野生動物はしたたかだ

次の本づくりのために、いま猛烈な忙しさがつづいている。
今月いっぱいに本文原稿を仕上げなければならない、からだ。
まだ、半分ばかりしか、仕事は進んでいない。
今月という時間をめいっぱい使えるワケではないので、かなり焦ってもいる。
仕事場に独り泊まり込んでの臨戦態勢ではあるが、夜間はどうしても手作りで肴をつくって一杯飲んでしまうから仕事にならない。

そんな仕事場に、夜間いきなり警報ブザーが鳴り響く。
このブザーは、防犯のために設置してあるセンサーが何者かをキャッチして屋内中に作動するからだ。
庭先を野良ネコやタヌキが歩いても、センサーは作動する。
もちろん、ムササビが上空から侵入してきても、ブザーは鳴り響く。
そのくらい、オイラの防犯センサーは性能がいいのであるが、このブザーが鳴るたびに
どんな動物がセンサーを作動させたかのか「もしや…?」と思い外を覗く。

昨夜も、8時半ころブザーがけたたましく鳴った。
二階の窓からそっと覗いたら、タヌキが道路を歩いていた。
そのタヌキをみて、「したたかだなぁー」と思った。

というのも、いま、仕事場の前道路は下水道工事のまっただ中なのだ。
昼間はパワーショベルとダンプカーの騒音と振動であふれているし、夜間はその重機を道路に置きっぱなしにして煌々と照明をつけて工事屋さんたちは帰って行く。
あきらかに、道路はびっくりするくらいにこれまでと環境が変わっているからである。
それなのに、タヌキが平気でノコノコと歩いている。
その上空をムササビが横切るのだから、ここに暮らす野生動物の心理はどうなっているのだろう、と考えてしまう。

ボクが、そう考えてしまうのだから、一般に野生動物なんて関心のない人たちには「こんな工事現場には絶対に動物なんて出てこない」と思っているにちがいない。
それなのに、さにあらずでタヌキやムササビは平気、なのである。
その心理状態がオイラにも面白くて仕方がないが、これが本来の野生動物の姿であって、ちょっとした環境変化なんて意に介していないからである。
そのことを、本気で理解しなければ、今日の環境問題なんて語れない、と思う。

写真:
1)夜間には、こうして工事作業員たちは帰って行ってしまう。
2)そこに、ピンク→方向にタヌキが歩き、黄緑ラインでムササビが飛ぶ。
3)タヌキのこんな表情をみてしまえば、野生動物が神経質だなんて思えない。

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野生動物はしたたかだ への8件のコメント

  1. そらとびねこ より:

    先週の夕方、自転車で流していたら自宅から20メートルくらいの場所で、ハクビシンが目の前3メートルくらいのところを普通に横切って行きました。
    その前は、自宅の隣の畑でギャーギャー騒ぎまくり駆け回っているハクビシンが2頭居て、「パンパン」と手を打ち鳴らしたら、2頭が一瞬頭を上げてこちらを見ていましたが、「フン!カンケーねーやー」とでも言いたげに、またギャーギャー駆けずり回っていました。
    車も多く、電車も通り、人も沢山居る街でも、彼らは彼らの世界を作り勝手にやっています。数年前までは、昔地主さんが住んでいたような、木がいっぱいある一帯に居たハクビシンがどんどん街中に侵食してきて、怖いようです。
    実際、ご近所で見ちゃった人達は怖がっています。
    タヌキも夜中にお散歩(餌探し?)してますし

  2. gaku より:

    ■そらとびねこ さん
    いま、それに答える本を書いているところです。
    ほんとうに、イマドキの野生動物たちは人間をナメてきてます。
    現代社会のお上と庶民すべての心理状態が、「お犬様」時代と非常によく似ていると分析してます。
    これでは、野生動物にストレスがかからないから、まさに傍若無人。
    ハクビシンは、天井裏に入り込んで電気配線など囓って火災事故を起こしますから注意が必要です。
    まあ、このような獣害はこの先100年は続くでしょうね!

  3. そらとびねこ より:

    取り掛かり中の御本はこれがテーマですか。楽しみです。
    火事は、怖いですね。電線を伝わってどこかの家の2階に入っていくハクビシンも目撃されていますし、杉並区で貸し出しているハクビシン捕獲箱は予約制で、順番待ちの状態です。

  4. gaku より:

    >杉並区で貸し出しているハクビシン捕獲箱は予約制で、順番待ちの状態です。
    ということは、それだけハクビシンが多数いるということですから、手遅れにならないようにしなければなりませんね。
    捕獲箱は、こちらでは7000~16000円くらいで確か販売されていると思います。
    地域で相談して、お金を出し合って買ってしまったほうが早いかもしれませんね。
    ボクだったら、手作りをしてしまいますが。

  5. oikawa より:

    ハクビシンは日本の我が家に住み着いているようです。
    空き家はいけませんね。

    • gaku より:

      空き家だと、
      ウンコしたり、小便したり、囓ったり、運動会開いたりで、動物たちはやりたい放題だと思います。

  6. yoshi より:

    数年前に我が家の近くでハクビシンの子供を2匹保護しました。
    仕事帰りに雨の中を道の真ん中でサッカーボール?と間違う位丸まってました。
    このままでは車に撥ねられると思い自宅に持ち帰りまして
    知人の方に相談して翌朝保護した近くの山林に放してあげた事があります。
    おそらく母親を見失ってしまったのだから保護した場所の近くに放した方が良いと
    の助言で放した次第です。
    保健所に勤めてる方にも相談しましたが害獣の扱いで処分される見たいです。
    それでは、まだ幼い子供達が余りにも可愛そうですからね。
    人間の都合で多くの動物達が肩身の狭い思いをしてるのが今の状況です。
    もう少し動物達と共存出来るようになればと思って居ります。

    • gaku より:

      >もう少し動物達と共存出来るようになればと思って居ります。
      「共存」を語るのなら「共死」」も同時に考えられなければ、「共存」を理解することは不可能ではないかとボクは思っています。