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2008-05-24 Sat [ 旅・取材・人 ]
東京都内のお屋敷
by gaku

昨日から、東京都内に出かけていた。
大都会の自然環境にも、興味があるから、どこかにいいフィールドがないかと考えていたのだった。
できれば、大都心のビル街にある緑地帯。
そんなところに、無人ロボットカメラを設置できないかと思っていた。
東京都内といえども、そこには、それなりの「自然」が必ずあるからだ。
そうした都会の自然も、ボクはテーマにしているから、どうしても撮影をしてみたい。
緑地公園もいいけれど、できれば個人の大邸宅の庭にカメラを設置してみたかった。
また、何気ない住宅地にも定点カメラの設置ができたら、思いがけない動物たちの発見につながると思っている。
そんなつもりで、ロケハンに出かけていたのだった。
いや、すごいところが東京にもあるものである。
ある会社の社長さんの大邸宅だが、これがビックリを通り越してスゴすぎるのである。
敷地だけでも何千坪もあり、池、樹林、竹林、そして、お寺のような大邸宅。
そんな緑豊かなオアシスがビルばかりの大東京に、静かに横たわっていたのである。
そこに、カメラを設置できることになった。

また、ある個人のお宅でも協力してもらえることになり、そこへも無人カメラを設置してみることにした。
ボクの仕事を日ごろから理解してくれていたお宅でもあり、このように好意的な人が大都会にも確かにいてくれていたことにも感謝だった。
一貫した自然観をもって仕事をしていれば、道は必ず拓ける、そう思った今回の東京行だった。
写真上:都心にすごい大邸宅。
写真下:百年以上の古の「けもの道」がある庭の一部。
(Nikon D300 シグマ17-70mm)
2008-05-21 Wed [ 哺乳類・野生動物 ]
タケノコをめぐるイノシシとの格闘
by gaku

年齢とともに体質も変わるのか、ここ数年のボクは山菜がけっこう好きになっている。
なかでも、春になると「タケノコ」がとても美味しく感じる。
だから、いつもタケノコを採りたいのだが、イノシシに先を越されてしまってなかなか美味しいタケノコにめぐりあえない。
数年前までは、地上に頭をだしてきたタケノコをイノシシが食べて、食い飽きたころボクが採っていたけれど、それでは美味しくないのである。
なので、少しでも時期の早い旬のうちに美味しいタケノコをと思っているのだが、イノシシもさらに学習を重ねて、土の中にあるいちばん美味しいところを掘り起こすようになってしまった。
こうなっては、鼻のいいイノシシにはまったくのお手上げである。
このため、今年はボクも知恵を使ってみた。
ああみえてもイノシシは、けっこう警戒心が強くて「ノミの心臓」なのがわかっていた。
こうしたイノシシの習性を逆手にとらない手はないと考えたボクは、竹やぶにCDラジカセを持ち込んだ。
雨にぬれないように、穴空き野菜コンテナの中にいれて、屋根もつけた。
こうして、NHKのラジオ放送をボリュームいっぱいで24時間流しっぱなしにして、イノシシが警戒するようにしたのである。
ついでに、竹やぶのまわりにはイノシシの目の高さとなる地上20-30cmほどのところに、荷造り用の白いビニール紐を張った。
この紐はピンと張るのではなくて、そよ風にもゆらゆらと揺れるように、ゆるく張るのがコツである。
さらに、地上には新聞紙をところどころに置き、その上に臭いがいつまでも残るように、ボクの小便をかけた。
こうして、イノシシの目と鼻と耳の3点を同時にかく乱させれば、イノシシの大胆プログラムも狂わされて、しばらくは警戒するだろう。
とにかく、この作戦は3日間持てばいい。
3日の間に、タケノコは確実に地上に頭をだしてくるからだ。
こうして、3日後に竹やぶへ出かけてみたのである。

ハハハ、作戦は見事に成功した。
タケノコがあちらこちらに、生えているではないか。
イノシシの悔しそうな顔が目にうかぶが、今年だけはオイラの勝ち、である。

写真上:地上にこのくらい頭を出してきたのが美味い。
写真中:3日間で大量のタケノコが採れた。
写真下:イノシシのいちばんの武器は、やっぱり鼻だ(疥癬にやられて、顔の毛がなくなってしまっている)。
2008-05-19 Mon [ 旅・取材・人 ]
カタログハウスでの講演会
by gaku

