深夜のドバト


眠らない都市、東京。
深夜の新宿歌舞伎町付近を歩いていたら、ドバトも道路を歩いていた。
時計をみたら、2時半だった。
ドバトは、のこのこと独りで歩き、路上の餌をさがしてはついばんでいた。
ドブネズミなら夜行性なので深夜の行動は理解できる。
それなのに、昼間活動するドバトが歩いているのは、異常としか思えない。
ドバトをこのような行動にかりたてているものは、実はネオンである。
夜間でも、ドバトにとっては充分な明かりがあるから、こうして活動できるのだ。
光で、体内ホルモンを操作されてしまったうえでの異常行動なのである。
これは、「事件」だと思わなくてはならないだろう。
そのくらい、現代社会は電気エネルギーを使い、夜の都市を明るく照らし出しているといえるからだ。
このネオンで蠢くのは、ドバト以上に人間たちでもある。
自分たちで作り出した明かりで人間も完全にマヒさせられてしまっているので、ドバトの異常さにも気づかない。
自然界にはいろんなところでサインを送ってきているものだが、こうしたドバトの行動と表裏一体なのが現代社会に生きる私たち人間だろう。
夜間行動するドバトの姿は、実は現代人の姿でもある、からだ。

写真上:世界柔道選手権大会の独占放送をつたえる看板をなぜか気に入っているようすだった。
写真下:ドバトはフクロウにはなりえないが、かなり暗い路上を確固たる足取りで歩いていた。

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深夜のドバト への5件のコメント

  1. YUJI より:

    まるで、ドバトが看板を眺めているようですね。
    夜の森へ知人を案内すると、”暗い”といことに驚いています。あとは、どこからも音楽が聞こえてこないの新鮮だ、という人も。季節も、日周さえもない現代ですね。

  2. buki より:

    私の住む奄美大島では、旧暦行事が残っていてまだ救われていますね?スローフード的生活をと見識者は詠いますが、ご本人には出来ないでしょう!私は旧暦的生活が好きです!季節がくると、とても忙しいのですが、八月踊りや十五夜豊年祭など「心の安らぎ」が癒しを与えてくれます。

  3. 寒立馬 より:

    奢り高ぶる人間。地球に生きる一動物であることをすっかり忘れているようです。

  4. tomo より:

    何年か前に大宮の公園で野宿したことがありますが、カラスが夜中騒いでいて驚きました。

  5. 北割 より:

    ハトに限らずツバメの異常な行動に我が社も一役買ってしまいました。
    夜10時少し前に軒下へ巣を作ったツバメが集まってくる虫たちを捕まえに飛び回ってました。