死は次なる生命を支える


道路脇で、カラスがまた獲物をついばんでいた。
運転中に一瞬見えた獲物は、チョウゲンポウぽかった。
そっと通過して、200mほど離れた陸橋の上からまずこの撮影をして獲物の確認にいった。
なんと、獲物はキジの雌だった。
キジは足の蹴爪の成長具合から、今年生まれたばかりの若い個体とわかった。
死んでいた場所が、キジの普段の行動域からはかなりかけ離れているところだったから、
オオタカに追われて判断力を誤っているうちに車と衝突してしまったのだろうか。
カラスは、若いキジのいちばん美味しいササミ肉だけをほぼ食べつくしていた。
すでに腹いっぱいらしく、肉を近所の家のイチイの木の元に隠しはじめてもいた。
キジの死体をコンクリートの歩道の上に置いておくのも自然回帰に反するから、そっと近くの林の脇に移動してきた。
たぶん、カラスはその後をついばむことはないだろうが、そのうちにタヌキがキジを食べるかもしれない。
キジの羽毛は、来春にはエナガが子育てにつかう毛布にもなることだろう。
若いキジは死んだが、いろんな生物にわが身をふるまうことができたのではないか。
長野県伊那谷にて。
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死は次なる生命を支える への4件のコメント

  1. 灰色海豹 より:

    キジの雌は、うまく料理してあれば美味しいです。雄も食べたけど、パサついてました。
    コンクリから林へキジを移動させる、ってイイ話ですね。

  2. 小坊主 より:

    道路わきで干からびたのでは、キジも、浮かばれませんね。
    そう言えば、人間だけですね。
    自らの死を、他の生に、役立てないのは。

  3. 寒立馬 より:

    人間も昔は土葬だったので、土中の生き物の役に立ったり、窒素や燐の環境サイクルに役立っていましたが、現代では大量の重油で燃やすので、役に立つどころか地球温暖化の原因の一つにもなっていますね。

  4. 小坊主 より:

    少しの燃料で燃えるように、脂、備蓄中です、わたし。