ロボットカメラのこと

先日、お付き合いのある印刷会社の営業マンと話しをしていた。
26歳になる息子世代の社員だったが、どうやら将来は写真家になりたいらしい。
まあ、なれるかなれないかは本人のセンス次第なので先輩としてポイントとなるようなことをいっぱい伝えたつもりだった。

そんな彼が、営業で回っていると、オイラの評価もどうやら耳に入ってくるらしい。
そんなことを、彼なりに心配もしていたから「写真道」に悩みももっていたのだろう。

「宮崎学はロボットカメラを使って撮影しているから、その姿勢が許せない」
というようなことが、巷では相変わらず言われているようだった。

こんな業界は、何をやっても「目立つ」やつはいろいろと陰口を叩かれるものだから気にしていてもはじまらない。
ロボットカメラであろうと、世の中にない写真を撮り続けさえすればすなわちオイラの勝ちだからである。
軍事衛星だって、ちゃんとロボットカメラが世界を監視して結果を出しているではないか。
あんなの、衛星に人が乗ってカメラを構えているのではない。
まさに、究極のロボットカメラ技術がいろんな情報を集めているからである。

オイラだって、「黙して語らない自然界」を少しでも語らせるためにロボットカメラを駆使しているにすぎない。
そして、そこから得られた情報を自分で的確に分析しながら、次なる手を打っているだけだ。
そうしたロボットカメラ技術がもてない「カメラ愛好家」には、ロボットカメラのもつ重要性すらも理解できないことだろう。
だから、安易に批判だけを繰り返して自らの居場所を探し求めているにすぎないからだ。

この一連の写真は、すべてロボットカメラで最近撮影したものである。
林のなかにあるスギの木に小さな穴を見つけたから、どんなドラマが展開されるのかを調べてみたいと思った。
そんな「絵コンテ」があったから、今春からずっと一日も休まずにこのスギの穴をロボットカメラは監視しつづけていたのだ。
そこに、モモンガとヤマネが記録された。
それも、10月下旬から11月にかけて、いきなりすごい動きがあったからだ。

たったこれだけの記録であるが、オイラはここで、自然界のしくみをまた一つ発見した。
この発見で、1冊の本が書けると思っている。
だから、このロボットカメラはこの先もさらに一年以上つづけることだろう。
このような発見はロボットカメラだからできることであって、面白いことは誰がなんといおうとオイラは前向きに取り入れようと思っている。
写真家は、こうしたあくなき好奇心と目にみえない技術を磨かなければすぐに使い捨てにされてしまう。
それが、オイラの「写真術」なのであって、写真家志望の若者にはまだまだ修行が山ほどあることを伝えたまでだった。

写真:上から
1)モモンガが次々と穴をのぞきにやってきた。
2)この2頭は、明らかに別個体であることが体色でわかる。
3)ヤマネも同じ穴をひっそりとのぞきにやってきていた。
4)ヤマネがこうして2匹でやってくるところを知ると、思いのほかたくさん生息していることが想像できる。こうした、ちょっとした記録から、また次なる技術開発とテーマが浮かぶのがオイラの自然に対する狙いである。

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ロボットカメラのこと への18件のコメント

  1. akke より:

    >「宮崎学はロボットカメラを使って撮影しているから、その姿勢が許せない」
    ・発言した方は、カメラを撮影の道具としてとらえていないようですね。
    嫉妬でしょう。

    >ロボットカメラであろうと、世の中にない写真を撮り続けさえすればすなわちオイラの勝ち
    ・おっしゃるとおりです。

    そういう当方は、写真をうまく撮れませんが。

  2. そらとびねこ より:

    動物達は、どうしてここに穴が開いていることが分かるんでしょう。
    動物の勘?
    アリみたいに、一匹が偶然見つけると、伝言ゲームみたいに伝えるのかしら

    • gaku より:

      動物たちは、自分たちに必要なことは直感的に行動して探していると思います。
      私たち人間が、水を捜し求めるように。

  3. oikawa より:

    >宮崎学はロボットカメラを使って撮影しているから、その姿勢が許せない

    革新的な写真家には、このような事を言われるのは、避けられないのでしょうね。
    有名税に一つなのかもしれませんね。
    僕も一度は、こんな事を言われてみたいものです。

  4. もっち より:

    >宮崎学はロボットカメラを使って撮影しているから、その姿勢が許せない

    未だにそんなことを言っている人がいるんですね。
    すでにこの時点で、発言者の思考は停止している…
    偶然で、あんな凄い写真が撮影できるとでも思っているんでしょうかね?

