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2009-07-29 Wed [ 旅・取材・人 ]
雑誌「ブレーン」での鼎談
by gaku

現在発売中の「ブレーン」8月号で、「社会を変える体感型デザイン!」という異色の顔合わせによる鼎談が特集されている。
ロボットクリエーターの高橋智隆さん。
ランドスケープデザイナーの団塚栄喜さん。
それに、写真家の宮崎学。
やはり、畑はちがっていても共通点だらけ。
自然に関心があって、エコだと都会でのたまっているような人や自然専門家とか学者たちと話しをしていてもボクはちっとも面白くない。
とにかく、実践をしている人間には自ら編み出したオリジナルな言葉をもっているから、今回の対談はとても刺激的で面白かった。
熊の股間を写すカメラ装置が、ロボットクリエーターとも同じところで意見が合致していくところが、イイのである。
ブログでは書けないようなちょっとしたアイデアなども、このような鼎談だと出てきてしまうのだからもったいないことである。
もう、7月も末なので、「ブレーン」もそろそろ9月号が出ることだろう、興味のある方は急がないと入手できないかも?
2009-07-24 Fri [ 環境・ゴミ・現代社会 ]
獣害を考える 5 ニホンザルの知恵
by gaku
タケノコをイノシシが盗んでいくので、その対策としてカメラやフラッシュを作動させたり、防犯ブザーやラジオを鳴らしたりした。
こうした効果は、それなりにあったと思う。
しかし、タケノコ泥棒はイノシシだけではなかった。
ニホンザルが群れでやってきて、バババーンっと、荒らしていくのだった。
それも、タケノコの成長按配に合わせて、4-5日置きにローテイションを組んでやってくるのだ。
このサルの行動は、想定外だった。
50年前には、この地域にサルはいなかったのだが、いつの間にかこんなにも増えて、しかもタケノコを完全に狙っていたからだ。
サルには、イノシシ対策でやったことはまったく通じなかった。
音も光もすべて学習済みなのか、まったく警戒することなく目的を達成して行ったからだ。
まさに、こちらはなす術もない、そういった状況だった。
ニホンザルが、これほどまでに図々しいのだから、山間地の農家の人たちには手に負えず農作物を荒らされ放題なのが現実である。
近所のモモ園では、あまりの被害に、モモの木をすべて切り倒してしまったほどだ。
ボクがタケノコを掘っている場所は、限界集落でもあり、竹林の持ち主もいるところ。
その地主から許可をもらって、タケノコを掘らせてもらったり、イノシシをはじめとする野生動物の動向を調査させてもらっているのである。
この集落付近では、イノシシもサルも、あらゆる野生動物の捕獲はしていない。
せいぜい、畑や田んぼを防護ネットで囲う程度である。
なので、恒常的に檻をしかけて捕獲しているところと、行動や心理の比較もできるからこの地域を選んでいるのだ。
ところが、ニホンザルを捕獲して数をとにかく減らして農業被害を食い止めようとしている地域もある。
大きな捕獲檻を仕掛けて、有害鳥獣捕獲許可を得てサルを捕まえているのであるが、賢いサルなのでなかなかに一網打尽にはできないという。
それでも、数匹くらいは捕獲できているみたいだから、農家もそれなりに仇を討ったつもりになって満足感もあるようだ。
しかし、ボクから見れば、捕獲された数は翌年にはすぐに補充されているのが野生ニホンザルの状況なのではないかと思われる。
イノシシと同じくニホンザルは確実に増えているので、農業被害をなくすには抜本的な対策が必要だと思うが、農家も行政もなかなかにいいアイデアが出せないのが現実らしい。
人間以上に、ニホンザルのほうが頭がいいようなので、高齢化、限界集落などを視野に入れていけば、人間がサルに負ける日もそう遠くないような気がする。
日本の「サル学」は世界一だとも言われて賞賛されているが、農業被害に遭っている現場では「世界最低」ないのではないかと、思われている。
農業被害もきちんと食い止めて、野生動物も人間も、ともに暮らしやすい答えを導きだすのが、世界一のサル学なのではないだろうか。
ニホンザルの群れの一部に発信機を装着して、群れの移動をGPSで確認しながら被害を食い止める試みもされているようだが、一体全体ニホンザルは何頭いて、どこまで保護をすればいいのか、農地周辺のサルはどこまで捕殺してもいいのか。
そういった確かな答えをだしていくことも研究者の仕事であり、行政がそれを判断して住民の暮らしを守るべきだと思う。
しかしながら、現場を見る限り、人間よりサルのほうがすべてにおいて優遇されているのが現実である。

