ツキノワグマの捕獲檻


カニの絵が描かれた看板には、「サルに餌を与えないでください」と書かれている。
ここは中央アルプス山麓を切り開いたリンゴ園なので、奥は山。
本来棲んでいるサルやクマ、イノシシの庭先にリンゴ園をつくれば、野生動物が出てこないほうが不思議なのである。
機能してない電気柵やお仕置き放獣用のクマの檻を放置してあるし、この看板を見ただけでも、野生動物に対する真剣さが感じられないのはこのボクだけではないだろう。
ドラムカンのクマ捕獲檻は、人里に出現してきたクマを殺さず、学習させて、奥山へ放つことを目的としている。
こうした檻が3個、行政をこえて現在山中に放置されているところがある。
ツキノワグマが捕獲できないのか、それとも、捕獲したあと放置されているのか定かではないが、いずれも人目につくところに無造作に置かれている。
お仕置きされて再放獣されたツキノワグマは、人間にいじめられたいまわしい記憶も含めて放たれるから、人間に対する憎悪も同時に持ち合わせている。
すなわち「逆恨み」の気持ちもあるから、精神的には「手負い」なのである。
こうしたクマが、山菜取りとかハイカーを襲わないという確実な保証があるのだろうか。
中途半端な気持ちで再放獣するのなら、しないほうがいい。
確実にツキノワグマを射殺するか、それができないのなら何もしないほうがいいのである。
この写真の現場には関係者すべての「迷い」が、凝縮されている。
長野県伊那谷にて。
GX8

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