ホオジロの巣


(矢印のところに巣があった。)

先日、林道をバイクで走っていたら土手からホオジロが飛び出してきた。
そのホオジロは、道に降りて一瞬伸びをするように翼を広げて「偽傷」のしぐさをした。
この行動で、オイラはホオジロが抱卵中であることをすぐに悟った。

春いちばんに繁殖する一番巣を、ホオジロは地上につくることが多い。
しかし、この時期のホオジロは巣を覗かれるのを嫌う。
親鳥の行動で、巣があることは分かっても、わざわざ巣やタマゴを確認しようと近づいて覗き込んではいけないのだ。
ホオジロがそれを知ったときには、必ず巣を捨てるからである。
これは、子供の頃の幼児体験で捨てられたことがあるからオイラは知っているけれど、親鳥の飛び出しかたでバイクに乗っていても巣のありかが分かってしまうのも「幼児体験」があったからだ。
このような体験は、大人になっても一生忘れることはないから、直感力として感覚的に体にしみこんでいるのがオモシロイから、子供のころのいろんな体験は必要だと思っている。


(こうして、巣が暴かれていた。)

なので、このホオジロの巣は卵などの確認をしなかった。
しかし、その後もホオジロが無事に抱卵を続けていることは、何回もバイクで通りかかっていたから分かっていた。
ところが、昨日、そのホオジロの巣が暴かれていた。
卵が盗まれていた、のである。


(巣は、ぐちゃぐちゃ…。)

暴かれたようすからして、獣の仕業だった。
タヌキかキツネかテン…が、犯人なのである。
それは、ホオジロの巣が引きずり出されていて、ぐちゃぐちゃになっていたからだ。
これが、ヘビだったら、巣が壊されることはない。
元の場所に巣が残っていて、卵だけがなくなっているからだ。


(ナワバリを見張るホオジロのオス。)

まあ、残念だけれど仕方がない。
これが、自然界だからである。
自然界のあらゆる生物は、こうしたリスクの上で生きているからだ。
ホオジロも、二番巣は地上50cmくらいのところにつくるから親鳥が無事ならばすぐに巣を造りなおすであろう。
そのときは、ヘビのリスクはあっても獣には見つかりにくい。
こうして、巧みに自然界を泳ぎ渡るのが野生の「生命」であろう。
でないと、ホオジロだけが無事ならば自然界にはホオジロだらけとなってしまう。
食って食われて、うまくバランスがとれていくのが自然界の姿だからである。


(二番巣のホオジロの巣にヒナがいる。ホオジロは、巣材に人工物をまったく使わないのが珍しい。この習性は保守的…、なのか。なのに、二番巣、三番巣は人間が覗いても放棄しないのも不思議…。)

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ホオジロの巣 への2件のコメント

  1. oikawa より:

    そんな習性があるのは知りませんでした。
    先日、ハチドリが営巣しているのを見つけましたが、
    ハチドリは図々しいので、撮影ぐらいならOKです。
    でも、なるべく刺激は与えないよう見守りたいと思います。

    • gaku より:

      ホオジロに限らず、何種類かの野鳥にはそういった習性があるようですよ。
      ヘビとの関係もあるみたい、です。