現金決済


南アルプス山麓の寒村に、山肉を扱う店がある。
代々続くこの店には、近隣の猟師たちがその日の獲物を売りにくる。
イノシシやクマ、シカが主な獲物だが、買い入れはいつも現金。
猟師は仲間と一緒に猟をやっているので、その日の収獲はその場で決済するならわし。
この時期の獲物は、肉質と脂が極上だという。
昔の肉屋は、毛皮などの需要もあったから値段もそこそこで買い入れていたらしい。
しかし、近年は肉だけしか売れないので、買入価格も下落傾向。
猟師はこの時期だけで「餅代」ができたというが、最近はさっぱり。
肉屋は現金がどんどんなくなるといい、猟師はもっと欲しいという顔をする。
イノシシやニホンジカが爆発的に増えて農作物の被害も深刻だが、それをコントロールする猟師のやる気を維持させる価格設定はもっと難しい。
そうして仕入れた獲物が肉屋の店先に転がっていた。
これは、極上のイノシシだという。
南アルプス山麓にて。
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現金決済 への2件のコメント

  1. 灰色海豹 より:

    こちらでは、日本人は魚を主に食べるという認識が強いのですが、信州はフランスに並ぶ肉食国ですね。
    パリでも猪やノロ、ウサギが肉屋にぶらさっがっています。モリバト、ヤマウズラ、マガモもポピュラーです。
    クマはほとんど絶滅状態なので、並びません。

  2. gaku より:

    熊も、どんどん入荷しているようです。
    今年は、イノシシより熊が獲れる…とか。