青春漂流 3


皆で食事中に、立花隆さんが
『タラの芽がそろそろだから食べたいねぇー』と、いった。
それを聞いて、みなが「ウン ウン」と、うなずいた。
それを見ていて、ボクは
『いまどき、タラの芽を美味しいなんていっているのは時代遅れ…だ』と、心の中で思っていた。
そうしたら、
京都から来ていた染織家の冨田潤さんが、ボクと同じことを皆の前で口に出したのだった。
全員が、
「・・・・・・・・・・・・・ ?」
その雰囲気をみて、ボクが冨田さんにすかさず
『コシアブラだよ、ね』と、いった。
冨田さんは、ニコっと笑って、
『そうだ、そうだ…』と、コシアブラ仲間がいたことに安堵した表情になった。
『コシアブラって、どんなものなんだ』
『どんな、木なんだ』
『どんな、味なんだ…』
これだけは食べてみないと分からない。
食に関しては、全員が旺盛で好奇心に燃えているから、結果的に、ボクが何人かに送ることになった。
コシアブラは、個性の強い山菜だけに結果がどうなるか心配だ。
しかし、何人かは、その個性にハマることだろう。
食に対する文化は、こうして広がっていくのだろうなと、ボクはそのとき思った。
コシアブラはあるところにいけばどっさり生えている雑木だから、スギやヒノキの人工林ばかりにしてしまっている現代人の自然観を見直すきっかけにでもなればいいと考えた。
こうしたちょっとしたきっかけから、周囲の自然をみる目が変わればいいと思っている。
とくに、胃袋で感じる自然観は必要なことだからである。
ちょうど食べごろのコシアブラの芽。
伊那谷にて。
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青春漂流 3 への6件のコメント

  1. 小坊主 より:

    コシアブラ、狙っていたのですが、少し、早かったみたいです。

  2. ニキ より:

    タラの芽は時代遅れですか、ちょっとひどい言い方のようにも思いますが、流行遅れの意味でしょうか、それとも「月並み」という意味? しかし、タラの芽だって山菜として十分美味しいのに。
    ここ何年も天然物は食べていませんが、スーパーにある薄味のは何度か食べました。 いずれまた天然物も食べてみたいと思っています。 できればコシアブラも。

  3. てっちゃん より:

    タラノ芽は、癖がなくて美味しいですが、確かに味があまりしないですよね・・・
    我が家では、タラノ芽よりも、ウドの葉っぱを天ぷらにしたものの方が評判が良いです、見た目はタラ芽と、あまり変わらないですが・・・

  4. masa より:

    塾長のこの記事のように
    言える食材って、自分や地元にあるかなあ、、、?
    って考え込んでしまいました。
    ワカメのねかぶもポピュラーだし、
    カジメかアカモクか、館山のウツボか
    ハコフグの丸焼きか、、、?

  5. gaku より:

    タラの芽を、鳥取県の日本海岸線で、どっさり見つけました。
    でも、でも、ゼンゼン美味くなかったです。
    コシアブラも、丹後半島の海岸線でたくさん見つけました。
    さらには、岩手県は宮古市の海岸線でも、コシアブラがどっさり。
    でも、地元の人たちが食しているとは、思えませんでした。
    それは、信州のように標高が高くて、朝晩の気温差があるところの山菜は、その味にコクが加わっているから味に違いがあるのです。
    自然とは、それぞれの地域で、自らが発見して食べたり、愛でたり、することってとても大切だと思います。
    ニキさんには、失礼に聞こえてしまったかも知れませんが、ボクにとっては、タラの芽は「月並み」なんです。
    でも、タラの芽は7月まで天ぷらで食べられることを知っている人は、信州人で

  6. gaku より:

    も、少ないと思います。
    ウドも、7月までは、とても美味しくいただけます。
    こういうことって、自然とどれだけ密度濃くつきあっているかというところで発見があると思います。
    ボクは、そうした究極な発見を楽しんでいますので、
    ときには過激な発言に聞こえるかもしれませんが、そのところはどうぞお許しを。