やっと1頭の親ザルが檻で捕まったが、この程度ではサル被害にはまったく焼け石に水。
この檻は、サルよりも、ツキノワグマのほうが多く捕獲されてしまっているのも現実。

手前はイノシシの捕獲檻、後方はサルの大量捕獲檻だが、なかなか成果があがっていないのが現状。
久しぶりに、6頭ほどのサルが捕獲されたが、このあと群れ全体で危険を学習されるから1年くらい再捕獲できないことが多い。
檻のなかで不安顔の若いサルたち。後方のトタンには散弾銃の憤怒の弾痕がみえる。
銃弾が貫通した跡。
人家の屋根に登って遊ぶ横着なサル。
道路でも、こんなにも横着しているから、人間社会を舐めきっているようだ。
高速道路だってもはや彼らにとっては生活場の一部分になってしまっている。
人間に向かって威嚇してきているサル。最近では、逃げることを忘れてしまって、反撃するまでに精神構造が変化してきているサルたちもいる。
自然保護思想にも、適度な緊張感が必要なのだが、現代人は危害が我が身に降りかかるまではそれに気づかないものである。
写真上:タケノコをくわえてカメラ目線で悠然と歩く子ザル。
2009-07-19 Sun [ 旅・取材・人 ]
マムシが2匹…
by gaku

「おぉーーい、キミさんやぁー これをgakuさんのとこへ届けてくれんか、なぁー
マムシだけれど、これ渡せば、gakuさんのことだから処置知っているから、頼むにぃー
一匹は生きているでなぁー 取り扱いを気ぃーつけてなぁー 」
隣の、そのまたとなりの、さらに隣のとなりの静岡県境の小さな過疎の村の知り合いの村会議員から、2匹のマムシを預かってきたのは義妹だった。
村の中学校で教員をしている義妹だから、小さな村の村会議員の頼みを聞かないわけにはいかない。
「gakuさんねぇー こんなマムシの運び屋なんて、私まっぴらゴメンだからね。
マムシが車の中に逃げ出したら、どうするのぅー?
タダでは、済まないんだよぅーー」
義妹の顔は青ざめて、引きつって、いた。
「悪い、わるいなぁー
確かに、マムシは生きているから、逃げ出したら危険だよなぁーー
よくもまぁー ここまで我慢して運んできてくれてアリガト、ねぇー」
そういいつつ、オイラも一瞬思惑顔。
生きたマムシを運ばされる身にもなってみれば、それはそれは迷惑なコトだ。
村会議員は、そんなこと構ってはいない。
ただ、ボクが喜ぶと思ってのこと、だ。
こんな心が、田舎にあっては嬉しいし、村会議員の精一杯の感謝の気持ちが表れていて、田舎ではこんなこと阿吽の呼吸だからである。
2匹のマムシは、一匹は焼酎漬けになっていた。
もう一匹は、生きているから焼酎漬けにするもよし、焼いて食べるもよし、と村会議員が思ってのことだろう。
マムシの焼酎漬けは、民間療法の名残りなのか、田舎ではとても貴重品扱いをされてきている。
打ち身、捻挫、傷…など、万能薬として信奉されてきている、からだ。
なので、マムシの焼酎漬けは、各家庭に1本は常備されているのが普通と考えられている。
しかし、万能薬であるハズのマムシの「焼酎漬け」は、どの家庭でも使われずにいわば「戸棚の肥やし」になってもいる。
これは、やはり貴重品なのだから、めったなことでは使いたくないという心の表れなのだからであろう。
こうして、いっぺんに2匹ものマムシが届いたのだから、出来あがっている焼酎漬けはそのまま保存しておくとして、生きたマムシは焼いて食うべき、か?
「土用の丑」がきたことだから、ウナギの代わりに明日はマムシの黒焼き、でいこう。
元気がでれば、その結果を村会議員に報告しなければならない。
元気が出すぎても困るけれど、こうして生きたマムシを見ると、どこにでも潜んでいるものであるから、最近はゴム長靴もはかずにスニーカーのまま山歩きをしてしまっている自分の油断を反省するのだった。
自然の豊かなところには、マムシもスズメバチもツキノワグマも普通にセットになっているのが現実、だからである。