「通販生活」のカタログハウス大阪校で、17日に講演会があった。
テーマは、「動物の目から見た環境問題」。
環境問題というと、地球温暖化がどうの、北極の氷がどんどん溶けている…、CO2削減から排出権…などなど、いろいろ言われているが、こういうところばかりが「環境問題」の一言で片付けられてしまっているようなところがある。
しかし、ちょとした自然界や私たちの身近なところにもいっぱいの環境問題が潜んでいるのであって、そうしたところになかなか目を向けることができないのが現代人。
だから、自然界からいろんな形で私たちにも「サイン」が出されているのだけれど、それに気づかないでいることが多すぎるものだ。
そこで、ボクは普段から野生動物をはじめとした自然界からのサインをキャッチして、それに気づかないでいる人たちへのメッセンジャーとして写真という「視覚言語」で伝えるようにしている。
それが、講演でのテーマになっているのだが、ほんの少しずつではあるが、こうしたボクの仕事にも目を向けて関心を示してくださる人たちが出てきたことはうれしく思っている。
こうして、カタログハウスの若いスタッフたちが大阪までボクを呼んでくれたのだった。
自動販売機からでる熱や光からだけでも、環境にどのような影響がでているのかなど、写真などで具体例を示しながら話をすすめているのだが。
聴講者たちの表情や目に力が入っているのかそうでないかが、壇上からでもちゃんと見えてしまうものだ。
今回の講演会では皆さんが熱心に耳を傾けてくださっていたのには、なかなかに関心があるのだなあと印象的だった。
午後1時半からのスタートという時間は、昼食の後だけに、眠くなる時間帯だけれども、だれ一人として居眠りをしているような人はみられなかった。
真剣な表情が会場にあふれていて、ボク自身もうれしかった。
講演が終わって、帰り際に『ホームページをいつも見させてもらっています』といわれて帰られたかたが何人かおられて、出版物だけではないインターネット時代の変換を感じることもできた。
サイン会でも多くの方が拙著を手にとってくださり、大阪まで行ってよかったなぁーと思える一瞬でもあった。
大阪にかぎらず、全国どこにいても、環境からのサインはある。
それにどう気づき、見て考えるかというのが、いまこの環境に生きている現代人の環境問題を語るキーワードだからである。
それには、教科書のない自然界から、一人ひとりの人たちがどのような視線で足元の環境を理解し見つめていけるかということに限られていくのではないだろうか。
その意味でも、ボクの戦いはまだまだ続きそうだ。
写真:近所には、いつも雑草ひとつ生えずに美しく手入れされている畑がある。
ここに写るおばあさんが、コツコツと毎日土いじりをしているのだが、畑には何年も前からずうっと野生のキツネが毎晩出てきて徘徊していることが足跡から見てとれる。
この事実に、このおばあさんはまったく気づいていないのが可笑しくてたまらないが、野生動物とは、そのくらい地域社会と住人をしっかり観察して日々行動しているからだ。
大きな足跡は、おばあさんの歩いた跡。畑中に点在する小さな足跡は、みんなキツネのもの。
これも、自然界からの小さいけれどもたしかなサインなのである。
GX100
2008-05-14 Wed [ 旅・取材・人 ]
『クマのすむ山』
by gaku

