塩化カルシウムとシカたち

この写真は、今朝(2012 7月3日)2時43分の写真である。
シカが、まさにケンカをしようとする寸前だ。

高速道路の橋の下には、相変わらずシカたちがやってきている。
ここの無人撮影ロボットカメラは、今年の1月から稼働しているが、4月以降これまで夏に向けてのほうがシカの出現率が高くなってきている。
ほぼ、毎晩ここに塩化カルシウムを舐めにきているからだ。

ここには、2頭だけしか写ってないが、一晩に10数頭がやってきていることはまちがいない。
それが、毎晩同じ個体なのか、数日置きにいろんな個体が入れ替わってきているのか定かではないが、感じとしては60~100頭ほどのシカたちがこの橋の下にやってきていると推定している。
とにかくおびただしい数のシカが、周辺の山野に潜み、ここの塩化カルシウムをサプリメントにして元気を出しているからだ。

この現場に、今朝行ってみて驚いた。
撮影場所でないところに、多数のシカたちが昨夜やってきて、土を掘るようにして塩化カルシウムを舐めて行った跡があった。
ほんとうは、この場所にカメラを設置したいのだが、ここは工事車両や釣り人、キャンパーなどの車がかなり頻繁に通るから調査ができないのである。
カメラが車の通行の妨げになるから、仕方なく稼働率の悪い場所でこの調査をしている。
しかし、稼働率が悪くてもこれだけのシカたちが連日のように撮影されていくのだから、やはり相当数のシカが潜んでいることだけは確かだ。

冬期間に散布された大量の「塩化カルシウム」が、土中に蓄積されて熟成され、それが夏のシカたちを元気づける。
雨が降り、その雨が土中から塩化カルシウムを吸引して地表に濃度の濃いところをつくる。
そこに、シカたちが集中する。

このような事実を発見し、発信している者は日本中でもオイラくらいしか、いないだろう。
自然界から送られてくるサインを読み、それを受け取り、撮影技術で事実を視覚言語化する。
これこそ、まさに「自然界の報道写真家」の仕事であろう。
この「報道写真家」の意味が分からないというヒトも多いようだが、そのようなヒトたちには人間社会に生きていることの意味すらも分かってないのではないか、と思う。
人間社会が分かり時代もわからないと、自然界そのものもわからないし人間の存在そのものもわからない、というものだ。

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塩化カルシウムとシカたち への2件のコメント

  1. oikawa より:

    塩類集積は、植物の生育にも大きく影響しますし、その観点からすると鹿は、土壌浄化に役立っているともいえますね。

    • gaku より:

      >その観点からすると鹿は、土壌浄化に役立っているともいえますね。

      このような発想でシカを見ていく生態学者なんていまの日本にはいないと思います。
      おっしゃるとおり、だと思います。
      シカは、「草食」だけに特別特化した動物だから、いろんな角度からのこの動物の存在を見届ける必要があると思います。
      ヒントをありがとうございました。