森の種屋さん


近所の林にツキノワグマの糞をみつけた。
15メートルほどの間に3個の糞。直径4-5cmと太く、どんぶりくらいの量がそれぞれにされていた。
この糞から推定すれば、体重が100キロちかい成獣のツキノワグマだった。
糞はまだ新しく、2日以内のものだった。
糞には木の実がたくさんみられたので、分析すべくさっそく拾ってきた。
ビニール袋を裏返しにして素手で握るツキノワグマの糞の感触は、ヒンヤリとそしてヌルっと柔らかかった。
人間やドッグフードを食っている犬の糞のニオイとはまったくちがい、熊の糞は「森の香」がした。
糞はザルで濾し、水で洗い流した。
2つの糞からは、それぞれに違う種子が大量に出現した。
これらの種子の分析をこれからするが、熊に食べられることによって発芽をうながされる植物もすくなくない。
その意味でも、熊は森の生態系の頂点に位置する動物だけに、種子の散布者であることがわかる。
いわば、「森の種屋」さんだったのである。
長野県駒ヶ根高原にて。
GX8

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