「死」を考える…

20170914 【昔の写真が出てきますシリーズ 16 】

「死」の写真集を出版したのは、1994年。
この4年前にはすでに撮影が終了していたから、自分のテーマとしては30年も昔のことになる。
このようなテーマで撮影するキッカケにはさまざまあるが、現代人が自然に対して大きな忘れものをしていることに気づいてもらうため、だった。
死後は妊娠期間とほぼ同じ時間で土に還っていくという自然界のルールがあり、そのプロセスに細菌も含めてあらゆる生物の登場が隠されていることを写真家として視覚言語で伝えたかったからだ。
いわゆる「九相図」を人間でなく動物にモデルになって語ってもらっただけのこと…。

当時、これを発表したら自然を美化賛美しているだけのネイチャーフォトカメラマンやファンは一斉にオイラの元から逃げ出していった。
それでよかったのだけれど30年経ったいまごろになっても、この死のテーマに出会って慌てる人たちを見るのは滑稽だ。
今年のように「ノロウイルス」やら「貝毒」やら「0157」…などの出現にうろたえる現代社会にとんでもヒントのあるテーマなのだけれど、「死」をきちんと理解するにはまだまだ時間がかかりそうな気がする。
まさに、腐らない写真で時代を撃ちつづけることの面白さに、オイラはひとりほくそ笑んでいる。
・・・「死は次なる生命をささえる」。

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