシバを追って南の島へ

by gaku


俳優のあおい輝彦さんと、サシバを追って沖縄の宮古島へ行ってきた。
天候にも恵まれ、美しい島でサシバを見ることができて楽しい旅だった。
旅といっても、今回はあおい輝彦さんが出演するNHK番組「熱中時間」のロケ随伴。
ボクはもっぱら裏方にまわってのガイド役。
でも、スタッフ一同みながまじめに一生懸命に取り組んでいたから和気藹々と楽しい旅ができた。



思い返せば、写真集「鷲と鷹」をつくるときに初めて訪れた島だ。
1978年のことだから、もう28年前だった。
以来、何回かこの島には来ているが、いつ訪れても美しくていい島だ。
久しぶりにサシバの渡りも堪能できたが、いくつか気にかかることも発見したので再訪することにしたい。
そのときには、サシバの本をつくるために出かけることになる。

■「熱中時間」は、
 11月2日NHKハイビジョン
 11月3日NHK-BS
 放送予定だそうだ。

写真上:美しすぎる海。
写真下:サシバが大きな群れをつくって渡っていった。


2006-10-15 Sun  [ 哺乳類・野生動物 ]

野ネズミも観察すれば可愛いい

by gaku


リスも可愛いけれども、野ネズミも同じくらいに可愛らしいものだ。
中でも眼が大きなアカネズミが、ボクは好きだ。
しかし、アカネズミは高いところが苦手なようだ。
そこで、どの辺までが限界なのだろうかといま実験しているが、けっこうへっぴり腰になっている姿がこれまた可愛い。
こんなネズミたちで、写真絵本もできてしまいそうだ。

ボクにとっては、
野ネズミもツキノワグマもみんな同じ土俵だからいつも真剣勝負。
野ネズミといえども、これがなかなかにしたたかで写欲をそそられるからだ。

2006-10-12 Thu  [ 旅・取材・人 ]

リスの写真絵本

by gaku


『ぼく リスだよ』
こんなタイトルの絵本ができた。
ベネッセコーポレーションの「こどもちゃれんじ えほんばこ」のシリーズ10月号。
1・2歳の赤ちゃんへの読み聞かせ写真絵本。
石津ちひろさんが文を書いて、ボクが写真担当。

リスの写真は、この絵本のために頼まれて撮影したものではない。
これまで、ただリスを撮りためて、箱いっぱいストックしてあったものだ。
それを、この企画のために訪れた編集者とデザイナーに見せただけで、こうして絵本ができてしまった。
ボクも、リスで本をつくるつもりはなかったから、まさか絵本ができてしまうとは思ってもみなかった。

こういう仕事がいちばんラクでいい。
しかし、こうしてまとまったのを見ると、少しだけ足りない写真があることに気づいた。
それは、巣の中で子育てをしているリスの親子写真。
これだけが撮れていないから、それをキチンと撮ればそれなりに「本」として再編集できることがわかった。
リスの子育てシーンは簡単にはいかないだろうが、そうした宿題をかかえることで撮影のアイデアもでてくるものだ。
こんどつぎには、1・2歳への読み聞かせではなくて、大人たちに「見せる」本をつくろう。



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