きわざねり


長野県木曽谷にある小さな村の民宿へ泊まった。
そこで、「きわざねり」という感動食品にであった。
もち米を「キハダ」の実汁で炊きあげたという保存食だ。
これが、びっくりするくらいに美味しかった。
キハダは胃腸薬の原料になっている樹木だけに、健康にも配慮した食物だ。
そのキハダの実を使っているから訛って「きわざ」となり、もち米の粘りが「ねり」となったのだろう。
木曽地方独特の冬の保存食らしく、はじめて食べたボクは感動してしまった。
その味は、キハダ独特の苦さと甘さが混在し、風味は洋菓子風で最高。
キハダの実は黒いから色は仕方ないにしても、もち米の食感がいいのである。
80歳になる民宿のおばあちゃんが一人でつくったのだという。
『 これをつくるには時間が必要なんだよ。
 丁寧にコネながら鍋に付きっきりでないと焦げついちゃうし…
 せっかくつくったんだけど家族の者は苦いといって誰も食べてくれないし…
 これをつくれるのは、家族でもワタシだけだ、よぅ。 』
あまりにも美味しかったのでお土産に分けてもらってきたが、すでに50cmもの雪に埋まった村をみてこのような保存食ができあがる意味も分かった。
便利な世の中になっても、冬は毎年やってくるし雪も降る。
このような食伝統は、絶やしてはいけないのだ。
長野県木曽谷にて。
GX

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きわざねり への7件のコメント

  1. 小坊主 より:

    ちょっと見、チャツネのようですね。
    キハダの実は知りませんが、実に美味そうです。
    肝臓にも、良いのかしらん?

  2. 北割H より:

    便利な世の中となっても故郷の味は大切にしたいです。木曽にはもう一つ独特の食べ物がありますよね「すんき漬け」ですが乳酸菌の作用により酸っぱめの味ですが花粉症などの予防に最近注目されてきたようです。

  3. てっちゃん より:

    北海道は、冬は生野菜が食べられなかったので、漬物や、飯寿司などの、保存食はたくさんあります。
    しかも寒いので、それほど塩分を多くしなくても、長期間保存できます。
    だから本州で作られている漬物は、塩辛すぎて口に合わないです・・・

  4. 小坊主 より:

    それでは、信州には、とても、住めません。
    長い冬は、辛いもの食べて、大酒飲んで。。

  5. gaku より:

    保存食を「珍味」という言葉で片付けてしまいがちですが、
    この言葉はよくありません。
    保存食は、それぞれの地域の自然環境と長年相談しながら出来上がってきた食文化なのです。

  6. てっちゃん より:

    それは、漬物に限った話でして、北海道ではやはり、塩辛いものを食べる事が多いし、しょう油もかけすぎるぐらい、掛けていると思いますよ。
    寒さでは、長野よりこちらの方が、上ですからね・・・酒飲まなくても、最低気温が-30℃になっても、ちゃんと生きていますよ!

  7. 粗忽鷲 より:

    樹木にも苦味にも興味津々!
    その土地だからこそできたもの・・・
    それを作り上げる人と時間が貴重ですね。