写真上:マムシの目は、いつであっても冷たく決して油断してはならない光を放っている。
写真下:2匹のマムシを、さあどうするか…?
2009-07-17 Fri [ 哺乳類・野生動物 ]
イノシシが怒った!!
by gaku

北海道から慌ただしく帰ってすぐに、数台の無人撮影ロボットカメラの点検に出かけた。
なんと、一台が派手にひっくり返されているではないか。
イノシシの仕業であった。
イノシシが、カメラ周りの土を小型ブルドーザーよろしく堀りまくったからだ。
あげくに、カメラのボックスまで囓った、らしい。
ストロボの三脚が2本と、カメラ本体そのものが一台。
さらには、カメラの屋根なども修復不能なほどに壊されていた。
現場で直せるところはすぐにやるべきだったが、忙しかったのでメインスイッチだけを切って、修理は翌日にまわした。
ところが、今朝起きてみると、どしゃぶりの雨ではないか。
これはマズイと思い、急いでカメラのところに出かけてみたがすでに手遅れだった。
一番大切なメイン電源アンプが水浸しになっていた。
無人カメラシステムでもっとも高価なパーツだけに、悔しいことこのうえなし。
これは、重大な損害だからである。
こんなことを、知り合いの農家のオヤジに先ほど話したら、今年はイノシシがすこぶる元気だという。
もう、ジャガイモ畑が全滅だし、次の被害も予想されていた。
しかも、今年のイノシシはいままでにない傍若無人ぶりを発揮しているとのことだった。
仕掛けてあるイノシシ檻にもまったく警戒をしないし、檻の下の土を掘り起こしてひっくり返す始末だから早めに有害駆除をするといっていた。
ボクは、確かにイノシシに被害を被ったが、駆除というよりここはしっかりモデルにしてしまおうと考えている。
最近のイノシシは人間を舐めてきているし、精神的にもかなり進化してきているから、そうした進化のわかる生態をつかみたいのだ。
こうなったらこちらも甘いことは考えずに、野生イノシシの本性にどんどん迫ってみるつもり。

写真上:カメラが壊される寸前に写っていたのが、このイノシシ。
まだ、若い3歳メスのようだ。
写真下:三脚がしっかり倒されていた。
2009-07-16 Thu [ 旅・取材・人 ]
北海道へとんぼ返り
by gaku

北海道東部の漁師町に、恩人夫妻が住んでいる。
その夫妻が両人ともに、心臓の手術で緊急入院したとの知らせがあった。
このため、取るものもとりあえず釧路空港へ。
旦那は釧路の病院、奥さんは札幌の病院。
両方とも見舞う予定で出かけた。
まずは、釧路の病院で旦那を見舞ったがまだ麻酔から覚めず、覚醒するのに2日もかかるという。
このため、覚醒するまでの間に札幌往復をすることにした。
ほんとうならば、釧路で見舞い、そのまま札幌に移動して見舞い、千歳から空路帰宅すればよいと考えていた。
だが、麻酔の覚醒時間という予定外の誤差が起きたので帰路は再び釧路空港からだった。
そうと分かっていれば往復のチケットを買ったものだったが、今回はすべて予約なしの飛び込み綱渡り旅だった。
22歳のときに、生まれてはじめて北海道旅行をし、そのときに出会った番屋のオヤジ。
以来、番屋に何ヶ月間も居候を許してくれて、陰になり日向になり、北海道でのボクの活動のすべてを息子のように思って支えてきてくれた恩人。
病気で倒れたときも、ボクに送ろうと自分の定置網にかかった「トキザケ」を荷造りしていたそうだ。
だから、そのことが気になっていたのか、ボクの顔を見るなり、「トキ トキ …」っと、声にならない声で叫ぶのだった。
秋には体も回復しているだろうから、「またくるからね」といったら、「マス、マス…」っと、口を動かす。
そう、秋にはマスが獲れて、次にアキアジが乗ってくる。
漁師だから、獲れた魚をボクに見てもらうのが嬉しくて仕方がないのだ。
秋の再開を約束してICU室をあとにしてきたが、握った手は思いのほか冷たかった。
誰にも恩人はいると思うけれども、ボクにとってはとりわけ大切なご夫妻。
頼むから、再会まで元気でいてほしい。
写真:釧路空港は往復ともに雨だった。それは、恩人たちの大粒な涙なのだと、ボクも泣けた。








