帰ってきたノウサギ

中央アルプス山麓の高原地帯からノウサギの姿が消えたのは、1986年くらいから。
以後、20数年間ノウサギはピタリといなくなり雪上に足跡すら見られなくなってしまった。

そのノウサギの足跡が復活したのが、2008年くらい。
数は少ないものの、雪上に独特な足跡を見つけてうれしくなったものだ。
しかし、そんな足跡も長続きはせず、翌年にはまた姿を消してしまった。

ところが、今年の正月ごろ、再びノウサギの足跡を見つけた。
細々ながら、「生きているのだなぁー」と感じながら、とにかくデジタルカメラで撮影しておこうと思った。
数が少ないのだから、その姿を撮影するだけでも難しいだろうとは思ったが、ロボットカメラを設置しないことには何事もはじまらない。

渓流へ下る雪原に、一回だけ足跡を見たから、時間さえかければここは必ず通ると判断した。
こうして、ロボットカメラを放置すること45日間。
ついに、ノウサギの姿が写った。
褐色個体の立派な成獣だった。

無人撮影ロボットカメラといえども、やみくもに設置していいというものではない。
目的の野生動物が必ず通る場所を選定し、あとは時間との勝負だ。
長期間放置しても、すべての機材はいつもベストコンデションで作動しなければならない。
このような、高性能を維持できる機材を自分自身で開発してきたが、ノウサギに限らずそこに生物がいれば確実に撮影して正体を明かすことができるようになった。
これも、自分自身のスキルであると同時に、ロボットカメラによって「黙して語らない自然界」からオイラはいかにたくさんの知見を得てきていることだろうか。
こうして、自分で調べ知った事実に基づいてオイラは言葉えらびをしているが、これから先10年に向けてノウサギの動きをはじめロボットカメラが何を見ていくのかも楽しみだ。

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帰ってきたノウサギ への4件のコメント

  1. いち猟師 より:

    そうなんですよ、やっぱり増えてると言うか回復してますよね。
    私の猟場(南アルプス南部)でも、ある年から突然足跡を見かけるようになりました。
    ただ関連があるのかどうかは分からないのですが、ウサギの足跡を見た場合、他の大物の足跡が無い=居
    ない、のですよね。
    だから最近はウサギの足跡を見るとモチベーションが下がるようになってしまいました。
    実物を見たのは、猟の帰りに車を走らせてる時、集落の近くのみです。
    よって、ウサギ要らない!

    それから先月のジュンク堂での講演、たのしく聴講させていただきました。
    特にダニの免疫の話は参考になりましたね。
    私の場合、あと数回ダニに付かれないとダメかも、ガキの頃含め3回ほどしかありませんから。

  2. gaku より:

    いち猟師 さん

    これから、日本の森林は成熟期を迎えますから、ノウサギも安定出現に向かうと思います。

    >それから先月のジュンク堂での講演、たのしく聴講させていただきました。

    人が悪いなぁー。
    一言声をかけてくれればいいもの、を。

  3. いち猟師 より:

    お話したかったのですが、スゴい人気だったので遠慮させていただきました。
    ただ、帰り際に挨拶はしましたよ。
    まあ、次から次へサインを求められてたので覚えていらっしゃらないと思いますが。
    またの機会はよろしくお願いします。

    • gaku より:

      >帰り際に挨拶はしましたよ。

      そうでしたか、なんとなく思い出したような?
      でも、忘れてしまってマス。
      またの機会に、、、