大豆を植えつけたまま、収穫されない田んぼが近所にあった。
大豆は収穫適期を終えているから、鞘がどんどん爆ぜて豆が飛び散りはじめている。
面積は1haほどの田んぼが、3枚。
大豆としてはかなりの量になるが、なぜ、収穫しないのだろうか?
転作奨励金を受け取っているのかもしれないが、このままの状態が続けば、いちばん喜ぶのがキジバトとドバトだ。
農業現場が野生の生命にこうしてかなり加担しているという事実をみつけると、「餌付け」という新たな意味合いが見えてくるからおもしろい。
長野県伊那谷にて。
GX8
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貧しい農家の次男に生まれて、農作業を手伝うのが当り前の子供時代でした。
花を作って売るとお金になると言う話も聞きましたが、食えないものを作るって無駄と思っていました。
土地が少ないので田圃の畔に大豆を植えていました。
2~3ヘクタールで作った大豆が無駄に野鳥の餌付けに使われ、
遺伝子組み換え大豆が豆腐に入ってくる不思議な国になりました。
この秋 田舎に帰省した折 軒下に乾燥のため立てかけてあった豆の木が程よく干しあがったのか
静かな時間の流れの中でパチッ♪パチッ♪ と爆ぜる音
とても心地よく余韻は今でも残っています
子供の頃 耳を澄ますと雪の降る音も聞いた気がします
この三枚の田圃から聞こえてくる豆の声は・・怒りにも寂しさにも聞こえますね
立ち枯れる大豆そのもののロスよりも、こういう、税金の使い方に、疑問を覚えます。
転作奨励金の是非は、この際、言わないとしても、収穫せずに立ち枯れさせても良い、というのは、農家の精神に、どういう影響を及ぼすのでしょうか?
昔、水俣湾の魚が水銀汚染されていた時、政府は、魚を買い上げては、処分していました。その時、漁師が、「捨てられると分かっている魚を獲って、それを買い上げてもらう。買って貰わねば、生活は出来ないが、なんとも複雑な心境だ。」と述懐していました。
そう言えば、今は、琵琶湖の漁師が、ブラックバスやブルーギルを獲っては、買い上げてもらっています。
作物をつくる土地があっても、作れず。
つくった作物は、それ相当な対価で買っても貰えず。
それでいて、食糧自給率は30%という我が国。
やっぱり天変地異でもおきれば、
生き残れる国民は江戸時代と同じ3000万人前後なのでしょう、ね。
生き残る生命の盛衰は、野生動物がほんとうによく教えてくれています。
昔読んだ、アメリカの小説の、あるくだり。
廃車の処分場で働いていると、なんと、新車がどんどん流れてくる。中には、作りかけで、未完成の新車まである。
「あれは何だ」と聞くと、
「補助金が出たから、もう、作る必要も無ければ、売る必要も無いんだ。つまらないこと考えてないで、さっさと潰せば、それでいいんだよ。」