天然記念物柴犬保存会展

東京で、「天然記念物柴犬保存会」の展覧会があったので見学に行ってきた。
天然記念物柴犬とは、「縄文犬」ともいわれ、縄文遺跡から発掘された日本犬の頭骨にほぼ一致する骨格をもつ犬たちだ。
いわゆる日本犬のルーツである縄文時代にいた犬たちが、ここにきて復元されたといってもいい。
そんな犬たちが全国からあつまるので、ほんとうの意味での日本犬を見てみたかったのである。

縄文時代には、現在の天然記念物柴犬保存会の犬とほぼ同じ大きさの小型犬がいた。
さらには、現在の紀州犬に通じるような若干大きな犬もいたらしい。
しかし、どちらも頭骨の形は同じ形態をしていた。
そんな犬たちだから、獲物の臭いを敏感に嗅ぐことができるように吻はキツネのように長く尖っていた。そし
て、額が広く、額段がほとんどなく、歯も大きくてしっかりしている。
これは、まさにニホンオオカミとも特徴が酷似しているのである。
そんな犬だから、骨格がしっかりしていれば、ほとんどが同じような体型をして顔貌も似ていた。
目は三角で奥に沈み、耳は音を拾いやすいようにやや前傾にあって、足のバネがしっかり発達しているのが特徴だ。
そこまで見ていくと、小さいながらも野生味があって、これなら日本の山野を太古の昔から駆けめぐっていたであろうことが想像できて惚れぼれしてしまった。

途中で、元国立科学博物館におられた小原巌さんの犬属の頭骨についての講義もあり、興味深かった。
シンリンオオカミやソウゲンオオカミ、ニホンオオカミの頭骨の特徴の説明から、縄文遺跡から出土してきた
頭骨と天然記念物柴犬保存会の犬との共通点、さらには日本犬の雑種の頭骨の特徴などを聞くことができて、一目瞭然に「縄文犬」というものが理解できた。
これらの犬を、全国でしっかり保存運動をしている人たちも大勢いることがわかってこれまた勇気をもらえたし感心もした。
縄文犬は、やはり日本が世界に誇れる日本の「犬」、だと思う。

写真:
1)柴犬でも、縄文犬はすでに顔貌が違っている。
2)展覧会での挨拶。
3)頭骨の特徴を説明する小原氏。
4)① ニホンオオカミの頭骨(レプリカ)をみると、かなり大きかったことがうかがえる。
  ② 北米のシンリンオオカミ
  ③ モンゴルのソウゲンオオカミ
  ④ シェパードの頭骨
  ⑤ 日本犬系の雑種の頭骨(額の角度が全然ちがっている)
  ⑥ 縄文犬の頭骨
  ⑦ 縄文犬の頭骨

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天然記念物柴犬保存会展 への2件のコメント

  1. oikawa より:

    この頃から、犬の育種がおこなわれていたのですね。植物では、バナナは、一番古い有用植物だったと何かのホンで読んだ気がします。3倍体の種無しを見つけそれを増やしたのだと思います。

    • gaku より:

      縄文時代は、ほんとうにイヌを大切にしていたみたいですね。
      丁寧に人間と一緒に葬られているような遺跡も見つかっている、そうな。