自動撮影カメラの発見


今年も終わりなので、自動撮影カメラのメディア回収にいってきた。
撮影は順調に進んでいたことはわかっていたが、ここ1ヶ月ばかりのデータ回収をしていなかったからだ。
自動撮影なので記録はすべてRAWで行っているが、現像していくほどにたくさんの発見がみえてきた。
ツキノワグマが秋までは頻繁に出現していたが、11月以降からはイノシシやタヌキ、テンなどの動きにとって変わられていた。
なかでも、イノシシはほんとうに多く出現してきていた。
12月25日の深夜には、生後1年ほどの3頭のイノシシ兄弟がカメラの前を通過していった。
その3頭をよくみれば、みんな毛が抜けていた。
あきらかに、疥癬ダニにやられていたからだ。
こういうイノシシは、この冬の寒さにどう対応していくのだろうかと興味がある。
たぶん、どこかで寒さに耐え切れずに死んでいくのだろうが、そうした死体を見つけることもない。
そういえば、疥癬ダニにやられたキツネも同じ場所で写されていた。
このキツネは12月7日だから、イノシシと同じエリア内で罹患したのだろう。
どちらが先に疥癬ダニを背負ったのかは知らないが、キツネは尻から尾にかけて毛がかなり抜けている。
右足の裏腿部などは、掻きすぎて血がにじんでもいる。

イノシシやキツネのこのような動きは、直接観察はなかなかできないことだ。
しかし、こうして自動撮影カメラを長期間設置しつづけると、見えてないものがみえてくるから効果的である。
ボクはもうかれこれ30年以上も前からこうした自動撮影カメラ設置を繰り返しているが、このように疥癬ダニにダメージを受けている野生動物もずっとみてきている。
そして、こういう現象が繰り返し起こりながら、ずっと推移してきていることもわかっている。
だからといって、周辺に疥癬ダニが流行ったとしても、野生動物がいなくなるわけでもないから自然界の治癒力にはすごいものがあると思っている。
疥癬ダニが生物を絶滅させることはないだろうと思うが、この自動撮影カメラに写される動物たちにもまったく疥癬を患っていないものもいるのが不思議でならない。
ツキノワグマ、テン、カモシカ、リス、…は、いまのところ、疥癬になっているものを見たことがないからだ。
まあ、こうして自動撮影カメラを長期間にわたって張りつづけることも、黙して語らない自然界を観察していくひとつの方法だと思っている。
だから、これだけは根気強くつづけていくつもりだ。
写真上:イノシシはほぼ全身の毛がない。
写真下:このキツネはお尻がそうとうに痒そうだ。

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自動撮影カメラの発見 への3件のコメント

  1. 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。疥癬つらそうですね、僕もなった事があるのでこのつらさは判ります。この疥癬というのは、昔から野生動物の間で流行っていたのでしょうか?それとも最近何かの要因で野生動物に流行りだしたのでしょうか?
    このような、寄生生物は、恐喝と同じで、なるべく多くむしりとるため細く長く養分を吸い取る工夫していると思いますが、やはり寄生された動物は死んでしますのでしょうか?

  2. gaku より:

    おいかわ飯店さん、おめでとうございます。
    ボクは、日本の野生動物撮影をして40年のキャリアを超えましたが、疥癬ダニにやられた動物を見るようになったのは1980年代になってからだと思います。
    それ以前は、目撃できませんでした。
    寄生されると、痒さのあまりに毛を抜きますから、冬の寒さに耐え切れずに死ぬ個体は多いようです。
    しかも、重症になると思考能力も狂い、水路に落ちてしまったり、交通事故に遭うのも少なくありません。

  3. 調べてみたら疥癬は、アレルギー反応らしいですね。20年前にホンデュラスに住んでたころも野良犬には疥癬が流行っていたような気がします。今ももちろんあるようです。野良犬は人間に最も近い食生活をしていると思われそれが影響してるのかもしれませんね。もしかすると野生生物にとって食生活が影響しているという可能性はありますね。