『昔の名前で出ています』


久しぶりにNHKのスタジオ収録に行ってきた。
教育TVだったが、「フクロウ」の秘密に迫った番組。
とっても可愛らしいタレントの中山エミリさんが司会進行。
内容はといえば、これまでボクが言ってきたことの焼き直し。
まあ、このような番組にわざわざ出演しなくてもよかったのだが、ちょうど上京していたのでスケジュール調節ができた次第。
フクロウといえば、いまから17年前にボクは写真集『フクロウ』を出版した。
写真集ができるまでには、さらに10年もの歳月を費やしていたから、あの写真集のクオリティーは今後50年は破られないと思っている。
そのくらいリキをいれてボクは、野生のフクロウに迫った自信作である。
日本国内でのフクロウ観察は、毎年春になると巣のまわりを見ているだけで、それ以上の進展がまったく見られていないのが実情である。
ボクの写真集が出たのだから、それを参考にして発奮してくれる人たちが全国から出てきてもいいものだが、17年経っても相変わらず巣観察の域を脱しきれていない。
日本に生息している野生動物は、あらゆる季節にそれなりの意味をもって生きているのが実情だ。フクロウだって春に子育てをして、夏、秋、冬と、日本の季節をしっかり計算しながら自分たちの生活に取り入れているのである。そして、その季節の変化がフクロウの生活史に深く関わっているのだから、自然界に生きる意味というものがそこには見出せる。
それなのに、春の子育てだけを観察してフクロウのすべてが分かってしまっているような断片意見がまかりとおっていることに不思議さを感じる。
そんなこともあって、番組ではどんな進展になるかも興味があったから出演してみたのだった。まあ、ボクにとっては物足りないものだったが、パーフェクトを望んでもいけないので関係者一般の認識度をチェックしてきたようなもの。
こういう経験をするたびに、日本人の自然観はまだまだあまりにもの低さに驚愕する。
総合的にフクロウを見れる学者もいないし専門家も、いない。
これは、フクロウに限らず日本の野生動物全般にいえることのような気がする。
写真:ペットショップから借りてきた外国産のフクロウがスタジオで愛嬌をふりまいていた。野生のフクロウは人間を襲うくらい獰猛なんだけど、みんなが「可愛いい」の連発。飼育してみれば、やっぱり可愛いと思う。

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『昔の名前で出ています』 への5件のコメント

  1. ホンダのS より:

    写真集「フクロウ」が出版されて17年、本格的に
    取組み始めてから30年近く経っても、未だに誰も
    真似すらできないことを一人でやってしまったことに
    宮崎さんの偉大さがあると常々思っています。

  2. もっち より:

    写真集を拝見する度、そのクオリティーの高さに唸ってしまいます。
    ここぞと言う場面(フレーム、アングル)に収められたフクロウ・・・いわば、フクロウに演出?までさせてしまっている宮崎さんは、フクロウよりフクロウを知り尽くしているのだと思いました。
    NHKの番組はいつ頃放送されるのでしょうか?
    楽しみです。

  3. puuko より:

    私も持ってます。この本でフクロウがますます好きのなりました。NHKの番組とても楽しみです。

  4. より:

    偶然ですが、駒ヶ根に行った日にNHKから連絡があって
    フクロウの撮影をしたいと言っていました
    番組名などは聞きませんでしたが
    ひょとしたら、撮影協力をするかもしれません

  5. ピッコロ より:

    フクロウの営巣写真、人で言うと自宅周辺の活動に過ぎず、外でどんな生活してるのか、それも知らないと片手落ちと言うことですね。