間違いだらけの自然観 11 『ツキノワグマの人身事故死』


長野県でつい最近、ツキノワグマに襲われて死者がでた。
志賀高原でネマガリダケのタケノコを採っていた52歳になる男性が、親子グマに遭遇して、襲われたのだ。
男性は、現場付近にたびたびタケノコ採りに出かけていたらしいが、クマとの遭遇を避けるために携帯ラジオをかけながら山菜採りをしていたらしい。
しかし、それでも、ツキノワグマに襲われて死亡したのだから、お気の毒である。死亡原因は出血多量だから、ツキノワグマの牙ないしは太くて鋭い爪で動脈にダメージを受けたのだろう。
男性が翌日になっても帰宅しなかったので、捜索隊がでて被害者を発見したのだった。
そのときに、襲ったツキノワグマがまだ現場にいたというのだから、これも不思議な行動でもある。
最近のツキノワグマの行動をみていると、トラックの轟音のする高速道路脇へも平気で出てきているから、笛や鈴やラジオでは驚かないクマが出現しているとボクは言いつづけてきた。
これは、新人類ならぬ「新ツキノワグマ」だからである。
こうしたクマが次々に世代交代をしながら人間社会の動きを学習していくから、人の近くでも平気に出現して、人を恐れなくなってきているのである。
ボクは、そんなツキノワグマの動きを探るために、里の山に無人撮影ロボットカメラを仕掛けて1年になる。
そのカメラに写されていくツキノワグマを分析してみると、想像以上にたくさんの個体が出没していることがわかった。
それも、大小にかかわらず、車道のほんの20mほどのところを平気で歩いているからである。
そのくらい、ツキノワグマは身近であり、近所の山野には普通に出現しているものだと思っていいのである。
だから、山菜採りなどの入山者はツキノワグマの庭へ出かけているのだという自覚が必要になってくる。そして、ツキノワグマは本来は人間を避けて行動しているものだが、彼らの逃げ場をふさげば襲ってくることを承知したうえで、私たちも行動しなければならないからだ。
こうした意識でボクはいつも山野へでかけているが、なかなかツキノワグマに出会えない。だから、つい油断してしまうが、近距離でツキノワグマに出会ったときには本気で戦うつもりでいる。自然界と付きあうには、そのくらいの覚悟がないとできないからである。
写真:赤い矢印の枯れ枝先までは、地上75cm。
    ボクの体重65kgだから、このツキノワグマは100kgを優に超えている。
   耳、頭、眼、鼻、腕の太さ、手のひらの大きさ、どのパーツをみても人間よりはるかに鋭敏な能力と力を感じざるをえない。
    しかし、このクマの顔つきはおだやかだ。
シグマSD9 シグマ28-105mm

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間違いだらけの自然観 11 『ツキノワグマの人身事故死』 への2件のコメント

  1. たじまもり より:

    つい先日、私も駐車場から20m先で熊を目撃しました。思った以上に小さな体だったこと、とても臆病だったこと、動きは非常に俊敏だったこと、余計な物音を立てないこと、短い遭遇時間の中で感じ取った熊の生の姿でした。

  2. モモンガ より:

    えーっっ、、たじまもりさん、そうだったんですか。
    車の中からなら冷静に観察できますね。
    「臆病」「俊敏」「物音をたてない」
    この3つは、そのまま 「人間との出会い頭遭遇—>クマが猛獣に変身」の要因なんですね。