モミジイチゴは山のデザート


仕事場から歩いて10分ほどのところに、スキー場がある。
冬はにぎやかなスキー場も、この季節は誰も訪れることがなくひっそりとしている。
そのスキー場のリフトの下には、モミジイチゴが群生している。そして、いまが実りの最盛期を迎えている。
モミジイチゴの実はナマで食べても美味しいし、イチゴ酒をつくっても、いける。
だから、この季節になるとボクは少しだけ頂きにでかけるが、この実をツキノワグマも狙っていることはわかっている。
2本あるリフトの間に挟まれた林にはツキノワグマが常駐しており、ここからイチゴ狩りにでかけてきているからだ。
そんなツキノワグマとの出会いを期待しながら、先ほどでかけてみた。
ツキノワグマご本尊には出会えなかったが、今しがたまでモミジイチゴを食べていたであろう現場があった。
棘だらけの1m以上もあるモミジイチゴの枝がなぎ倒され、あきらかにここでツキノワグマが食事をしていた痕跡だ。
それも、枝の折れぐあいから数時間以内という新しさ。
まだ、かぎりなく近所にいる気配を感じたので、ボクは帽子に少しだけ摘んでそそくさと帰ってきた。
クマのレストランを荒らしてはいけないので、ツキノワグマには「少しだけ分けてください…」といいながら、摘んできた。
スキー場は人間が開発した場所だから、モミジイチゴもよろこんで自生してくる。
林を切り開けば日当たりがよくなり乾燥してくるから、このような場所には必ずモミジイチゴが大群生する。
そうした環境を人間がつくってあげれば、日光→乾燥→植物→食→野生動物…といった植物や動物が生きることの条件である「環」から「境」を追ってみると、自然界が見えてくるからだ。
そして、ツキノワグマの動きまでも予測できるから、おもしろい。
GX

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モミジイチゴは山のデザート への4件のコメント

  1. C-NA より:

    美味しそうですね。今年は木イチゴ類の成りが良いのか
    クサイチゴの頃には食べながら歩いてまだ袋にいっぱい摘めたのでジャムにしました。山のごちそうは熊さんたち動物にも残しておかなくてはなりませんね。
    冬イチゴの季節にも食べた後がたくさん見られました。
    私たち人間の方がじゃましているということですね。気をつけます。

  2. 北割H  より:

    先日、茶臼山へ出かけた時「マント群落」の看板がありました。 
    人間が壊した林がゆっくり・ゆっくりと復元するでしょうか?
    マント群落・・・森林の破壊跡に二次林が成長する時に周辺部の日当たりにつる性木木が繁茂してマント群落と○○(不明)があります。すると林内は横からの光もしゃ断され暗くなり多湿を増すので陰樹が成長し易くなり原植生への復元が早まります

  3. オーロラ より:

    橙色のこの木いちごのことを、子どもの頃、山梨の田舎では「クマイチゴ」と呼んでいました。やっぱりクマの好物だったんですね。
    帽子に摘んで来たという、この『山のデザート』の写真、まるで宝石のようですね。

  4. amitake より:

    先日の蛍オフの前に、むささび荘の上でモミジイチゴを見ました。
    地元のご夫婦がタッパーいっぱい採っていましたが、
    横で少しだけお裾分けを頂きました。
    子供の頃を思い出すなつかしい味。それ以上に大変美味しかった。
    でも、一人だったら熊に餌泥棒と思われて襲われたかも。