3日ほど前からカケスが数羽、むささび荘の庭にやってくるようになった。
そのうちの一羽が榊の木にとまった瞬間に、ハイタカが突っ込んできた。
そして、枝上でカケスを捕まえたかと思ったら、そのまま3mほど下にある雪の地上へ掴みおろして絞め続けた。
そこはまさに、ボクが撮影機材を置いたままの三脚の下だった。
カケスは捕まえられた瞬間から『ギャーギャーギャー…』と、断末魔の叫びをあげながらもがいていた。
その緊張した異様さに、仲間のカケスも近くにいたヤマガラやヒヨドリも一斉にフリージングしてしまった。
ハイタカにカケスはちょっと大きな獲物なので、捕獲が成功するかが心配だった。
しかし、ハイタカにはこの狩りを成就してもらいたかった。
そのためには、ボクが動いたりしてハイタカを驚かせないことだ。
部屋から窓越しに10mもない距離だから、そっと様子をみることにした。
ハイタカはカケスを10分ほど絞めつづけただろうか。
やがて、カケスも息が絶えた。
ハイタカは急所の処理をしてから、カケスを林の隅まで運んでいって食べていた。
曇るレンズを拭きながらガラス越しに写してみたが、見事なハイタカの成鳥だった。
厳冬期こそ猛禽類は生命の試練にさらされる。
このハイタカは、それを見事に乗り切っているようだ。
このぶんなら、まだしばらくむささび荘の庭をマークするだろう。
山小屋暮らしは、これだからやめられない。
長野県駒ケ根高原にて。
D2X
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僕もこの前、養殖池の側で、ハイタカがカケスに突進していくところを目撃しましたが、その時は狩りには成功しませんでした・・・
ハイタカにしては、大きすぎる獲物なので、無謀な事をするなあ~と、その時は思ったのですが、カケスみたいな大きな鳥でも、狩りが成功する事があるのですね!
そう言えばもっと大きな、エゾライチョウに突進していくところも見たことがあります、もちろんエゾライチョウには逃げられましたが・・・
記事を読んでるだけでも 鳥の息使いが感じられそうです。それとgaku先生が鼻の穴を広げて 一心に観察されている感じが見えます。
こういう風に冷静に対応できるのは、場を踏んでるからでしょうね。
画面の三脚が、ポイント高いです。
緊張感溢れる場面ですね~見ていてもこちらまでドキドキしてきます。
私は昨日塾での課題写真を夢中で撮っていた時ファインダーの片隅にキツネが現れ更にしばらくしてタヌキが横切っていきましたがまったく手も足も出ませんでした恥ずかしい話です。
タヌキやキツネが、前を横切るというのは、北割さんが、写真に夢中になっていて、殺気を出していなかったから、ですね。
まだまだ、このことについて書き足りないことはたくさんありますが、文章をなるべく少なくしたいので割愛しました。
ワシタカには、呼吸がありますので、そのことをわかっていれば対応できますよ。
もちろん、襲った瞬間にはPC作業中だったので、まず、部屋の電気を消しました。
それから、階下までいって、冷え込んでいるカメラを持ち出してきましたよ。
曇ったレンズと、ガラス窓を拭くのにも、ハイタカの呼吸を計りながらの行動でした。
ハイタカが、カケスの油断をどう突いたかも、書きたかったですが、それはそのうちに。