  5. プロキオン より:

    御無沙汰しておりました、プロキオンです。
    私は、ロボットカメラで撮影された写真を初めてみたときには、大変大きな衝撃を受けました。人間の気配がないというだけで、これだけ被写体に迫った写真を取る事ができるのだと理屈以上の現実を知らされた思いがしたものです。
    その時の衝撃で、「けもの道」と「けもの道の四季」を購入したので、どちらの初版でした。
    そこに写っている画像は、どれも写真としてすばらしいものでした。ロボットカメラによる撮影が卑怯と考える人がいるのであれば、無人撮影であるがゆえに費やされているシャッターの数を想像したこともないのではないでしょうか。
    良い画だけ、良い結果だけを望んでいるのであれば、その方の写真家としての努力が、まだ足りていないのかもしれませんね。決定的なシャッターチャンスというのは、人間がずっと張り付いていた方が確実なはずなのです。それを補う術がなければ、ロボットカメラにしても、何も教えてくれないはずです。
    別段、ヨイショのつもりではないのですが、努力する事・考える事なくたどり着ける技術ではないと思うのですよね。写真家であれば、そこに至るまでに費やされたシャッターの数にこそ、敬意を払ってしかるべきかと思います。

    • gaku より:

      ロボットカメラの究極は、「フクロウ」の写真集に集約されています。
      あれは、メガトロニクスの融合ですから。

  6. はちべえ より:

    >私は、ロボットカメラで撮影された写真を初めてみたときには、大変大きな衝撃を受けました。人間の気配がないというだけで、これだけ被写体に迫った写真を取る事ができるのだと理屈以上の現実を知らされた思いがしたものです。

    プロキオンさん、私もまったく同じ感想を持った一人です。

    そして、自分でもロボットカメラにチャレンジしてみました。

    仕掛けてから2ヶ月くらいはまったく成果なし・・・そのときはまだフィルムでしたからフィルム代と現像代が湯水のように・・・・・(^-^)
    やっと2コマにイノシシが写った時は大喜びでした!(ただ写っているだけですが。)
    子供のころにその山で大きなイノシシに遭遇してその話をしても、大人は「そんなもの見たことないな・・・おらんて!犬ちゃうか?」といって取り合ってもくれませんでした。
    しかし、実際に写ったのはイノシシ。その1年後くらいでしょうかね生駒山のイノシシが表ざたに語られるようになったのは。
    やはり「写真」という確たる証拠は強いものです。
    ロボットカメラは試行錯誤の連続・・・常に試練を与えてくれます。
    指でシャッターを切らないとダメ!とおっしゃってる方々にも、ぜひ一度チャレンジしてみてほしいと思います。そうすればロボットカメラ撮影の楽しさ・面白さ・奥深さ・必要性をお分かりいただけるのではないかと思います。若輩ながら失礼いたしました。

    • gaku より:

      ロボットカメラの管理は、フィルムカメラのほうが断然ラクだけれどね!
      でも、コストがかかりすぎる。。

  7. 北の狩人 より:

    私は写真の技術の善し悪しは分かりませんが、知らない世界を見せてくれる写真の素晴らしさに感動しています。

    暗闇の中で動く動物を、いつかはカラーで撮ってみたいと思っています。

    • gaku より:

      あの、ヒグマの夜間撮影はすばらしいものです。
      あれは、カラーでないほうが迫力がありますね。
      赤外線でよかったと思いますよ。

  8. 山之上すみれ より:

    ロボットカメラは動物を傷つけないワナですね。

  9. 相田くひを より:

    はじめまして、なにげに年末暇でネットしていてこのサイトにたどり着きました。
    かなり昔のはなしなのですが、1995年ころ、確か秋、私は市の仕事で駒ヶ根温泉の新源泉の地質調査をしてまして、別荘地の南の沢を調査中、川岸にコンタックスたしかRTSだったかな?を見つけ、あれ?これはもしやロボットカメラ?と、もしかして俺写っている?と思ったら藪の中からガサゴソと男性が来まして、当時、調査は隠密でしたので、そそくさと隠れた記憶があるのですが、もしかしたら貴氏のカメラだったのでしょうか。フィルム無駄に使わせてしまいましたでしょうか?あの時は、すみませんでした。

    • gaku より:

      コンタックスは使ってませんので、たぶん人違いだと思います。
      また、ロボットカメラの脇にはボクは隠れていませんのでご安心ください。
      それよりも、温泉の隠密調査のほうが気になります。
      すでに、噴出している3号井のところでしょうか?
      あの辺には、ロボットカメラ仕掛けてませんので、とにかくご安心を。