タヌキ夫婦愛の末に…


雌のタヌキが交通事故で死んでいた。
それを、カラスがついばんでいた。いちばん柔らかい肛門付近からすでに嘴をいれていた。
この現場では、ちょうど1ヶ月前にも同じく雄のタヌキが交通事故で死んでいた。その死体をボクは道路わきの土の上に移動しておいたが、翌日には現場から「死体」がなくなっていた。
タヌキやキツネなどのイヌ科動物は夫婦愛の絆が強いことはわかっている。
だから、よく夫婦で行動している姿を観察することがある。
そして、このようにどちらかが交通事故などで死ぬと、片割れが現場付近に毎晩やってきては悲しんでいる姿をみることも、ある。
1ヶ月前に路上で死んでいた雄タヌキを道路わきに移しておいたが、翌日にはその死体がなかった。だからボクは、それ以上の観察をしなかった。
しかし、雌タヌキが旦那の死体をさらに道路より奥へ引きずっていったから、ボクも探せなかったのである。
そのことに気づいたのは、この雌タヌキの死体を見てからだった。

旦那が死んだ現場に毎晩やってきていた「雌タヌキ」は、こんどは自分がだんなと同じ目に遭ってしまった。
交通量の多い道路を横断して人家付近まで生活圏を敷いているタヌキは、このような「事故」リスクも高い。
この現場付近ではたぶんこの夫婦タヌキが、周辺の実権をにぎっていたであろう。
その夫婦が1ヶ月ほどの間に相次いでいなくなったのだから、そのニッチにはすぐに別の「タヌキ夫婦」が埋めるにちがいない。
それが、自然界であって、こういうことは日々繰り返されていることなのである。
写真上:死んでいた雌タヌキ。
写真下:1ヶ月前とまったく同じ場所にタヌキは横たわっていたが、カーブしたこの道路を横断中に車にはねられたことがわかる。

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タヌキ夫婦愛の末に… への4件のコメント

  1. 花柄クジラ より:

    やっぱりタヌキも夫婦愛はあるのでしょうか?
    キツネもあるのではないか?といつも思っていたのですが、このように しっかり確信のもてるような観察してないです。
    死骸の傍で、うろたえて?いるような個体を見かけて、カッテに「夫婦愛」?と思って胸を熱くしていますが、ただ、肉を狙ってきていたのかも知れないし、私の場合はあやふやです。
    こんな事例を何例も観察して確信のもてるものになりますね。
    私も しっかり観察してみます。

  2. machan より:

    ハクチョウ(私が見たのはオオハクチョウ)はありますね。
    相方がなくなった晩はずっと近くで見守っていました。

  3. クワ より:

    北アフリカで見たコキンメフクロウは、轢殺された相方の近くの杭に長い間とまっていました。

  4. 何とも愁傷するべきむごい話であり、また一方で「別のタヌキ夫婦が埋めるにちがいない」という現実もむべなるかなと思われ、さらに「それが、自然界であって…」と書かれておられる行間に、宮崎さんの慈顔を垣間見た気がしました。 亡くなった夫婦には子供はなかったのでしょうか。