松茸に似たマツオウジ


仕事場の二階から外を眺めていたら、庭にある松の木に大きなキノコが生えているのを発見した。
傘の直径が20cmもある大きなキノコが、地上40cmほどの幹に生えているではないか。
しかも、株になって3-4本も。
はじめてみるキノコなので、写真に撮って仲間内のネットに流してみた。
10分もしないうちに、それは「マツオウジ」ではないかと、続々と同定結果が届いてきた。
まさに、インターネットの恐るべき威力。
マツオウジを手元の図鑑で調べてみたら、やっぱり疑いもなく「マツオウジ」だった。
名前の由来は、松に旺盛に生えるからだそうだ。
アカマツの倒木や切り株にはよく生えるらしいが、これまで無関心だったから見過ごしてきていたのだろう。
もっとも、図鑑などで見る写真はみな小さなもので、こんなにも巨大ではなかった。
しかも、ボクの見つけたのは生きている松の幹から元気に生えているから、同定に迷うことにもなったのである。
図鑑によるとマツオウジは、食べて美味しいキノコとあるが、人によっては中毒や嘔吐をするとも書いてあった。
美味しい理由は、マツタケに食感が似ており香りもいいからだ、とある。

近年はマツタケがあまりにも高値だから、ボクはこのマツオウジとやらを食してみたくなった。
そこで、とりあえず1本だけ獲ってきて、網焼きにしてみた。
生のときは松脂のような香しさがキノコの茎からは漂っていたが、焼くとすっかり無臭となってしまった。
しかし、食感はすばらしく、「マツタケ」以上だった。
これはなかなかに優秀なキノコといえるが、人によっては「嘔吐」が気がかりである。
なので、とりあえずはほんの少しだけ味わってみることにした。
これで、嘔吐などがなければ、まだ生えているのでいつでも獲ることができる。
そんな楽しみを残しながら「嘔吐」がくるのを待つ身にも、若干の不安がのこる。
ならば食べなければいいではないかと思うのだが、美味しいといわれればやはりそこは試してみたくもなる。
いや、試してみたらマツオウジはほんとうに食感がいいキノコなので、煮物など料理方法によってはすばらしくいい味を引きだしそうな気がする。
だからそれが楽しみで、嘔吐の時間を待っているというワケだ。
自然界との付き合いは万事がこんな調子なので、こうしたスリルがなければやっておれない。
6時間経つが、いまのところ当たる気配もなく元気である。

写真上:80年近いアカマツの幹に、これまた大きな傘をひろげるマツオウジ菌。
写真中:ヒダにはノコギリのようなぎざぎざがちゃんとあるからマツオウジにまちがいない。
写真下:それにしても大きなキノコだった。まだこの傘の下には幼菌もあるので、楽しみだ。

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松茸に似たマツオウジ への2件のコメント

  1. amitake より:

    マツオウジはあまり腐朽の進まない、朽ちていない木から出ますが、朽ちるまでは毎年出るようです。ここ数年楽しみですね。

  2. gaku より:

    「朽ちる」まで毎年キノコが生えてくるということは、やがてはこの木も朽ちるのですね。
    よく注意していかないと、倒れてきたらタイヘンなことになります。
    なにしろ、20トン以上もありそうなので。