ニホンジカの「おかま」ちゃん


泥なめ場に無人撮影カメラを設置していたら、ヤギほどしかない角のシカがいることに気づいた。
ニホンジカのオスの角は2-3段に枝分かれしている立派なものであるが、このように貧弱な1本角のシカをソロッポと伊那谷では呼んでいる。
ソロッポは雄ジカだけど、睾丸がないとも言われている。
その事実をまだボクは確認してないが、たぶん睾丸はあると思う。あっても、意外に小さなものなのかもしれない。
このような1本角には、理由があるようだ。
それは、俗にいう「おかま」ではないかと思われる。
交尾期に、メスのふりをしてハーレムに紛れ込み、立派な角をもった雄が交尾に忙しくしているときに、別のメスにちゃっかり交尾をしてしまうスニーキングではないか。
ニホンジカは、大きな角をシンポルとしてたくさんのメスを獲得するが、ハーレムでは中途半端に大きな角をした雄は高順位の雄に見つかって猛烈に排除されるはずだ。
しかし、この写真のような貧弱な1本角だと、立派な角にしか反応しない高順位の雄は、ソロッポを「雄」と見破れないのだろう。だから、このソロッポ雄もとぼけて雌のなかにまぎれこんで、ちゃっかり交尾をしてしまうのである。

このような現場をボクはまだ目撃していないが、おそらくまちがいないだろう。
でなければ、このような雄は絶対に生まれてこないハズだ。
南アルプスには、このようなソロッポ鹿がかなり生息しているから、やっぱりスニーカーだと思う。
写真上:ソロッポ鹿。
写真下:若い雄はこの時期(11月)でもまだ袋角だが、ソロッポの角は?けている。

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ニホンジカの「おかま」ちゃん への7件のコメント

  1. わさびぃ より:

    なんとなく、人間社会にも類似の存在を思い浮かべます。好きになれない。けど、これも適者生存なんですね。

  2. てっちゃん より:

    なんだか、サケのオスがメスに体色を似せて、隙を見て産卵するのに、似ていますね。
    それか、サクラマスが産卵する隙に、小さなヤマメが横から割り込んで、放精するのにも・・・
    ところで、ソロッポって、どういう意味なのでしょうか?

  3. gaku より:

    >ところで、ソロッポって、どういう意味なのでしょうか?
    「早漏っぽい」で、いいのかな?

  4. わさびぃ より:

    座布団1枚・・・(^-^:)?

  5. いち猟師 より:

    こんばんは。
    ソロッポウと聞いてとある文献を紐解いて見ました。
    ”小さくてすばしっこくて、赤地茶けている‥”これってキョンそっくりじゃないですか!
    もしかして南ア周辺には昔から生息してたのかもしれませんね。
    あくまで推測ですが‥。
    ちなみに写真の鹿は若い雄鹿だと思うのですが、どうなのでしょう?
    大きさも小さいようだし。
    ませてるヤツは皮剥ぎするとかじゃないですかねぇ。

  6. gaku より:

    ■いち猟師さん
    キョン、この冬には何とかもう一度調査したいと考えています。
    >ちなみに写真の鹿は若い雄鹿だと思うのですが、どうなのでしょう?
    下の写真の当歳オスにはタテガミがありません。
    上の写真のソロッポにはタテガミがあります。
    この辺も、大人オスの「ソロッポ」の根拠にしているのですが、今後もどんどん写真撮影やら現場観察して決め手をつかいみたいと思っています。

  7. いち猟師 より:

    なるほど‥、そう言われるとたしかにそうかもしれませんね。
    ただ、人といっしょで個体差ってのも無視出来ないのでは‥、と感じはしますが。
    しかし、昔の猟師も指摘しているのですから、ソロッポ鹿は異形として存在するのかもしれませんね、今後の調査期待しております。
    それからキョンですが、今年はまだ見ておりません。
    先日クマに目の前で逃げられた時、クマが逃げていった先でギャーギャー吼えてる(+足音)獣がいたのですが、それがキョンかな?と思ってます(標高は1600mあたり)。
    クマはそんなことしないですよね?姿が見えれば弾の届く距離で。
    なにせクマにはめったにお目にかかれないので鳴き声まで把握してません。
    はずかしながら‥。