信頼できる助手は無人撮影ロボットカメラ


自然界は、「黙して語らない世界」である。
だが自然界からは、いろんな形でサインも出ているから、こちら側がちょっとした努力をすればちゃんと応えてくれる世界でもある。
だからボクは、あらゆる手段をつかって自然界を探ることに楽しみを見出している。
その一つが、自ら開発した「無人撮影ロボットカメラ」である。
このカメラをフィールドに設置することにより、これまでいくつもの知らない世界を発掘してきた。
そうした発掘から、次なる発想展開をすることで、たくさんの発見と結果を導き出すことができる。
それが、プロとしての表現手段であり、新たなアイデアや作品づくりの企画へと発展させることができるからだ。
このときの無人撮影カメラは、本気になって使用するにはかなり大掛かりな仕掛けとなる。
だから、設置はなかなかに面倒で、億劫になってしまうことも多々ある。
そこでちょっとしたデータ収集には、もっと簡単なシステムができないものかといつも考えていた。
そんなひらめきが昨年の暮れにあり、「簡易」無人撮影装置を開発することができた。
センサーとカメラとストロボを一体化してハウジングに収め、5分という簡単作業で設置できるようにしてみたのである。
カメラはニコンD80、レンズは中古の28mm、ストロボは「レンズ付きフイルムカメラ」から外しただけのシステム。

ボクがニコンシステムにこだわるのは、機材の確実性にある。
とにかく、自然界のフィールドという過酷な条件下でも故障がまったくないという信頼感につながっているからだ。そして、これまで不動できたFレンズマウントがあらゆるレンズワークを可能にしてくれる。
時代がこれだけ変化してきているのに、30年前の古いレンズでも最新型のデジイチにちゃんと装着できるのがユーザーを裏切っていないからである。
このため、目的に合わせて中古レンズを買っては簡易カメラ用に仕立てることができてしまうのである。
こうして作った簡易カメラが、4台。
さりげなくガレ場地帯に置いておいたら、またまた発見があった。
テンもオコジョも、まさかという岩石地帯を潜行していることがわかったからである。
それは、たくさんのネズミが岩石地帯をシェルターとして生活しているから、それを追って、テンもオコジョも岩の隙間を徘徊していたのだった。
まさかという行動を、簡易カメラを作ったことでこうして発見することができた。
だから、自然界はオモシロイのである。
「黙して語らない」部分を、ちょっとしたアイデアで「語らせる」ことができてしまう。
まさに、無人撮影ロボットカメラは、ボクのもっとも信頼できる助手なのである。

写真上:テンとオコジョが同じガレ場を利用していることも、新たな発見につながった。このテンは、左目が若干不自由のようでもある。
写真中:4枚のテンだが、少なくも2頭は別個体だった。
写真下:簡易無人撮影ロボットカメラ。
【注意:ストロボは高圧電源を使っているので感電の危険性があります。重大事故にもつながりかねないので、電気的知識のない人はむやみに分解などしないこと。分解や製作は、あくまでも自己責任で行ってください。製作依頼は受け付けておりません。】

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信頼できる助手は無人撮影ロボットカメラ への4件のコメント

  1. イッシー より:

    gakuさんの研究熱心と器用さには、いつも驚かされます。楽しい映像を拝見し、学ぶところが大きいです。体を壊さないようがんばって下さい。応援しています。

  2. どぶろく より:

    gakuさん、ロボットカメラの様々なノウハウ、特許登録してますか。なんかコンパクトカメラとセんサー一体型の無人カメラが販売されてるみたいで。勿論gakuさんのに比べたらおもちゃですが、どっかの会社がキーポイント押さえたらアウツ。しょーばいに使えなくなりますから。

  3. gaku より:

    ■イッシー さん
    応援ありがとうございます。
    頑張ります。
    ■どぶろく さん
    大丈夫ですよ。
    カメラ技術以前のノウハウが必要ですので、誰でも撮れるというものではありません。

  4. とぶろく より:

    あ、いや特許というのはそんな難しい世界じゃなくて。私でさえ出願経験があるくらいですから。たとえば赤外線センサー、アンプ、リレーやトランジスタを介してカメラを駆動。関連して電源、フラッシュ、ヒーター、ハウジング。これらのシステムダイアグラムが特許登録されてしまうかもしれません。
    かつてアメリカのハネウエル社が日本のカメラメーカに対し自社のAF技術の特許を侵害していると訴訟を起こし、大金をかっさらって行きました。ハネウエル社のAF特許は殆ど概念的なものでしか無くて使い物にならず、実用化したの正に日本のメーカーでした。でも裁判には勝てなかった。最後に残った特許に強いキヤノンもついに落城。当時のキヤノンの会長は「ミスター特許」と社内で呼ばれていた山路さん。現経団連会長の御手洗さんは「AFを実用化したのは日本の技術力だ!」と怒ったが負け犬のオーボエ。これが特許の現実。「え!こんなのが」を沢山経験してきた私。
    ちなみに逆に特許登録しとけば特許料が貰えます。
    まあいいや、忘れて下さい。