幼児体験というポケットづくり


近所の子供たちを連れて、天竜川へ魚捕りにでかけた。
魚捕りといっても、メダカである。
メダカといっても本物のメダカでなくて、オイカワやウグイの赤ん坊をすくうのだった。
こんな魚捕りでも、子供たちは夢中になるから可愛くなってしまう。
普段は学校の勉強ばかりやらされているから、こうして教科書のない世界に没頭できることはいろんな意味でも、「人」の訓練になることだろう。
4人の子供たちは、いずれも小学校5年生。
だけど、全員の個性がでて面白い。
運動神経に遅れている子供は、どうしてもメダカが捕れない。何回も石に滑って転んだりも、する。
勘のいい子供は、現場でどんどん工夫をして捕まえていく。
まるで、ボクの少年時代を思い出す場面でもある。
川なので、水の深さも石の点在もすべて違う。そうしたすべて違う世界を自分のモノとするには、やはり自分で考える工夫がいちばんである。
それに、なかなか気づかない子供もいる。
ボクは、学校の勉強より、こうした遊びのほうが絶対に楽しかった。
とにかく、教科書のない自然の世界で自分自身の「教科書」をつくりあげてきた。それが幼児体験というポケットだからである。この幼児体験のポケットが、いまこうして写真家になっても生きていることに感謝している。そんなポケットにいまでも手を突っ込めば、いろんな経験とともにアイデアが次々に出てくるから、だ。

やがて、子供たちはアユがいることに気づいた。
20匹ほどのアユが増水のあとに水溜りに取り残されていた、のだ。
アユたちは、ゆらりひらりと泳ぎながら、子供たちをかわしていく。アユとオイカワなどとの泳ぎ方の違いを教えてあげながら、捕まえ方も伝授する。だが、ちっとも捕れない。それは、ボクの少年時代と一緒だった。アユだけは、ボクも手づかみできなくて悔しい思いをしたものだ。
そんな子供たちに、次回は「イタチ猟」を教えてあげようと思う。
天敵利用のこの猟は、ボク自身も幼児体験になかったことなので、子供たちと一緒に体験してみたい。これで、子供たちがアユをつかめたら、それはそれは大きな幼児体験のポケットになろう。
4人のうちの3人が、また魚捕りに連れてってとせがんできた。
運動神経の弱い子供だけが、ここで脱落した。
「よい子は川で遊ばない」というのが、ここ30年以上の社会の合言葉である。
とにかく、子供を危険から遠ざけてしまっている。
ボク等の子供のころは、自分で判断したものだ。
大人が一緒に行ってあげないと遊べないのも可哀想だが、そんな子供たちの自立と体験のポケットになるのならば、ボクも一肌脱いでもいい。

写真上:天竜川は自然体験の宝庫。
写真中:夢中になって目の輝きが違ってくるのがうれしくなる。
写真下:牛乳パックも簡易バケツとなって、メダカのお土産ができた。これを育てるのも、さらなる体験が待っている。

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幼児体験というポケットづくり への7件のコメント

  1. 通りすがり より:

    そうなんですよね~
    やなり田舎の子なら、タオルを持ち出さないと(^^;;

  2. 小坊主 より:

    もう、50年、こんな事ばっかり、やっています。
    未だに、幼児か。。

  3. タッキー より:

    私の少年時代のメインステージは天竜川の支流の与田切川でした。
    夏になると学校から帰ると一目散に水中眼鏡とモリを持っては出掛けたものです。
    獲物はカジカやヤマメでした。
    当時はこれだけ沢山の冷たい水がどこから流れて来るのか不思議に思ったものでしたが、今ではあの大量の水がどこへ行ってしまったのか不思議に思っています。
    我家は娘ばかりなので、私がしたような川で魚獲りなんて興味が無いのですが、それ以上に魚が住める環境が今でもあるのかが不安になってしまいます。
    写真には写っていない子供達の輝く瞳が見えてくるようです。

  4. 限られた資源を大切に・・・

    わが町の中心を流れる与田切川、中央アルプスを源流に天竜川へ注ぎます、夏休みになると、アカウオ(ウグイ)にヤマメにカジカを捕りに水中眼鏡とモリを持って毎日のようにこの川…

  5. イッシー より:

    はじめまして、イッシーと申します。
    GAKU先生が急に恋しくなり、遊びに参りました。
    その節は、たいへん失礼しました。
    スイカの話、とても面白かったです。

  6. 今回の旅行で、20年前住んでいた町へ行ってきました。当時は、大変な田舎でしたが、今回の訪問でその発展に驚きました。知り合いのファミリーも尋ねてみました。当時小学生だった子供たちが、みな子持ちでした。それでもみな僕の顔を見ると思い出してくれ、変な外国人がいたことを覚えていてくれました。幼児体験の一つなんでしょうか。

  7. gaku より:

    ◆通りすがりさん
    川のメダカは、たしかにタオルですね。
    それも、「豆しぼり」。
    ◆小坊主さん
    >未だに、幼児か。。
    そりは、親児というんです。
    ◆タッキーさん
    与田切川ですか?
    その上流で、ボクはときどきオシッコしてます。
    お気をつけ、ください。
    ◆イッシーさん
    >GAKU先生が急に恋しくなり、遊びに参りました。
    別にオイラに恋をしてくれなくてもいいけれど、
    >その節は、たいへん失礼しました。
    ハテ、どなただったのでしょうか??
    ◆おいかわ飯店さん
    >幼児体験の一つなんでしょうか。
    子供は、ほんとうに当時の大人の顔や特徴を覚えているものです。
    それも、幼児体験のポケットでしょう。