2007-09-26 Wed  [ 旅・取材・人 ]

Nikon D3

by gaku


ニコンからデジタルカメラのフルサイズ一眼レフが、11月に発売される。
発売前の実機が今月上旬から、テスト用にボクの手元にきている。
あらゆるテスト撮影を試みているが、凄いカメラだ。

FXフォーマットで秒9コマとか、51点のAF測距システム…etcは、カタログなどで見てのとおりだが、
プロとしていちばん嬉しかったことはファインダーの素晴らしさ、だろう。
こればかりは手にとってみなければ分からないことだが、やわらかい視野のなかにもピントの山がカキッとくるところがいい。
これは、ボクが40年間のキャリアのなかでもっとも重要なカメラ選びのひとつにしてきているところだからである。
とにかく、作画をするにはファインダーが生命であり、この視野ですべてが決まってしまうからだ。
そのピントの山がきちんと見えるカメラとそうでないカメラでは大きな差があり、まさにD3はフィルムカメラのF5やF6のファインダーを踏襲している。
デジタルカメラといえば常にハイレベルなメカニカルなところばかりに目が奪われがちだが、こういう隠れたところに凄い技術がさりげなく使われているのはプロを意識したメーカーの強い自信がうかがえる。

また、ISO感度が200-6400まで標準で使えることはスゴイことである。
これは、野生動物の夜間撮影では大きな差となって表れてくるからだ。
とにかく日本の野生動物はすべてが地味な体色をしており、それが夜間行動するのだから、これまでボクは照明の確保に苦労してきた。
それが、小型ストロボでISO3200とか5000にしてバンバンやってしまえるところが、新境地の開拓へとつながる。

今回はナノクリスタルコートを採用した新開発の14-24mmと24-70mmズームレンズの2本を同時テストしているが、どちらも素晴らしい切れ味を示している。
最近のボクは、短いレンズをいかにして使い切るかという作画方法をとっているので、D3もリモコン撮影ができるように改造してしまった。無人自動撮影のためのハウジングも自作し、すでに何日間も山中で野ざらし撮影もしている。
ニコンD3は、まさにこういう使い方をしてはじめて実力を発揮するというものだ。
11月の発売が、ほんとうに待ちどうしいカメラである。

写真:AF-S NIKKOR14-24mm F2.8 G レンズを装着したニコンD3。

2007-09-17 Mon  [ 料理・食 ]

松茸に似たマツオウジ

by gaku


仕事場の二階から外を眺めていたら、庭にある松の木に大きなキノコが生えているのを発見した。
傘の直径が20cmもある大きなキノコが、地上40cmほどの幹に生えているではないか。
しかも、株になって3-4本も。

はじめてみるキノコなので、写真に撮って仲間内のネットに流してみた。
10分もしないうちに、それは「マツオウジ」ではないかと、続々と同定結果が届いてきた。
まさに、インターネットの恐るべき威力。

マツオウジを手元の図鑑で調べてみたら、やっぱり疑いもなく「マツオウジ」だった。
名前の由来は、松に旺盛に生えるからだそうだ。
アカマツの倒木や切り株にはよく生えるらしいが、これまで無関心だったから見過ごしてきていたのだろう。
もっとも、図鑑などで見る写真はみな小さなもので、こんなにも巨大ではなかった。
しかも、ボクの見つけたのは生きている松の幹から元気に生えているから、同定に迷うことにもなったのである。

図鑑によるとマツオウジは、食べて美味しいキノコとあるが、人によっては中毒や嘔吐をするとも書いてあった。
美味しい理由は、マツタケに食感が似ており香りもいいからだ、とある。



近年はマツタケがあまりにも高値だから、ボクはこのマツオウジとやらを食してみたくなった。
そこで、とりあえず1本だけ獲ってきて、網焼きにしてみた。
生のときは松脂のような香しさがキノコの茎からは漂っていたが、焼くとすっかり無臭となってしまった。
しかし、食感はすばらしく、「マツタケ」以上だった。
これはなかなかに優秀なキノコといえるが、人によっては「嘔吐」が気がかりである。
なので、とりあえずはほんの少しだけ味わってみることにした。
これで、嘔吐などがなければ、まだ生えているのでいつでも獲ることができる。
そんな楽しみを残しながら「嘔吐」がくるのを待つ身にも、若干の不安がのこる。

ならば食べなければいいではないかと思うのだが、美味しいといわれればやはりそこは試してみたくもなる。
いや、試してみたらマツオウジはほんとうに食感がいいキノコなので、煮物など料理方法によってはすばらしくいい味を引きだしそうな気がする。
だからそれが楽しみで、嘔吐の時間を待っているというワケだ。
自然界との付き合いは万事がこんな調子なので、こうしたスリルがなければやっておれない。
6時間経つが、いまのところ当たる気配もなく元気である。


写真上:80年近いアカマツの幹に、これまた大きな傘をひろげるマツオウジ菌。
写真中:ヒダにはノコギリのようなぎざぎざがちゃんとあるからマツオウジにまちがいない。
写真下:それにしても大きなキノコだった。まだこの傘の下には幼菌もあるので、楽しみだ。


2007-09-12 Wed  [ 環境・ゴミ・現代社会 ]

深夜のドバト

by gaku


眠らない都市、東京。
深夜の新宿歌舞伎町付近を歩いていたら、ドバトも道路を歩いていた。
時計をみたら、2時半だった。
ドバトは、のこのこと独りで歩き、路上の餌をさがしてはついばんでいた。

ドブネズミなら夜行性なので深夜の行動は理解できる。
それなのに、昼間活動するドバトが歩いているのは、異常としか思えない。

ドバトをこのような行動にかりたてているものは、実はネオンである。
夜間でも、ドバトにとっては充分な明かりがあるから、こうして活動できるのだ。
光で、体内ホルモンを操作されてしまったうえでの異常行動なのである。
これは、「事件」だと思わなくてはならないだろう。
そのくらい、現代社会は電気エネルギーを使い、夜の都市を明るく照らし出しているといえるからだ。

このネオンで蠢くのは、ドバト以上に人間たちでもある。
自分たちで作り出した明かりで人間も完全にマヒさせられてしまっているので、ドバトの異常さにも気づかない。
自然界にはいろんなところでサインを送ってきているものだが、こうしたドバトの行動と表裏一体なのが現代社会に生きる私たち人間だろう。
夜間行動するドバトの姿は、実は現代人の姿でもある、からだ。



写真上:世界柔道選手権大会の独占放送をつたえる看板をなぜか気に入っているようすだった。
写真下:ドバトはフクロウにはなりえないが、かなり暗い路上を確固たる足取りで歩いていた。




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