独り暮らしの寂しさは…

超過疎地の限界集落。
空家のような家が点在しているけれど、ときにはその中にひっそりと老人がいることがある。

伊那谷の人口が700人くらいの小さな村を訪ねてみた。
何件も空家が連なって人も住んでないと思っていた集落に、獣害対策のネットで覆われた畑があった。
雪のなかにキャベツが数株植わっているのが見えたが、どうも人の気配がない。
しかし、そのネットには可愛らしい「縫いぐるみ」が取り付けてあった。
これも、獣害のために少しでも役に立つのだろうと付けたにちがいない。
幼児の喜ぶ縫いぐるみなので、それは、あまりにも可愛いすぎる。

なんだか微笑ましくなって撮影をしていたら、ネットの脇が生ゴミ捨て場になっていることに気づいた。
ミカンの皮なんかが捨ててあったが、そこには間違いなくタヌキやイノシシが「生ゴミ」を漁りにやってきていた。
人の気配はしなかったが、どうやら空家とおぼしき家のなかには「老人」が独り静かに暮らしているのではないかと思った。
洗濯物も干されていないし、ストーブ煙突の煙も、ない。
しかし、「生ゴミ」は新しいので、確実に人がいると思われた。

はたしてどこの家に住人がいるのかわからなかったので、お会いすることはなかった。
でも、縫いぐるみはそんな老人には「孫」のものではなく、「ひ孫」のではないかと思った。
推測するに、ひ孫も大きくなって使わなくなったものを家族が届けたのかもしれない。
それを老人が獣害フェンスに取り付けてあるのではないか、と思った。
これも推測だが、それをやるのはたぶん男だろう。

この村には、近いうちにまた出かけるから、こんどは老人に会ってみたいと思う。
山の中に独りだけで暮らす理由と楽しみが絶対にあるはずだし、ボクにもその気持ちがわかるような気がするからだ。
こういうところの老人は人なつっこいし、いい人が多いものである。
そして、年齢を聞いてみれば若そうに見えるがほとんどが80歳を越えて元気な人が多い。
たぶん、この予測は的中すると思う。
温かい「鯛焼き」でも手土産に、お茶でも飲んでこよう。

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独り暮らしの寂しさは… への5件のコメント

  1. そらとびねこ より:

    限界集落で仕事をしている時に一人暮らしのおばあさんが数人居ました。子供達は街中や都会に居て親を呼び寄せようとしていましたが『親の建てた家で最期まで過ごしたい』と言っていました。皆さん小さな畑で野菜を作っていましたが、猿に荒らされること度々で子供からは、花でも作ればなどと言われていました。それでもみな畑が好きで、わずかな野菜を子供に送ったりしていました。子供達は野菜なんかいくらでも買えるというんだけれど。
    中でも私が大好きなおばあさんが居てその方は雪が降る頃には大阪に呼び寄せられ春になるとまた山に帰って来ました。都会に行く前日に雪が降ってきたら、畑の白菜や大根を雪の中へ出て行って運べるだけ運び新聞紙に包んで土間に入れていました。迎えに来る子供の車に積んで持っていくためです。その方は一人暮らしの不安から睡眠薬が手放せず不定愁訴も多かったけれどやはり、生まれ育った山から離れたくない気持ちがとても強かったです。一人暮らしの方々はみなそうでしたが。

  2. 先日は勉強会でお世話になりました。早速ですが群馬で大量のクマ棚を発見したので報告します。
    http://sun.ap.teacup.com/tamarin/563.html

    私は集落支援員という活動で限界集落のお年寄りの話を聴いたりすることもしています。70~80代の生粋の山村暮らしの年寄りの話しは含蓄があって面白いですね。ときにその苦労話に圧倒されることもしばしばです。その活動で発見したのはひ孫さんに熱烈な山村が好きな子が多いことです。

  3. 杢爺 より:

    私のお袋は長野県で一番小さい村、H村の出身でして、よく遊びに行ったものです。
    いろいろあって、お袋の姉さんが一人暮らしを止めて、飯田市近郊の娘さんの嫁ぎ先近くのケアハウスに引っ越してからは、足が遠のいています。
    家やお墓がありますから、時々は手入れに行くようですが、、、
    なにせ皆いい歳になっていますから心配です。

    H村に残る親戚は、お袋の実家を守る気丈な兄嫁さんが一人です。商売をしていて、お客さんも多いようなので頑張って欲しいです。
    ただ、H村も今年は「熊に注意」の広報が数回流されたようで、一番山付けでの年寄りの一人暮らしは心細いのではないかと思っています。

    お袋などは、いつかは戻りたいと思っていたようですが、今ではどうでしょう、、、?

  4. 熱烈な山村が好き=ひ孫さんじゃなくてお孫さんでした。小学校上級くらいの子、ですね。今日は神流川沿いでいくつかのクマ棚を見ました。役場の近くの人家のクリの木にあったりしました。上部の集落は雪が舞ってちょっとはっきりせず。しかし集落の方々はクマ棚の存在をよく知っており、たくさん見られるところを教えてもらったりしました。

  5. uz より:

    そうですね、実際おれのおかんもおおばあと2人暮らし、、、。
    田舎はやっぱ、都会の人がいうほどいいとこばっかじゃないよ。
    でも、山暮らしもいいとこあるし、バランスとっていきたいとおもう。
    おっと、いやに主観がはいってしまいました、、、。