桐の木


ここ10年ばかり、カラスの巣を観察している。
全国いろんな地方をめぐり、巣の中をのぞいているのだ。
カラスの巣だからほとんどが樹上であり、それらの木に登っていかなければならない。
これだけは、写真技術以前の問題であって、木登りができない者には観察することもできないだろう。
お陰さまでボクは、子供の頃より木登りが得意だった。
したがって、この技術だけでも別アングルが稼げるので、写真家として他人とちがった仕事ができていると思っている。
そんなわけで、昔取った杵柄この年になってもちゃんと木登りができるのである。
さて、新潟県は糸魚川市で民家の脇にあるカラスの巣をみつけた。
しかし、その木はどうも「桐」の木のようだった。
木登りがいくら得意でも、ボクには絶対に登らない木がある。
それは、カキとポプラとキリ…だ。
そして、注意を要する木が、スギとヤナギ…。
これらの木はとても弱くて、枝に弾力性がなく折れやすいから、だ。
その意味でも、樹木の種類を瞬時に見分けることもフィールド派としては必要なことだからである。
その桐の木らしきものが糸魚川のカラスの巣だった。
民家の庭先だったので許可をいただかなければならないし、ついでに樹種を訊いてみた。
gaku 『あれは、桐の木のようだけど、キリですか?』
民家 『ああ、桐ですよ。娘が生まれたときに植えた木です。』
gaku 『桐の木って、もろいのですよ、ね。』
民家 『ああ、弱いよ。枝はパキーーンとすぐ折れるよ。登ったら危険だよ。』
このカラスの巣の観察は、これであきらめた。
写真:桐の木は、湿度の高い豪雪地帯に多くみられる。

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桐の木 への2件のコメント

  1. 小坊主 より:

    昔は、娘が生まれると、桐を植えたそうですね。
    成長が早いので、娘が年頃になる頃に切り倒せば、桐箪笥一棹が作れるのだそうです。
    ここの娘さん、さて、桐の箪笥を貰って、お嫁に行くのでしょうか。

  2. ピッコロ より:

    カメラが好き、写真が好きといったところから、自然を被写体に選んだような人はマニュアルには載っていないところに大きな壁があるのでしょうね。
    桐箪笥の話、そういえば聞いたことありますね。