2006-12-31 Sun  [ 料理・食 ]

飯寿し

by gaku



北海道の知り合いから「飯寿し」が届いた。
一つは積丹半島、もう一つは稚内。
どちらも手づくりで、味はちがうがそれぞれに個性があって美味しい。

積丹の飯寿しは、ホッケ。
ここに、ハタハタの卵が入っていて、とうがらし、山椒の実、生姜が隠し味となっている。
この飯寿しは、積丹の老舗旅館のおばあちゃんが毎年この時期になると自分でつくったものを送ってくれる。
毎回微妙に味もちがっているが、積丹「飯寿し」の味がこもっていてうれしくなる。

稚内の飯寿しは、ニシン。
それにニンジン、生姜、大根がはいる野菜系。
これがまた大根のシャキシャキ感がよくて、美味しいのだ。

飯寿しは北海道特有の家庭料理だそうだが、信州の漬物と同じように各家庭によって作り方もちがえば味もみんなちがっているそうだ。
これを肴に、熱燗をちびちびやるのが、とにかくボクは好きだ。
そんな楽しみをちゃんと覚えてくれていて、この時期になると届けてくれるのがうれしい。
感謝感謝の北海道である。

写真上:積丹飯寿し。写真下:稚内飯寿し。


2006-12-22 Fri  [ 旅・取材・人 ]

田舎暮らしの夢

by gaku


伊那谷のある山村に、東京から脱サラをして住みはじめたAさん夫婦がいる。
Aさん夫婦は、都会時代にそれなりの蓄えをして、田舎で営農をしながら生活するのが夢だった。
やがて夢を現実なものとするために、過疎集落となりつつある山林原野に家を建て、桑畑だったところを農地に開墾するべく土地も買った。

土地にはリンゴの木を植えて、まずは「リンゴ栽培」に踏み切った。
しかし、リンゴは思うように育たなかった。
桑畑には「モンパ菌」という土壌菌がいるから、リンゴ栽培には不向きだったのである。
そのことを知らなかったAさん夫妻は、リンゴの木を植えればすぐに収穫に結びつくものと考えていた。

以来、Aさん夫妻は失敗の連続だった。
米づくりも試みたが、日当たりの悪い山間地の田んぼに美味しい「米」ができるハズもない。
このような土地だから先人たちは「あきらめて」村を出ていき、過疎地になったのである。
そこに新たに入り込んで「農業」をするには、趣味の範囲内ならばそれでいいかもしれないが、生計を立てるとなると並大抵ではない。
それも、年齢が若いうちならまだまだ無理もきくが、50代をすぎてしまって新規「農家」になるのは体力的にも難しい。
こうしてAさん夫妻は預金も食い潰し、近隣農家の手伝いをする日雇い生活となった。そうなると、人口密集地のほうが通勤にも便利で、過疎地の山林原野に家を建ててしまった失敗を後悔する。

これ以外にも、大学をでてからすぐに移り住み、農業をはじめたはいいがその厳しさに絶えかねて逃げ出す若者も少なくない。
地権者の村人には迷惑をかけないからといって、村の顔利きを間にいれて住み込んでも結局は大勢に迷惑をかけて夜逃げ、なのである。
その後始末を、村の顔利きが『もう、懲りごりだぁー』といって、やっている現実。

ボクも伊那谷に生まれて伊那谷に育ち、今日でもここで仕事をしている。
こうして田舎に生活できるのも、伊那谷という自然環境を熟知しているから写真も撮れるし、それに見合った文章も書けるので生きていけるのである。
農業だって、自然環境を熟知してないとできない仕事だ。
だから、単なる「田舎暮らし」のあこがれだけでは、営農は無理なのである。

現代人がこうして移動してきては移り住み、苦しんで逃げ出す多くの新住民をボクは見てきているが、田舎で生活するにはよほどの覚悟がないとできない。
2007年度の大量退職者のアンケートでは、長野県に移り住みたい人たちが全国でも群を抜いているという。
このような人たちの懐を目当てに、営農不向きな不良債権を整理するために虎視眈々と狙っている田舎人もいる。
新人類と旧人類のうごめきを距離をおいて見ていると、大地を舞台に繰りひろげられる野生動物たちの生き残りをかけた闘いともよく似ている。
人間といえども、地球のほんの片隅に住まわせてもらっている「野生動物」なのだなぁーと、つくづくボクには見えてしまう。

