熊にご注意


昨日の昼ちょっとすぎだった。
中央アルプス山麓の高原地帯につづく遊歩道に、3-4歳くらいの男の子をつれた若いお母さんが散策を楽しむ姿がみえた。
おもちゃみたいな小さなリュックを背負った子供は、山の道をやっと歩いているといった感じがした。
お母さんは、みどりの林を歩く気持ちよさを全身に感じているのか、一歩ずつ踏みしめる喜びが後姿ににじみでていた。
この母子をボクは、100mくらい離れた道路から車の運転中に目撃したものだったが、そこには熊がふつうにいる場所でもある。
幼児連れでの山中散策はあまりにも「危険だなぁー」と思いながら、ボクは一瞬の通過をしてしまった。
近所にはボクの無人カメラが設置してあり、毎日の見回りから熊の動きが分かっている。
ただ、ここ10日ばかりは熊の動きがなく、近所に出現がないものと判断していた。
だから、熊の潜行状態までは把握できてないけれど、たぶん大丈夫だろうと思ったからでもある。
もっともこういう散策は自己責任だし、高原にはこういう人たちがけっこう多いので指導もしきれないのが実情だ。
しかも、その遊歩道の入り口には「熊注意」の表記がちゃんと出ているので、この母親はそれを読んで歩きだしているのだからやはりそこは個人判断に任せるべきであろう。

この直後に、東京の編集者から携帯電話が入った。
編集者 『秋田県で山菜採りの人が熊に襲われて死んだらしいね。
      顔や全身に噛まれたりひっかかれた傷があったそうな。
      ネットでもこのニュースが読めますよ。』
この日の長野県の新聞には、県内でタケノコ採り中に足を滑らせて転落死したニュースが載っていた。
ボクはてっきりそのことと勘違いしていた。
gaku  『今朝の新聞にもでてたね。
      ヘリコプターが探したらしいけれど、転落死したって書いてあった、よ。
      熊にやられたなんて書いてなかったけれど、やっぱり熊だったの…? 』
帰宅して秋田県版の新聞をネット検索したら、たしかに死亡事故が載っていた。
長野県と秋田県の事故を、ボクは混同していたのだった。
結局、ボクが目撃した母子は無事に散策を楽しんだようすだった。
まあ、熊の事故に限らず、マムシやスズメバチ、落石など山中での事故は、かなり「運」がつきまとうような気がする。
その運も、ちょっとした注意力で良運になるか悪運になるかが分かれてくると思う。
しかし、そうした「注意力」も日ごろからの自然界に対する気配りからくるものであろう。
「死はつぎなる生命をささえる」という言葉があるように、山菜採りにしても自然散策にしても、ちょっとした情報には敏感になり自分自身で考えていくことは必要なことと思う。
少なくもボクの母親は、ボクが小さかったころはこのような山中へは連れ出さなかった。
そして、自然界での怖い面だけはうるさいように諭してくれていた。
写真上:遊歩道に出現するツキノワグマ。
写真中:その遊歩道には熊注意の表記がある。

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熊にご注意 への3件のコメント

  1. 小坊主 より:

    渓流釣りに、クマの危険は付き物。
    私がホームにしている丹沢のとある渓では、このところ、単独の成獣と、子連れのクマが数度にわたって目撃されており、漁協が注意を呼びかけています。
    しかし、それでも入る者があり、それは承知の上での自己リスクとされています。

  2. C-NA より:

    こんばんは。
    山に分け入るには動物的な感覚を磨く必要もありますね。鳥の声や葉擦れの音を聞くとか糞を観察するとか
    ただ歩いていて気分がいいだけでは無防備ですね。
    五感ををとぎすまして見ると可愛い小動物とか花とか素晴らしい発見もあったりします。そこが人を引きつける森の魔力のような気もします。

  3. アルファ より:

    C-NAさんのおっしゃる「森の魔力」みたいなものを、ふと感じることがあります。