散歩道でツキノワグマが人を襲う… 5


この遊歩道へのカメラ設置は、5月下旬からである。
それなのに、すでにツキノワグマは10個体くらい写されている。ときには2週間通らないこともあれば、一夜に3個体が通っていくこともある。
そして、9月にはいって親子グマがやってきた。
2頭の子供を連れた親子グマだが、母親は体重が70kgくらいだろうか。
子供は10kgくらい。
それでもまだ母乳を飲んでいるらしく、母親の乳首はふくらんでいた。
子供は遊びざかりで遊歩道のコンクリート偽木に登っていたが、母親は新しいものに対してはさかんにチェックをいれていた。
この写真も、天空にあるストロボをチェックしているところである。
そして、このあと、ストロボとカメラに爪をかけて明後日の方角にしてしまった。
親子の出現時間は、9月4日午前3時52分。
この3時間前には、ここを別個体のツキノワグマが通過していった。

折りしも5日の新聞に、長野県下での今年のツキノワグマ出現情報が出ていた。
内容は、「ドングリが凶作だからツキノワグマが里にでてくるから注意するように…」というものだった。
昨年は、ドングリが大豊作。
そして、今年は凶作…。
しかし、昨年も今年も、ボクのカメラに写されるツキノワグマの動きはまったく同じだ。
ドングリの豊凶作には関係のない動きを示している。
マスコミをはじめ一般通念として、ツキノワグマとドングリをあまりにもリンクしながら考えすぎてはいないだろうか?
この辺で、「ドングリ」とは切り離したツキノワグマの存在を考えてみることも必要だろう。
ドングリがないから食べ物がなくて「里」に出てきているのではなくて、ドングリに関係なくツキノワグマは里に棲んでいるのである。
そして、里だけでなくて、もっと山奥にもツキノワグマはちゃんと生息もしているのである。
それには、ツキノワグマは「ドングリ」だけを食べていると思い込んでいるフシがあるが、とにかく自然界の多種多様なものを食糧にしていることを忘れてはならない。
加えて、きちんとした密度調査がなされていないから、人間にとって都合のよい想像だけが一人歩きをしてしまって肯定論となっていくところがある。
写真上:子供を遊ばせながら、母は新しいものへのチェックを怠らない。なかなかにいらだっていることがこの動作からでもみてとれる。母親の乳首がかなり大きい。
写真下:壮年の元気印の個体であることがこの毛艶からでもよくわかる。

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散歩道でツキノワグマが人を襲う… 5 への4件のコメント

  1. 寒立馬 より:

    今年の熊の目撃情報は下北半島のむつ市で60件を超えています。毎日のように熊の目撃情報」が市のお知らせで放送されます。ツキノワグマの個体数が増えたのは喜ばしいことだとは思いますが、人間をこわがらない新世代熊が増えているのでしょうか。今年は確かに森でどんぐりがあまり実をつけていませんね。森にどんぐりがない→里に出る、という単純図式は再考の余地あり、ですか。熊が食べるヤマナシなどは実をつけています。

  2. 北割H より:

    >ストロボとカメラに爪をかけて明後日の方角にしてしまった
    臭いを覚えられていますよ~、お気を付けを!

  3. 土生 より:

    今年は、花の咲く時期に長雨が降り、ドングリに限らず木の実が不足している傾向です。
    クリも収量が落ちています。
    つまり、ドングリを指針として木の実全体のことを言っているのではないでしょうか。
    クマもイノシシも雑食なので、食べ物は木の実だけではないけれど
    ドングリが不作の年は、獲物に脂のノリが悪いことも事実です。
    脂は、越冬するために蓄えたエネルギーですよね。
    その不足分を木の実以外で補わなくてはいけないから、彼らも大変です。
    11~12月にかけて、獲物のお腹の内容物は、ドングリが中心です。
    ドングリが少ない年は、植物の繊維(木の根?)が多くなります。
    木の実が豊作なら、山は貯蔵庫となり、冬になってもたくさん落ちていて食べることができます。
    本当に影響がでてくるのはこれからの気がしています。
    ちなみに、ドングリが豊作の年は、脂のノリも質もいいですね。

  4. 熊大好き より:

    小生の師匠は毎週土日の熊観察を18年間続けています。http://www.yokotaworld.com/