縄文柴犬と散歩に出れば ① 5歳になる黒柴

ここのところオイラは、時間があれば犬と毎日散歩に出かけている。
距離にして、5~6kmくらい。
中央アルプス山麓の渓流沿いに続く林道を、走ったり歩いたりストレッチをしたり。
周辺には、松林や広葉樹林がひろがっているからなかなかに清々しいコース、である。

犬は、縄文柴犬の5歳になるメス。
縄文柴犬とは、日本犬のルーツともなる古いタイプの犬である。
縄文時代の遺跡からは、小型の日本犬の骨が出土している。
これらの犬は、ニホンオオカミの頭骨にも酷似していて、縄文人はこの犬たちをとても大切なパートナーとして生活していたことがうかがわれる。
たぶん、縄文時代の犬は主人や集落を野生動物の襲来から守っていたであろうし、狩猟にも積極的に参加して生活の糧に協力していた、にちがいない。
その証拠に、ケガして骨折した犬を丁寧に埋葬していたり、主人と一緒に葬られているのが出土してきているところは縄文人と犬が互いに信頼関係をもって共存していたことを物語っている。
頭骨がニホンオオカミに酷似しているのは、「縄文柴犬」はニホンオオカミとも交雑していたのではないかと考えられる。
骨格がこのようにニホンオオカミに限りなく近づいているということは、嗅覚や聴覚などをつかさどる神経系統が酷似していくから、それは今日でも日本の気候風土に限りなく順応していけるというものである。
このため、現在でも日本という自然環境には充分に野性味を発揮できるといっていいだろう。
それでいて、主人家族には従順に仕えるのが縄文犬の特徴である。

だからオイラは、この縄文柴犬から日本の気候風土に対していろんなことを教わる意味で、かれこれ30数年前から天然記念物柴犬保存会の「縄文柴犬」を飼育してきている。
30数年も前のことだから、柴犬たちはこれで7頭めとなる。
そして、今回は黒毛のメス犬を飼育している。

彼女とは実に深い信頼関係が築かれているから、もう阿吽の呼吸で山野を歩ける。
このため、首輪もリードもすべて外して山歩きをしている。
首輪を外す理由は、ツキノワグマが日常的に生息している場所を散歩するので、いつか熊とニアミスを侵すかもしれないことを考えているからだ。
そのときに、熊の爪が犬の首輪に入らないともかぎらないし、首輪があることで犬の自由が利かなくなり、命取りとなる危険性が充分に考えられる。
だから、首輪など人工的なものはいっさい身につけていないほうが、犬は敏捷に身体をかわすことができると思っているからだ。

オイラも熊との遭遇を意識しているから、クマ撃退スプレーを一応は持って散歩している。
しかし、これ使うときは熊が襲ってきたときなので、なるべくなら使いたくない。
だが、このようなものを持つことによって周囲への注意力が増すから、持ち歩いているのだ。
そして、犬の動きを絶えず注視しながら、オイラ自身も細心の注意を配って散歩をしているのである。

愛犬はフリーになってはいるけれど、オイラから100m以上は絶対に離れることはない。
藪のなかに飛び込んでいったり、林のなかを走ったりするときには姿を見失うが、一言声をかければ必ずオイラのもとへと帰ってくる。
日本犬とは、そのくらい言葉を理解し賢く従順で忠実なのが本来の姿なのである。

写真解説:
1)5歳になるメスの黒柴だが、顔貌は雄である。
2)日常的にツキノワグマの生息地を毎日散歩している。
3)熊撃退スプレーも、年季が入りすぎてラベルも読めない状態。

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縄文柴犬と散歩に出れば ① 5歳になる黒柴 への4件のコメント

  1. meiji_milkman より:

    いつ見ても、美人ですね!

  2. gaku より:

    美人だけれど、かなり気も強いですよ。
    柴犬だから、それでいいのだけれど。

  3. あーる改め山之上すみれ より:

    残念ながらイヌはつないで飼っていますが、自由に山野をかけまわっているネコには何も身に付けさせていません。前にオスネコに、木にひっかかったら伸びてはずれるという首輪を買って来て付けたら一日でなくして来ました。昨年亡くなったおばあさんネコだけが可愛い鈴付きの首輪を付けていました。

  4. gaku より:

    ■山之上すみれ さん

    山間地では、そのうちに犬の放し飼いをしなければ獣害がなくならないことに気づくでしょう。
    それまで、ぜひ縄文犬の血筋だけは守りたいと思っています。