ツキノワグマの激増は人間社会変化とリンクしている

20201001

「ツキノワグマ」は、スカベンジャー動物であることを忘れてはならない。

いわゆる自然界での掃除屋さん、なのである。

老いた野生動物は襲うし、死体があればそれらを食べてきれいに処理する動物として存在する。
もちろんツキノワグマは人類のはじまりころにはすでにツキノワグマの習性を宿しながら地球上に誕生して、今日まで生きてきているので、宗教のはじまる以前には土葬や放置人間を食って環境クリーニングもしてきていた。
イマドキ現代人は自然界に対して心地よい夢ばかりを求める傾向があるが、野生のあまねく生命のそれぞれには習性というものがあり、その生き方を尊重しなければならない。

猛烈に増えすぎたシカが生命をまっとうすれば、それらを食べて処理してくれる生物がいないと自然界に“腐敗菌”が発生して健康で必要とされる生命までも脅かす存在となる。そのようなことが起こらないためにも、「腐食物連鎖」というものを自然界はプログラムしている。そこにツキノワグマもしっかり組み込まれているからだ。

シカが何故に激増したのか?
人間社会のモータリゼーション変化で、冬期間の道路凍結防止に全国的に散布される「融雪剤=塩化カルシウム」が胆のうを持たないシカの健康管理を間接的にさせながら激増させてきた。
とにかく高速道路から国道、県道、市町村道、林道にいたるまで、融雪剤を冬期間に大量に撒きつづけて半世紀に近づきつつある。これは、人間社会が全国津々浦々にまでドラッグストアの支店を作りつづけて、シカにとってはとてもありがたい社会変化。そこで、ミネラル分が少しでも欲しくなればシカは道路脇に行って塩分濃度の高い「土」を舐めればよいのである。
こんなこと、人間社会でも戦国時代や江戸時代などに「敵に塩を送る」とか「塩の道」などをリテラシーすればすぐに分かること。
こうして増えたシカの生命プロセスのなかにツキノワグマが登場してくれば、時間差でツキノワグマも激増してくることが容易に判断できるのである。

ここに私たち人間も深く関わっていることに気づくことが大切で、「無意識間接的餌付け」を私たちがやってツキノワグマを間接連鎖で増やしているからだ。

増えたツキノワグマを「ドングリ」だけでしか語れないイマドキ現代人の想像力欠如にはあまりにも悲しいものがある。

母親に連れてこられた子グマたちにとって、動物の死体は「おふくろの味」として一生覚えていき、次世代にもつなげるのがツキノワグマという野生動物の生きる習性。
 

高速道路
高速道路の橋にはとくに大量の融雪剤が散布される。それらが解けて流れ落ちる土壌には数十年分の融雪剤が蓄積されているから、シカたちもちゃんと覚えていてめいめい多数が集まり今日に至っている。

猛烈に腐敗してウジだらけになってもツキノワグマはウジの踊り食いをする。その消化力と細菌などに対する解毒力をしっかり理解して自然界を目撃していくことが現代社会に求められるテーマではなかろう…か。
 

イマドキのシカたちはどれだけ融雪剤に健康管理されているのかということが、こうした足跡を観察するだけでも一目瞭然。
 
 
 
 
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