時代適応をいそぐカンムリワシ


西表島での取材を終えて連絡船に乗るために、知人の車で港へ送ってもらった。
15分ばかり時間があったから、ちょっと寄り道しようということでこんど新しくできる道路工事状況を見に行った。
現場に着いたら、なんと、そこにはカンムリワシの成鳥が迎えてくれたではないか。
カンムリワシは台風で幹が折れたモクマオウの枯れ木のてっぺんに、とまっていた。
まさに、工事現場のどまんなかである。
工事現場ではパワーショベルが土手をけずって、その土をダンプカーに載せていた。
重機の音が激しく響いているが、カンムリワシはまったく警戒もせずに枯れ木からショベルカーの動きをみつめていた。
カンムリワシのこの行動は、あきらかに餌をさがしていた。
そこまでわかって状況を察すると、このカンムリワシはパワーショベルが土を掘りだしたときに飛び出してくる「カエル」を待っていたのだ。
場合によっては、ダンプカーに積まれた土からもカエルが落ちてくることもあるだろう。
ダンプカーが目の前を走っても飛び立たないところをみれば、まさしくこのカンムリワシは工事現場で「餌」がもらえることを学習していたのだった。
それは、いつ餌にありつけるかわ分からないが、とにかく辛抱強く待ちつづけていたのだった。

天然記念物のカンムリワシが、こうして時代を生き抜こうとしている姿がボクには面白かった。
いや、それを「面白い」といってしまうと、
「自然状態で本来ならば餌を捕らなければならない湿地帯などが埋め立てられて少なくなってしまったから、こうして新しい方向へ脱皮せざるをえないのだ。」
と、自然愛護派からクレームをつけらるかもしれない。
それもごもっともだが、西表島も急速に文明変化に洗われているのだから、こうしたカンムリワシの存在が、ボクにはやっぱり面白いのである。

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時代適応をいそぐカンムリワシ への1件のコメント

  1. クワ より:

    フランスなどでは、トラクターが畑を耕しているとカモメ類が集まってきます。掘り起こされる虫が目当てのようです。
    ただし、彼らは定期的に行われる機会を狙って集団で来るのですから、単独で (短期間で臨機応変に?) 学習したカンムリワシの方が賢く見えます。