環境を考える 7 「自分の体温を信じれば…」

オイラはもう、30年以上も登山用の「寝袋」で寝ている。
これが、温かくて気持ちよくて、寝袋に入ればものの1分で寝付いてしまう。
信州の高原だから、厳冬期ならば枕元のコップの水が凍っている。
なのに、寝袋だとポカポカ、なのだ。

このポカポカは、自分の体温にある。
要するに、すべての動物は自分の体温でいちばん幸せに寝られるようにできているのだ。
その体温をいかに逃がさない工夫をするかで、安眠は決まるのである。

オイラの使っている寝袋は、マイナス35度というやつとマイナス20度。
さらには、マイナス10度というやつとマイナス0度。
これらの寝袋を寒さに応じて年間を通して使い分けている、のである。
体験的に公証対温表示から10度引けば快適に眠られることが分かっている。
だから、厳冬期にはマイナス35度の寝袋で信州の真冬は野外でも完璧なのである。

寝袋には、アヒルの綿毛が入っている。
この綿毛の量によって、マイナス度が違ってくるからだ。
たくさん綿毛の入っているものほど羽毛が空気の層をつくるからマイナス保温に耐えられるし、その量の分だけ値段にも反映されてくる。
大雑把に言って、2~10万円ほどの値段になるが、これらを30年間も使えば年間1000円くらいに減価償却ができてしまう。

そんなアヒルだが、春のヒヨコが半年もたてば親鳥になる。
半年で成長してしまう羽毛を、しっかり30年以上も使い切ってあげればこんなに自然にやさしいエコはない。
天然素材を見直し利用しながら生命を育てるところに、現代の自然環境を考えるヒントがある、とオイラは思っている。

写真:巣穴の中で眠るムササビだけど、自分の身体のサイズにあった穴を利用するのが野生動物たちの知恵。そんなところから、学び実践してみると、現代人の文化生活にはほんとうにムダが多すぎると思う。自然を知り、生きものたちの生活を知ることからはじめれば、私たちにも楽しい答えが引き出せるのではないか。

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