輪かんじき

実に30年ぶりで、「輪かんじき」を履いた。
雪がそれほど多いというものだが、そうはいっても長野県の南部地域なので山野は積雪が70cmほど。
3mという長野県北部の積雪量ほどではないが、70cmでも林のなかは輪かんじきがなければ行動できない。
林床部の下生えが積雪に隙間をつくってしまうから足が潜ってしまい歩けないのだ。
まさに、輪かんじきがあってちょうどいいカンジ。
この輪かんじきを防寒靴の底に縛りつけて、森林のなかをがに股で歩く。
とにかく、歩きにくいことこのうえもないが、いい汗のかける運動ではある。

こうまでして輪かんじきを履かなければならなかったのは、モモンガの観察をしている無人撮影ロボットカメラのメンテナンスがあったからだ。
もうかれこれ一年になるが、森林にある1本の杉の木を無人カメラでずうっと定点撮影している。
そのメンテナンスに、月に一度だけ訪れているのだが、今冬は1月の後半になってかなりの積雪量となってしまったのでタイミングの悪い山行となってしまった次第。
それでも、メンテナンスを休むわけにはいかないので、こうして大雪でも出向いたのだ。

まあ、出かけてみればそれなりの収穫があるから楽しい。
まさに、どんなに時間がかかっても、一つの発見があればそれだけで満足だからである。
今回も、無人カメラにはモモンガの冬期限定行動が膨大に集まっていた。
本州のモモンガの生態はまだほとんどわかってないので、とにかく映像をみれば発見の連続だからである。
こうして、無人撮影にひっかかる写真を分析することで、次の観察アイデアにもつながるからだ。
そのためには、まずは、「黙して語らない自然界」を探ることがオイラにとっては大切な仕事。
「輪かんじき」は、そのために必要だったのである。

写真:
1)モモンガが3匹、巣穴のまわりで遊んでいた。
2)手づくりの「輪かんじき」。
3)輪かんじきの足跡は、こんなカンジでついていく。
4)この林を登っていったが、左の2本のカラマツの幹には昨秋ツキノワグマが登った爪痕がみられた。

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輪かんじき への6件のコメント

  1. いち猟師 より:

    こんばんは。
    先日猟場にモモンガの亡骸が落ちていたのですが、首から臓物と本体の肉がキレイに抜かれて手足と飛膜&シッポは残っていました。
    多分猛禽が食ったと思うのですが、モモンガの活動時間帯からして、フクロウはその様な食い方をするのでしょうか?
    大きければそのままエリマキに出来る位見事な抜きっぷりでした。
    他にキズも無かったので未だに謎です。
    どうなのでしょう?

  2. gaku より:

    「モモンガの亡骸」いいものを見つけましたね!
    やはり、こういう発見はフィールドをやってなければできないこと、です。
    様子からして、フクロウかもしれません。
    モモンガは、夜行性と言われていますが昼間もかなり活動しています。
    もちろん、夜間のほうが活発ですが、活発すぎて見つけにくいこともあります。

  3. C-NA より:

    時が止まったかのような真冬の森でも様々な動きがあるものですね。
    輪かんじき、便利そうですね。
    平野にたまーに雪が積もるととたんに外出がおっくうになりますが山の中ならこんな風に歩いてみたいです。

    • gaku より:

      >時が止まったかのような真冬の森でも様々な動きがあるものですね。
      そうなんですよ、森に冬だけの動きがひっそりとあることを発見するだけで、うれしくなってしまいます。
      モモンガも、夏にはこんな動きをしません。
      夏には夏だけの、これまた特殊な動きがあるからです。
      これだから、自然界は面白いのです。

  4. oikawa より:

    子供のころ、母に悪い事すると、モモンガにさらわれると脅された事があります。
    モモンガは、そんな恐ろしい動物なのでしょうか?

    • gaku より:

      「モモンガにさらわれる…」
      全国的に言われてきているようですが、長野県では聞いたことありませんでした。
      そのくらい、近所の山のことを知っていたのかもしれません。
      少なくとも、ボクのおふくろは一度も言いませんでしたが。