写真:村で15代つづく農家といえども、小さな柿の1粒ずつに皮をむき手をかけて、「干し柿」づくりをしていた。
   だから、15代も生き延びてこられたのであるが、考え方も暮らしも驚くほど質素だ。

2006-12-21 Thu  [ 環境・ゴミ・現代社会 ]

イノシシの水洗トイレ

by gaku


ノロウィルスが猛威をふるっている。
戦々恐々としている人も少なくないが、以前から知っているノロウィルスとは変化しているような気がしてならない。
そういえば、鳥インフルエンザもどんどん変化しているそうな。
現代人はとにかく無菌化されてきているから、このような細菌には案外弱いのかもしれない。

ところで、ボクがフィールドへでかけると沢水をそのまま飲んでいる。
また、昼食などは、軽ジープの屋根に簡易ガスコンロと鍋が載っているから、沢水を汲んできて乾麺と餅で済ませてしまうことがよくある。

沢水といえば、野鳥は水を浴びるし糞もする。
イノシシにいたっては、沢にくれば必ず流れの中で小便をしてから大便もする。
そんな生態を知っているだけに、沢水を飲むたびにイノシシの行為が脳裏をはしる。
でも、雑菌に触れることも大切なことではないかと、ボクは「気にしない」ことにしている。
水道水は、どんな田舎の村にいっても「塩素」の臭いがするが、自然の水にはそれぞれに味も匂いも違っているから、それを感じるだけでも楽しいからだ。
もっとも、沢などの生水には「寄生虫」の危険性もあるが、いまのところボクは元気だ。

写真:とてもきれいな水場だったが、イノシシの鮮度のいい糞が落ちていた。この先、上流までまだまだたくさんの糞もあるだろうがこの水で昼食をつくった。

2006-12-19 Tue  [ 環境・ゴミ・現代社会 ]

食害から冬を乗り切る

by gaku


ツキノワグマの痕跡探しで、最近は精力的に林道などを走り回っている。その過程で、中央アルプスの懐に続く林道を上りつめたら異様な光景にであった。
それは何かのまじないのようなようすだったが、これは植林したヒノキの苗木をカモシカに食われないようにするための防獣ネットだった。
まだ40-50cmの苗木は、頂上部分を食害されるとアウト。
木にとってもっとも大切な部分だから、そのまま成長がとまってしまうか、大幅に成長を阻害されてしまうからだ。
冬になるとこうした食害がノウサギやカモシカによって引き起こされることが多いから、このようにネットで被ってそれができないようにするのだ。

このような作業は晩秋に行い、春になると外さなければならない。
しかも、3年間くらい丁寧に繰り返さなければならないのが実情だ。
カモシカが激増した30年ほど前にはよく見られた光景だが、近年では珍しくなってきた。
今後は、ニホンジカも仲間入りしてくるから、再びこうした光景も増えてくるものと思う。
山の「風物詩」と酔狂なことは言っておれないが、こういう写真からでもそれぞれの時代のなかでの野生動物たちの動きが見えてくるから面白い。
まさに自然界の時代を記録する意味では、必要な写真だからである。



2006-12-14 Thu  [ 哺乳類・野生動物 ]

冬を予測するテンの動き

by gaku


今年は10月頃からテンが活発になってきた。
それも、すでに真黄色の冬毛となって活動していたのである。
そんなテンの姿をまず捉えたのは、無人ロボットカメラだった。
意外にも早く冬毛に変身していて、動きも活発だった。

このあと、ツキノワグマを夜間に観察していたら、ひょこひょこ歩き回るテンを2回ほど見た。
そして、別の場所では、交通事故で死んでいるテンにであった。
どちらも、美しく見事な毛色だった。

今年のテンは、どうも焦っているみたいだ。
とにかく早い時期からのこういう動きは、尋常ではない、からだ。
このような年は、テンの撮影は思い通りとなる。とにかく彼らを自在にコントロールできるからだ。
まさに、美しくて可愛らしいモデルを手のひらの上で転がすことができる。
これは10数年に一度のチャンス年だから、アマチュアカメラマンも頑張れることだろう。

どうやってテンと遊ぶか…って?
それは本人の自然観と技術次第、といえる。

写真:このテンはとにかく見事な毛並みだ。こういうテンは、雪が降るといいモデルになる。


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