忙しくてもツキノワグマのフィールドへは、ほぼ毎日でかけている。
林に入れば、むわーんとツキノワグマの体臭が臭ってくるし、真新しい糞にも出会う。
無人撮影カメラのデータからでも、かなり頻々とツキノワグマが出歩いていることは、分かっている。
だから、どこにいてもおかしくないから、慎重にならざるをえない。
5歩進んでは、周囲を見渡し。
ちょっとでも死角となるところでは、甲高くて大きな声をだしてボクの存在を伝えている。
ツキノワグマには出会いたいけれど、5m以内という至近距離では遠慮したい。
フィールドには、丸腰で出かけているが、ときには「山鎌」をもつこともある。
最悪の結果となって戦わなければならないときは、この山鎌で応戦するしかない、と思っているからだ。
外国製品のクマ避けスプレーがあるが、これは「お仕置き」に使っているから、それを持ち歩くわけにはいかない。
わずかな臭いでも、スプレーを体験したことのあるクマなら、持っているだけで逆上しないともかぎらない、からだ。
このためにも、フィールドでは糞に出会えば、膝まづき寝転がったりしてじっくり撮影をしながら、ボクの体臭を地面にすりつける。
もちろん、小便もいたるところにやって、ツキノワグマにボクという臭いを覚えてもらうことにしている。
クマのフィールドにいけば、危害のない人間だということを自分自身でマーキングして、覚えてもらうしかないからだ。
こうしたちょっとした心遣いが、「山親父」と付き合うには、必要だと思っている。
写真:ツキノワグマには使いたくないし、使ったこともないが、ボクの山鎌は年季がはいっている。
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「山でクマに遭う方法」って本がありました。そして「クマに遭いたくない人にも」とサブタイトル。確かにこの二つは表裏一体。色々書いてあったけど買わなんだ。あとクマ避けの鈴はヒグマには有効だがツキノワグマは興味を持ってかえって近づいてくると、何かで読んだ記憶もあります。このへん諸説あるし、地域や固体によって一概には云えないのかもしれず、やはりクマは謎だらけ。私のエリアは伊那谷だから、gakuさんの実戦レポートが一番参考になるわけです、クマに遭うためにも。万一ガンで余命いくばくもない、なんてことになったら、管だらけで死ぬよりクマに遭いに行こう。