放射能汚染される野生動物たち

福島原発事故現場から40キロ離れた計画的避難区域内に生息していたコオロギ1キログラム(約500匹)から、4000ベクレル以上の放射性セシウムが検出されたという。
東京農工大の普後一氏の調査で明らかにされた。
(2012年1月12日 読売新聞)

予想されたことではあるが、ショックだった。
また、このような地上徘徊性のコオロギに視点を絞って調査されたことにも敬意を表したい。
イノシシやニホンジカ、ツキノワグマの肉からも地域によってはかなり高濃度汚染が報告されている。
イノシシは、鼻先を地面に近づけてフゴフゴと呼吸しながら行動している動物だから、体型的特長からでも放射性物質を体内に多量に入れていることは容易に想像できる。

コオロギがそうした地面を活動しているのだから、同じように山野を徘徊している「カマドウマ」なども調査すればすごい結果がでることだろう。
また、地面や表土に浅いトンネルをつくって活動するノネズミも相当に汚染されていることが予想される。
そして、そのノネズミを一年間に最低でも2500匹も捕食しているフクロウだって、生物濃縮がはじまって高濃度汚染されていることだろう。


このような調査結果はやがて一部報告されるようになるのだろうが、フクロウは今春の繁殖状況もしっかり把握するべきだ。
それには、これまでの繁殖状況を逐一行なってきたデータが大変役立ってくるのではないだろうか。
「日本野鳥の会」などの保護団体は、野鳥の巣を見てはいけない撮影してはいけない、というキャンペーンを長年張ってきているが。
こうして野鳥の巣の観察をさせないようにしてきたことが、フクロウなど食物濃縮が極端にみられる猛禽類では正確なデータをみえにくくしていく可能性がある。
自分たちに都合の良い保護論だけを訴えてきた結果が、このような科学観察では裏目にでてくることであろう。
「自然保護」という言葉には何が含まれるのか、多くのことを考えさせられる。

写真:
1)フクロウの親子、足には食べかけのノネズミをもっている。
2)イノシシはいつもこんなカンジで徘徊しているから山野の放射性物質が極端に体内に取りいれられることだろう。
3)アカネズミは山野の地表部が主な活動領域なので、高濃度汚染が心配される。
4)アカネズミをくわえて巣にもどってきたフクロウ。フクロウは、このようなネズミを最低でも年間2500匹捕食していることがボクの直接観察で結果がでている。

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放射能汚染される野生動物たち への10件のコメント

  1. oikawa より:

    これこそ地球の自浄作用とでも呼んだら良いのでしょうか?生き物も人間も地球に住まわせてもらっているという事を、とりあえず考えられる力のある人間は考えないといけないはずなのですが。

    >野鳥の巣を見てはいけない撮影してはいけない
    これには僕も?????でした。

    • gaku より:

      自然に生かされている人間なのに、まったく意識にもないのが悲しくなることあります。
      最近、そういう人間に出会うのが多くなって落ち込みます。

  2. yt より:

    以前チェルノブイリの番組を見たのですが、どうも野生動物は放射能に対する耐性が出来るようです。原発近辺の森にネズミ、熊、鹿が戻ってきており外見からは異常がないように見える。ただ渡り鳥のツバメは留鳥でないからか、明らかに変調をきたしていました。
    従って福島の野生動物を長期間に渡って調査していくことが放射能の影響調査のために重要だと思います。

    • gaku より:

      事故後10年後のチェルノブイリに行ってきましたが、強制退去させられた住宅がたくさん残っておりどの家にもツバメが営巣してました。
      弱い野鳥はどんどん死に、耐性をもっていく生命だけが汚染されても生き残っているみたいでした。
      人間も、ツバメとは時間軸が違うだけで同じ道をたどっていくのでしょうね!

  3. 野人 より:

    宮崎さん こんばんは。
    日本野鳥の会ですか、全ては否定しませんが、これはどうかと思います。
    とある、文書をコピペ

    営巣場所に適した橋では、ムクドリやスズメ・チョウゲンボウといった巣穴を利用する鳥たちにより、ブッポウソウが繁殖するまでにはいたっていなかった。

    ブッポウソウをよびたいという気持ちもわかります。でも僕はこの場所で飛ぶチョウゲンボウが大好きでした。
    好きな鳥、珍しい鳥は手厚く保護、僕にとってはスズメもカラスもチョウゲンボウもブッポウソウ同じ野鳥なんです
    がね、念押しですが、野鳥の会の考え全ては否定しません(笑)

    • gaku より:

      ボクは、巣の写真をどんどん撮影しているから洗脳されたあそこの「会員」には嫌われています。

  4. ふよう より:

    野鳥の会の活動を否定はしませんが、亡き義父が脱会したわけが、ぼんやりと見えてきました。

    • gaku より:

      ボクも、18~22歳まで会員でしたが、意味を見出せずに脱会いたしました。以来、そのような会には一切参加しないようにしています。

  5. 野鳥の会信者ではりません より:

    初めての訪問で書き込みです。
    宮崎さんの写真はアニマの頃から大好きで、写真集も『鷲と鷹』から数冊購入しています。野生動物の写真家が土門拳賞を取った時には、とても喜びました。

    さて、
    宮崎さんだから巣の写真は許されと思っています。宮崎さんには、野生鳥獣に悪い影響をあたることなく撮影できるスキルを長年磨いてこられたからだと思います。天賦の才能も追従を許すものでもないと思います。ある意味、宮崎信者です。

    今後起こりうる影響の評価を難しくしている現状は、巣の撮影を禁じてきた野鳥の会にあるというよりも、科学行政、研究者側にあるのだと思います。つまり、成果至上主義で地道なデータの蓄積をしない研究者、その背景にある短期的な業績主義。と推察します。

    一般人が鳥の巣を撮影しだしたらどうなるでしょう。撮影人口に比すれば、インパクトがさほど大きいものとは思えませんが、個人の満足だけで写真を撮ることに私は反対です。巣での育雛の様子を見たければ、宮崎さんなどの写真集を見れば良い。もし、撮影するならばきちんと、意味ある形で公表することです。(呼び水になり、次から次へとアマチュアが撮影を始めると思うと怖いですが。)公表する技術を持ち合わせていない人は、撮影を控えたほうが良いと私は思います。

    • gaku より:

      「野鳥カメラマン」が激増中ですが、そんな連中と一緒にされたくないです。
      自分には、写真家として何を表現していくかといったしっかりしたポリシーがありますから。
      でも、キチンとできるヒトたちには、巣を通していろいろと問題提起できる写真を撮ってもらいたいと思います。それには、写真技術以外のところでの相当な力量を積んでもらいたいと思うのですが。。