間違いだらけの自然観 2 「風力発電と自然環境」


風力発電が、クリーエネルギーということで注目を集めている。
伊那谷でも、ある大手商社が南アルプス山麓の尾根筋に30基ばかりの建設計画を打ち出した。
ここの現地調査をして、さっそく反対を打ち出したのが日本野鳥の会○那支部だった。
現地で探鳥会を開き、風力発電についてのコメントが地元紙に載っていた。
『景観が悪くなる…』
『建設予定地をオオタカが飛翔したから、いつまでもオオタカの見られる風景であってほしい…』
『プロペラに野鳥が巻き込まれて、死ぬのがかわいそう…』
今日の時代を生きている人間が、野鳥だけを単眼でみてしまうとこのような意見になってしまうのだろう。
このような人たちに限って、高台から伊那谷の夜景を見ると、『わぁー キレイ。100万ドルの夜景だね。』などというに違いない。
伊那谷といえども、年々夜景は明るくなり、電気エネルギーをいかに節操なく使い続けているかがわかる。
これらの明かりが誘蛾灯となり、野鳥の餌となるべくたくさんの昆虫たちの生命を奪っていることに、気づかないでいる。
このことはすでに、
「明るい夜」=(偕成社)でボクは指摘しているが、昆虫食のヨタカが激減してしまったことから「光害」を考えてつくった本だ。
風力発電がダメで、原子力や火力ならいい、という問題でもない。
電気エネルギーの使い方を考えながら、現代社会をどう生き抜いていくかということを説明していくのが環境運動なのではないか。
今世紀最大の事故といわれているチェルノブイリ原発事故。
あれから今年で、20年が経た。
事故後10年めに、原子炉を覆う屋根に樹木が生えそこに野鳥が巣を架けたと聞いて、ボクはたった一人で現地へ飛んだ。
この事実が環境を語るには実にオモシロイと思ったから、20日間も事故現場周辺を調査しまくった。
見て、触って、舐めてみても分からない不気味な放射能の脅威におびえながら、
現地で数々の現実を肌身で感じ現代エネルギーを考えてみると、風力発電なんて可愛いものだ。
安全パイのところへ身をおいて、うわべだけの環境問題を語り、そうした小さなモノサシでの発言を地元紙が取りあげて報道していくことの間違い。
何も知らない多くの市民は、こうした報道でさらに盲目となっていく。
地域新聞の記者こそ、確かな目で地域を見つめられなければならない責任は重い。
愛知県田原市の風力発電とカワウ。
D200 シグマ120-300mmF2,8

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間違いだらけの自然観 2 「風力発電と自然環境」 への6件のコメント

  1. 放射能の放出が始まりました。

    4月28日金曜日、六ヶ所核再処理場の約3キロメートル沖にある排出口から、海へ放射能廃液約600トンが排出されました。この放射能は三陸沿岸を流れる南下流によって私たちの…

  2. mako より:

    gakuさん、はじめまして!
    ブログ、いつも楽しく拝見しております。
    gakuさんの仰るとおり、原子力発電所が立ち並ぶ日本よりも、風力発電所の風車が山々に立ち並ぶほうが美しいと思えるようになって来ました。
    先日、青森の六ヶ所核再処理場から放射能が流されました。これから数十年にわたって原子力発電所一年分の放射能を含む廃液を一日で流す恐ろしい工場が本格稼動の準備に入っています。このように重大な事がメディアで報じられないのはこの問題の複雑な一面を物語っているように思えます。殆どの人がこの事を知らず、また、知っていても触れられない国策の傘の下にあります。私はこのことに強く反対し地元でも小規模ながら周知活動をしていますが、正直な話難しいのが現実です。もしよろしければご一読いただ

  3. gaku より:

    mako さん、はじめまして。
    HP拝見しました。
    いろいろと難しい問題ですが、そのちょっと前に現代という文明に生きている私たちの生活の一部を見つめなおしてみるという生活があれば、みんな安心できるのではないかと思います。
    そのためにもボクは、チェルノブイリまで自前のお金で視察にいってきました。
    その経験を活かしながら、自分の人生で少しずつ「現代社会」に生きる人間を見つめていきたいと思っています。

  4. 半阿弥 より:

    皆様はじめまして。
    商社がなぜ風力発電に熱心なのかと不思議に思われる方もいるかもしれませんがそれは排出権の確保のためではないかと思われます。
    丸紅、韓国風力発電で排出権(日経ネット)
    http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20060422AT1D2101B21042006.html
    排出権とは(環境goo)
    http://eco.goo.ne.jp/word/ecoword/E00573.html
    今や排出権取引は新たなビジネスチャンスとして注目されているようです。
    排出権ビジネス(丸紅株式会社)
    http://www.marubeni.co.jp/useful/word/26.html
    京都議定書と排出権取引(みずほ情報総研)
    http://www.mizuho-ir.co.jp/kikou/haisyutsuken041019.html
    下記サイトによると、今年から日本政府も民間企業から排出権を買う必要があるそうです。
    温室効果ガス 排出権取引広がる(YOMIURI ONLINE)
    http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/special/47/naruhodo236.

  5. 半阿弥 より:

    誰かがCO2を抑制すれば、その分を別の誰かが排出できる。
    「それで地球が丸く収まればええじゃないか」という発想自体はまあ、やむおえないとするとしても、それに伴って大金が動いて儲ける人たちがいると思うと、ちょっと釈然としない気分になるのは、所詮、今の市場経済万能社会について行けない、落ちこぼれ人間のぼやきに過ぎないのかもしれません。
    もちろん、クリーンで燃料いらずの風力発電は理想的なエネルギー利用法ではありますが、出力変動が大きいという欠点もあり、それが常時安定した電力を供給しなければならない電力会社にとっては大きなネックになっているようです。
    風力発電の系統連系可能量について(四国電力)
    http://www.yonden.co.jp/business/furyoku/page_03.html
    風力発電をご計画のみなさまへ(東

  6. gaku より:

    半阿弥さん、はじめまして。
    いろいろ教えてくださって、ありがとうございます。
    こういうことになっていたのですか?
    …驚きました。
    これからの人類の参考のためにも、
    自然界の報道写真家として、ますます今の時代を記録しておかなければならないと思っています。
    こんごとも、どうぞよろしくお願いいたします。