偕成社から、「森の写真動物記」シリーズが刊行中である。
その第5巻目として、「クマのすむ山」が出来た。
今月になって発売されたばかりだが、けっこう「衝撃的」だといった意見が聞かれる。
地元の新聞社の支局長なんかは、『いつのまにこんな写真を撮ってたんだよぅー』
っといって、取材に飛んできたほどだ。
まあ、表紙写真には、みんな驚くらしい。
撮影者のボクも、まさか野生のツキノワグマがこれほどまで「演技」をしてくれるとは思ってもみなかったこと、だからだ。
一応の「絵コンテ」は描いていたが、まさにしてやったりだった。
それにしても写真を改めて見ると、大きなツキノワグマだ。
肩幅といい、背丈といい、とにかくどでかいツキノワグマである。
こんなクマと異常接近をしたくはないが、人知れず、夜間になると近所を歩いているかと思うと、夜の森はほんとうに注意しなければならない。
こういう、見えない世界を見てしまえるのも、無人ロボットカメラのなせるワザであろう。
「クマのすむ山」は表紙だけではない、内容もこれまでのツキノワグマ観を一新させてくれるだろう。
一応、子供向けに編んではあるが、甘い自然観とツキノワグマ観だけでツキノワグマを語っている頭の固い大人たちは、やがてこの本を読んだ「子供」たちに笑われるかもしれない。
そのためにも、こういう本は多くの人たちに読んでもらって、これまでの自然観を一度リセットして欲しいと思う。
ところで、この「クマのすむ山」をはじめ、理論社からの「かわりゆく環境・日本生き物レポート」全4冊などの裏話をする講演会が大阪の「カタログハウス」で行われる。
出版物では見られないようなスライドも100枚ほど用意して出かけるので、興味のある方はぜひカタログハウスまで、どうぞ。
●カタログハウスの学校 環境セミナー「動物の目からみた環境問題」大阪
2008年5月17日(土)
午後1時30分〜3時
講師:宮崎学(写真家)
●定員:80人
●参加費:1000円
●場所:〒556-0011大阪市浪速区難波中2-10-70 なんばパークスタワー3階
http://www.cataloghouse.co.jp/study/index.html
2008-05-13 Tue [ 旅・取材・人 ]
うざいメマトイ
by gaku

仕事が混んでくると、ボクはフィールドへ逃げ出すことがよくある。
外でもできる仕事があると、パソコンもって、弁当もって、近所にある山麓公園の「あずま屋」へ行くのである。
このあずま屋で一日中、原稿を書いたりして過ごす、のだ。
いまのこの季節は、夏の野鳥たちが渡り着いたころなので、いろんな囀りが聞こえてくるから楽しい。
長年地元にいて慣れた環境なので、どんな野鳥が鳴いても分からないという声はない。そんな声を聞くたびに、彼らの習性などを加味しながら、いま鳴いているのはどのような意味があるのか、などと想像できるのがいいのである。
今日は、
オオルリ、ジュウイチ、ツツドリ、センダイムシクイ、アオゲラ、アカゲラ、カケス、ノスリ、クロツグミ、ヤマガラ、シジュウカラ…
などの声が聞かれた。
こうして仕事をしながら、野鳥の声のライブを耳にすれば、仕事もはかどり次の本の原稿が本日仕上がった。
これはこれで嬉しいことなのだが、この時期は「メマトイ」というハエの仲間が大量に発生しているからうざったい。
とにかく、ちょっとでも油断をしていれば、目に飛び込んでくるからだ。
目に入れば伝染性の病気を媒介することもあるらしいので、とにかく顔の前にくれば叩き殺すことにしている。
これが、うまくいけばいいのだが、空振りのことも多い。
空振りをするたびに、平手の同士討ちとなるから痛いし、これまたイライラしてくるので、ほんとうにやっかいな虫たちである。
そして、その都度、仕事の手も休まる…し。
このメマトイには、何種類かがいるらしい。
中央アルプス山麓のハエはごらんのようなモノだが、場所によっては、お尻が丸くて輝いているメマトイもいるがここでは見られない。

まあ、こうやって仕事をしている間にも、殺したメマトイをそのまま捨てていくのもしゃくなので、何匹殺せたか調べるために集めてみた。
しっかり数えられなかったが、今日一日で60匹ほどを叩き潰した、らしい。
そのくらい数えたところで、風が吹いてきて、メマトイの死骸が全部吹き飛ばされてしまった。
ついでに、手などにとまってボーっとしているメマトイを、すかさず写真にも撮った。
リコーGX100を手元においてあるから、チャンスさえあればいつでも撮影ができるのだ。
GX100はコンパクトカメラなのに、小さなメマトイがこんなにも接写できてしまうのには嬉しくなってしまう。
撮影したあとにPCへ取り込んで拡大してみれば、なんとメマトイの後肢にはヨロイのようなものが付いているのが分かった。
やっかいだけれど、不思議なハエであることだけは勉強になった。
仕事をしているのか、ハエと遊んでいるのかわからないが、野外での仕事はこういう発見があるからけっこう楽しいものである。
高原なので、今日は冬の支度でちょうどよかった。

写真上:けっこういかつく威張っていた。
写真中:メマトイの死骸群。
写真下:仕事場のあずま屋。
(リコーGX100)








