ついにやってきたソウシチョウ


中央アルプス山麓の高原で、得体の知れない野鳥の声を聞いた。
『キョロキョロキョロ ジッジッジッジ キョロキョロキョロ … 』
ツグミ類の囀りのような声だが、少し張りが少ない。
が、しかし、よく通る声だ。
ガビチョウのようでもあるが、それでもない。
マミチャジナイかシロハラなどのツグミ類がまだ渡りつづけているのか、仲間を呼び集めている地鳴き声だと思った。
その声は、少しずつ移動していた。
そして、30mほど離れた杉の木までやってきた。
双眼鏡をもって、そっと移動しながら、正体を確かめようと、スギの枝内をみた。
な、なんと、そこにはソウシチョウがいるではないか。
真っ赤な嘴をして、たしかに囀っている。
しかも、10羽ほどの群れ、だ。
「え、ええーー! ついにソウシチョウが定着してしまったのかぁー」というのが、ボクの第一印象だった。
ソウシチョウとは、中国原産のスズメくらいの大きさをした野鳥。
美しい姿をしているので、昔から飼育鳥としての人気も高かった。
このため、ボクが子供のころは立派な飼い鳥として、たくさん輸入され小鳥屋さんで売られていたものである。
ボクも飼いたかったが、子供の小遣いでは絶対に買えない高価な鳥でもあった。
そのソウシチョウが、近年になって、全国各地で野生化しているというニュースはあった。
篭脱けしたのか中国から分布拡大をしてきたのかは謎だが、「篭脱け」説が強い。
長野県でも、伊那谷の南部地域でそのような情報も聞こえてきていた。
しかし、まさか、中央アルプス山麓まで進出してきているとは思えなかった。
だが、こうしてボク自身の目で確認したのだから、これで、完全に定着していることがわかった。
今回ボクが出会った環境から想像すれば、たぶん、すでに広範囲にわたって多数が定着していることだろう。
ある意味ではショックだった。
また、ある意味では共存も仕方がないのかな、とも思った。
ならば、外来種のソウシチョウを捕まえて、子供のころの夢であった「飼育」をしてもよいではないか、とも思ってしまった。
まあ、ともあれ、これでソウシチョウも確実に増えて、日本の「野鳥」になっていくのであろう。
10羽ほどのソウシチョウの群れは、ボクの興奮をよそに、林から林へ移動しながらやがて視界から消えていった。
次回は、どこでどのような出会いがまっているかはわからないが、たぶんそんなに遠くない日に出会えそうな予感がした。
あの嘴、あの目の周りなど、まるで蝋細工のような可愛らしさがあるソウシチョウだから、やっぱりもう一度しっかり会ってみたい。
写真:神奈川県で撮影したものだが、これとまったく同じ顔をして信州の杉林にいた。

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ついにやってきたソウシチョウ への9件のコメント

  1. わさびぃ より:

    哺乳類も、恐竜の時代、ねずみのご先祖みたいに小さくなって、こそこそと生き延びて来たそうですが、地面をのうのうと哺乳類が占有した現在、恐竜の末裔は、雀みたいに小さくなって、いつか来るかもしれない覇権奪還を待っているんでしょうかぁ・・・・

  2. みとこんどりゃあ より:

    私が18の頃には、横浜居たと記憶しています。

  3. ばんど より:

    こんばんはばんどです。
    静岡、山梨の富士山麓の笹薮では優占種ですし、愛知、三重、奈良などの似たような環境には既に沢山生息しているようです。
    六甲山麓にも随分以前から居るようです。
    東は筑波山辺り、西は九州まで分布していますが、日本海側の記録は便りがありません。
    さえずりはクロツグミに似ていると思います。
    チョウセンウグイスと言う名前で輸入された経緯があり、糞を化粧品に加工していたようですが、現在は不明です。
    私はカラーリングが派手で好きになれません。
    メスは少し地味ですよ。

  4. gaku より:

    ■わさびぃ さん
    そうです。そのうちに、カナヘビが5m位の体長になるかもしれませんね。
    カナヘビの顔は、まんま恐竜です。
    ■みとこんどりゃあ さん
    そうですか、横浜は中華街があるので、それと一緒にソウシチョウもやってきていたのか、も?
    ■ばんど さん
    久しぶりです
    つい、1週間前に近所に行っていましたよ。
    ホテルで一泊してました。
    また、近々、出向きます。

  5. わさびぃ より:

    カナヘビですか・・・それは調べてみます。

  6. わさびぃ より:

    動画サイトでカナヘビみました。あれが5mになれば、人間は餌のうちに入りそうです。温暖化で大きくならないとも限りませんね。

  7. gaku より:

    カナヘビは、なかなかに恐竜的でしょう?
    伊那谷にも、あちこちたくさんいますよ。

  8. むささび より:

    こんばんは。
    久々にお邪魔しました♪
    実は今日、坂部の柚餅子工場でこの鳥を見たのです!
    窓に激突して死んでしまったそうなのですが
    グレーっぽい鳥で、赤い嘴、黄色い胸元、羽のオレンジ
    野鳥の本を調べても載っていないので諦めかけたところ・・・。
    gaku先生のブログに載っていてビックリしました!
    それはそれは可愛らしい鳥でした。
    明日さっそく、工場のSさんに鳥の名前を教えてあげたいと思います。
    ありがとうございました♪
    あ、カナヘビは我が家にもいます。^^
    恐竜的な姿がとてもチャーミングで人気者です。

  9. gaku より:

    ■むささび さん
    下伊那には、かなりソウシチョウがいると思いますよ。
    それも、以外にも民家や工場の庭先にもきていると思います。
    なので、今回の窓激突事件は、そんなに珍しいことではないと思いますので、今後もぜひ注意してみていかれるといいでしょう。