ファンでもKYだと困るんだナ…

ツキノワグマをやりたいと、昨年の暮れあたりから急接近してきたある県の男がいた。
なんでも、学生時代からオイラのファンだったらしい。
まあ、ファンを邪険にすることもできないから、一応は付き合い程度の対応はしていた。

ところが、グイグイと。
ほんとうにエネルギッシュに、長いメールがいくつも届いたり、講演の追っかけがはじまったり、訪問も相次いだ。
このような動きをする人間は冷静に観察しないと、とんでもないことになる。
それは、共通点をもつ人間が過去にも何人も出現しては「煮え湯」を飲まされてきた経験があるから、オイラは用心をしていた。

そんなあるとき、留守中の自宅にまったくのアポなしで現れた。
その足で、オイラの仕事場にも来たらしく、さらには撮影ロボットカメラなどのあるフィールドをうろついていた。
その動きを、オイラのサポート隊が尾行観察していて、報告が届いた。

仕事をするフィールドは、オイラの生産工場である。
そんな「工場内」を無断でうろつきまわれてはたまらない。
公開できない撮影現場だってあるし、情報が漏れては困る秘密兵器も稼動している。
これは、ファンを逸脱した行為である。

本人は、長年のファンだったオイラに接近ができて、何をしても許されると思っていたのだろうか?
それとも、撮影現場などから自分のために撮影ヒントの情報収集をはかろうとしていたのか?
いずれにしてもこのような動きは看過できないから、本人に真意を確かめた。
そうしたら、オイラの前から急速に立ち去っていった。

プロと懇意になれてアマチュアは舞い上がってしまうのだろうが、プロは甘い気持ちで仕事をしているのではない。
絶えず、黙考しながら緻密な心理状態で作品づくりに時間を費やすものだ。
そんな仕事時間に、ヒマなアマチュアは飛び込んできてはいけないのである。
まさに、プロとはどんな気持ちで仕事をしているのかといった空気を読めないような者は、後に必ずトラブルを起こすからである。

ここはやはり、プロとして毅然としておかなければ自分が殺されてしまう。
だからオイラも、今回だけはピシャリとやった。
プロとしての技術と自分を守るために…。

写真:
最近のクマクールには、小型のオス熊がよく出現している。恥汁がなんとも生々しい。

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ファンでもKYだと困るんだナ… への8件のコメント

  1. C-NA より:

    近づきたくても遠すぎて追っかけもできない距離で幸いでした(笑)
    長野県には時々出没しているので要注意ではアリマス。
    偶然バッタリ出会えたら間違いなく舞い上がってしまいそうです。
    gakuさんは私のことご存じなくてもこちらは一目でわかりますからご用心を。

  2. akke より:

    アマチュアたるもの、長年積み上げてできた、プロのフィールドや撮影手法の全てが生活の糧であることを、わきまえていないのでは。
    それ以前の、良識の欠如が行動の原因でしょうか。
    でも、今までにない写真や優れた撮影スタンスを見てしまうと五里霧中となってしまうのもあるかもしれません。自分も自問自答しなくては。
    しかし、行動が全くダメでした。

  3. bogu より:

    私めももう20余年のファン。
    やはりそこは、ファンはファンとしての距離をとるべき

  4. oikawa より:

    気をつけます。

  5. あーる改め山之上すみれ より:

    立ち去ってくれて良かったです。ストーカーになったら怖いです。

  6. gaku より:

    みなさん、ありがとうございます。
    もう、40年もやってますと、いろんな人との出会いもあります。
    不思議な人も多い、ことに気づきました。

    でも、うまくいっているファンのほうが多いですので、どうぞご安心ください。

  7. サブさん より:

    gakuさんお疲れ様です。
    月の輪熊でそっくりのブログがあって一瞬gakuさんのブログかと間違えてしまいましたよ。
    マネしたいんですかねw 

  8. gaku より:

    ■サブ さん
    世の中には、「空想病」というものがあるらしいんです。
    とにかく、そっくり真似して自分もなりきりたい、という心理状態に陥ってしまう病気。
    靴やパンツやカメラや車まで、一緒でなければ落ち着かないという病気。
    なので、マネも病気の一症状みたいですw。