キツネ火


『ヒギャギャギャァーン ヒギャァーーン …』
昨夜、300mほど先の林で、キツネが啼いた。
いつ聞いても鳥肌がたって緊張する声だ。
ひょっとしたら「キツネ火」が見られるかもしれないと思って、暗闇に目を凝らしてみた。
しかし、それらしきものは見えなかった。
キツネ火は、ちろちろっと青白く見えるそうだ。
ときには、ほわわわーんと大きく見えることもあるそうだ。
これをぜひ見てみたいと思っているが、ボクはまだ一度も見たことがない。
一生に一度キツネ火を見られればよいだろう。そのくらい目撃するのは難しいらしい。
キツネ火を見た人にいわせると、交尾期を迎えたキツネがお互いにじゃれあうから、そのときに体同士が触れて静電気が起き「火」になって見えるのだという。
冬のこの時期にしか見えない現象だが、知人は南アルプスの山懐の村で子供の頃をすごし、そのときに3回ほど見たという。
キツネ火のことはおばあさんが知っていて、ギャギャーンと啼いたので孫の知人に見せてくれたのだという。
それは、ほんとうに神秘的で美しい光だったという。
もう、半世紀も前の話だが、今日のように夜の街は明るくはなかった時代。
現代社会の人家付近にもキツネは見事にはいりこんで生活しているが、鳴き声すら耳にする人も少ないだろう。
ましてや「キツネ火」のことなんて意識にないし、見ても関心も示さないにちがいない。
新月の夜だからこそボクは暗闇の林に目を凝らしたのだが、この宿題はまだまだこれからもずっと抱えていかなければならない。
写真:キツネは無人撮影カメラを学習して進路を変えることが多いが、ここは人家の裏庭だったので3年間にわたっていろんな素顔を見せてくれた。

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キツネ火 への1件のコメント

  1. avoさん より:

    キツネ火などというのは、子供のときに童話か何かで聞いたような気がするだけです。
    体同士が触れて、静電気が発生するというのは、すごく具体的で、納得です。
    でも街には深夜まで明るくて、見られない可能性大ですね。
    塾長のところもそうなのでしょうか。
    夜のフィールドを歩いたのは20年くらいも前のことです。
    反省!