おだやかな丹後半島

3日ばかり、丹後半島は穏やかな好天にめぐまれた。
こんな日は、なかなかにないらしく、岩礁地帯には「岩のり」を採集する人たちが多かった。
海のない信州に暮らしているオイラには、このような海辺の風物はとても珍しく新鮮な感動がある。
なので、さっそく海岸線に下りてみた。

「岩のり」を見るのも、はじめてのこと。
それは、採りきれないほど無尽蔵にびっしりと岩に張りついていた。
そんな「岩のり」はまさに地域住民への海からの贈りものなのだろう。
採集者に聞けば、佃煮にしたり、海苔巻き用に乾燥させるのだそうだ。
とにかく、天然岩のりは風味も豊かでほんとうに美味しいらしい。
オイラも頑張れば海苔の一枚分くらいは採集できそうだったが、現場で口に含むだけにしてきた。
塩味が絶妙に効いていて、それはそれは美味しい生食の岩のりだった。

岩礁地帯では岩のり採りだけでなく、タコ獲りをやっているおじさんもいた。
竿の先には、疑似餌となるプラスチックの赤いカニがついていた。
岩陰に潜むタコが、このカニを見つけると抱きついてくるのだという。
これも、考えるだけで、なんだか楽しい漁ではないか。
海は、山国でいうところの「山菜」採りと同じような楽しみがあるのだと思った。

まあ、海は穏やかな日もあれば荒れた日もある。
これも山と一緒なので、それぞれに自然と折り合いをつけていくのがその地に暮らす人のセンスだとも思う。
なんだか楽しい気分の丹後半島だったが、道路と海辺との境を守るガードレールをまたいだときに、錆びたその姿をみてなかなかに厳しいものもあるに違いないと感じた。

翌日は、「コウノトリ写真コンテスト」の審査委員長をしなければならず、夕方までには豊岡市に入らねばならなかった。
ホテルの近くにある居酒屋には、多くの地元ファンが待ち構えてくれていた。
日本海の美味しい魚と酒と、気がおけない昔からの仲間たちに会えて楽しかった。
みなさん、夜遅くまで付きあってくれてありがとう。

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おだやかな丹後半島 への3件のコメント

  1. たじまもり より:

    丹後半島から豊岡へ、雪の中の旅、ご苦労さまでした。
    タコ漁ですが、丹後では「タコばかし」、但馬では「タコなぶり」と呼ぶ伝統漁法です。疑似餌でタコをおびき出して引っかける単純なものですが、駆け引きがなかなか奥深いようです。

    寒気が緩んで雪は一気に融け出しましたが、今週末はまた寒波がきそうです。

  2. oikawa より:

    タコは賢いので好きです。

  3. はちべえ より:

    こんにちは!
    たこ漁の疑似餌ですが、カニの下にぶら下がっているものは「鯖の切り身(疑似餌)」でしょうか?
    こういう漁法・・・自分でもやってみたいですね。
    とりあえず、暖かくなったらテトラポットから穴釣りでアブラメ(アイナメ)狙いにいってみよう!