食の文化 「ノビルとアサツキの味」


東京からの帰途、あまりにも天気がよかったので山梨県の甲府市で途中下車をしてしまった。
笛吹川のほとりで、ぼんやりしていたら、堤防でせっせと山菜取りをしているおじさんに出会った。
おじさんは、堤防の土手に生える「ノビル」を掘っていた。
ノビルとは、ネギの仲間で好きな人にはたまらない春の山菜だ。
しかし、ボクはノビルより、近縁の「アサツキ」が好きだ。
アサツキは、ノビルよりも淡白で、球根を生のまま味噌をつけて齧るのが美味しい。
でも、ノビルは、ちょっと味がきつすぎて、生で食べることは難しい。
だが、両者の醤油漬けは、酒の当てになるから、これはいけるが、ノビルは漬かるのに時間がかかるしちょっと青臭いところがある。
そんな理由で、両者を比べると、ボクはアサツキに軍配をあげる。
g  『おじさん、ノビル採って、何にするの…?』
お  『いや、醤油漬けで食べルン、さ。』
g  『だったら、アサツキのほうが、絶対に美味い、よ。』
お  『アサツキって、何だ、ねぇ。』
g  『アサツキっていうのは、万能ネギのような形で、もっと細くて、ノビルのように生えている、よ。』
お  『知らんなぁー、はじめて聞くなぁー。』
おじさんの車は、静岡ナンバーの軽自動車だった。
静岡から山梨県まで、ノビルを採りにきていたのだった。
まさに、ノビルを食べるために、執念のような気がした。
アサツキのことを、ボクに出会ってはじめて知ったらしいから、ひょっとしたらこのあと「アサツキ」を真剣に勉強しはじめるのかもしれない。
食文化とは、こうして、少しずつ発見があって体験も加わって、広がっていくのだろう。
おじさんとは、土手でそれだけの会話だったが、ボクはあとになって、アサツキのこと教える必要もなかったような気がした。
でも、山菜こそ、知らない世界を教えられるとうれしくなるものだから、これでよいのかなぁー、とも思った。
山梨県笛吹川にて。
D200 シグマ17-70mmマクロ

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食の文化 「ノビルとアサツキの味」 への2件のコメント

  1. ニキ より:

     たびたびですが、ノビルとアサツキとでは味がかなり違うと思うから。 味は、ノビルはニラに似て、アサツキはネギに近い、じゃなかったですか。 ノビルは江戸川の土手にも割とあります。 しかし、山菜のアサツキは知らなかった。
     アサツキは飲み屋の冷奴にふりかけて出てきた記憶もありますが、ちょっと不確か。 八百屋のアサツキは青ネギの若葉である、場合もあるそうです。 が、本物の場合もあるでしょう。
     山菜のアサツキと八百屋のアサツキは別物なのでしょう。 しかし、山菜のアサツキも古くからの栽培品が野生化した、との説が強いようです。
     つまり、アサツキは野草ではない。 野草図鑑には載ってませんし。 野草じゃなくても山菜ではある。 山菜の定義は曖昧なのでしょう。
     インターネットで調べる

  2. ニキ より:

     インターネットで調べると諸説あり、上記と違う見解もあるようです。 このあたりあまりこだわらない方が良いかもしれません。
     また、アサツキに似たワケギもありますが、こちらは完全に栽培品で、外国原産だそうです。 ちょっと長くなりましたが、食としての野菜や山菜に感心ありますので。