兵庫県の日本海側に面した小さな漁港。
ここで、キツネの大邸宅を見つけた。
なんとキツネは、港のすぐ脇にある砂山に巣を構えていた。
巣穴だけでも14個もあり、表玄関から裏口までつくってあった。とにかくその規模はまさに大家族で、かなり歴史のあるものだった。
港にはたくさんの漁船が泊まり、たえず人も出入りしている。
そんな道路を隔てた近場に堂々と巣を構えているのだから、キツネもなかなかの度胸だ。
もっともこのキツネは、大勢の人が港に出入りしていても「誰一人として巣穴に関心を示す者がいない」と、人間を観察したあげくに棲んでいるからである。
砂山だって、工事に使うために積み上げて何年も放置状態にあるものだ。
そこにちゃっかり大邸宅を構えるのだから、キツネのほうが人間より一枚も、二枚も、上手なのである。
そうして安心しきっているキツネの巣をボクがいとも簡単に見破ってしまったのだから、それを知ればキツネもショックを受けることだろう。
だが、巣穴を覗きにきたボクの体臭を嗅いで、この港近辺に住んでいる人間のものではないと判断するから、少しは安堵するにちがいない。
それにしても、いいキツネの巣だった。
こういう巣穴こそ、丁寧に時間をかけて観察していけば、いろいろなことが分かるハズである。
もっとも、こういうところに巣くうキツネだから、キツネの心理状態まで迫った複眼発想のできる観察者でないと「観察」は無理だ。
キツネを「観察している者がいる」と、キツネに悟られた時点で、このキツネ家族は大邸宅を捨てて引っ越してしまうからである。
山陰海岸にて。
D2X シグマ28-70mm
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おおっ!
まさに大邸宅ですね。
人間を観察しながら生活している新興住宅型キツネは本当にあなどれません。
僕の観察している巣穴近辺では、食痕や糞は確認しているのですが、なかなか姿を見ることができません。
きっとどこかでこちらを観察しているのでしょうね。
>キツネの心理状態まで迫った複眼発想のできる観察者でないと「観察」は無理だ。
勉強します。(汗)