散歩道でツキノワグマが人を襲う… 4


この一週間、猛烈な忙しさが続いた。
校正やら来客やら、出版企画、連載原稿など本来の仕事にくわえて、ツキノワグマの出現が続いたからだ。
とにかく、近隣市町村を含めていたるところからツキノワグマの出現情報が届いてきた。
そうした情報があるたびに現地へ飛び、実際に自分の目で確認をとるという作業をしていたからだ。
ある町では8頭の捕獲情報が飛び込んでくるし、リンゴ園への出現などもあった。
それ以外にも、ボクがちょっと歩けばいたるところにツキノワグマの出現痕跡もみられ、そんなところを観察していればあっという間に半日がお終いになってしまうからでもある。
その調査中に、
『昨夜は、家のプルーンを食べていった、に!』と思いがあけないナマ情報まで飛び込んできた。
散歩道どころか、ほんの庭先にツキノワグマがやってきていたのである。
プルーンの実は、大人の親指の先くらいの大きさ。
その実に72歳になるおじいさんが、一粒ずつ丁寧に小さな袋をかぶせてあった。
4mほどの2本の木に、2000個以上が実っていた。
袋かけの手間だけでも大変なのに、その木に熊が登って、枝をへし折り尻に敷きながら「クマ棚」をつくって、食べていったのである。
袋の内部で青くて熟していないプルーンは食べずに捨て、熟しているものは袋からしごきだして食べていた。
そうした食事あとの白い袋がプルーンの木の下に、雪が降ったように散っていた。

農家のおじいさんは、怒りを通り越したのか飄々としていたのが印象的だった。
お 『ここには、よくクマがくるんじゃよ。
   猟師にお願いして、クマを捕まえてもらうことにしたけれど、とにかく最近はツキノワグマの出現が多いねぇー。 』
ここのおじいさんは、リンゴなど果樹栽培を長年やって生計を立ててきているからツキノワグマの出現は織り込み済みなのである。
庭先までやってくることも承知しているから、それなりに自然と付き合ってきたから淡々としているのだ。
こういう人には、ツキノワグマとの事故がないと思う。
ここにやってきたクマは、交通量の多い中央高速自動車道の橋下に「けもの道」をつくっていた。
人も車も、まったく警戒しない新タイプのツキノワグマである。
それでいて、捕獲檻に入らない賢いクマもいるのだから、野生動物も絶えず進化していると思っていい。
プルーン荒らしから5日たつが、クマはまだ捕獲されていない。
写真1:プルーンの樹頂に枝の座布団(クマ棚)ができている。
写真2:美味しい熟した実だけを食べていった。

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散歩道でツキノワグマが人を襲う… 4 への3件のコメント

  1. 小坊主 より:

    見れば、電気柵があるようですが、通電していなかったのでしょうか?
    それとも、厚い毛皮が、不導体になっているのでしょうか?

  2. ピッコロ より:

    農家の人の話を聞くとどうもツキノワグマは人間より一枚上手のようですね。
    何か対策を施してもすぐに抜け道を見つけるみたいですよ。

  3. gaku より:

    電気柵はサル対策に設置したものですが、現在は通電しないまま放置してます。
    こうした、ちょっとした油断が野生動物の侵入を許してしまうものです。
    そのくらい、人間も横着な動物なんですよ。だから、被害は永久に収まらないと思います。